天塩→(道道106)抜海
(以下#8-2)
→(道道510)兜沼
→(道道1118・国道40)開源
→(道道138)浜鬼志別
(以下#8-3)
→(国道238他)
神威岬トンネル
(以下#8-4)
→(国道238他)
下幌別
→(道道12)歌登
→(道道120)辺毛内
208km
いつも通り4時に起きると、空が明るい。雲が薄いのだ。
布団を出ると、何だか薄ら寒い。8月まっただ中、東京では扇風機を強にして直撃かけっぱなしでも、寝汗を落とすために深夜と起きてからお風呂に浸からないといけないというのに。さすがは道北、としか言いようが無い。
荷物をまとめて外に出ると、やはり冷たい風がぴゅーっと吹いて、宿の前の道道106を通り過ぎてゆく。空は薄曇り程度、雲がすっかり高い。広々とした空の雰囲気は、北海道らしい開放感というより、どうしようもなく秋空そのものである。思えば道北に入った途端、急に気温が低くなってしまっている。わずか数日前、道東で熱中症寸前だったのが嘘みたいだ。
6:00、西澤旅館発。
おにぎりは作っていただいているが、まずは昨夜も行った道道106沿いのセイコーマートで朝食、例によっって集中的にいろいろ腹に詰め込む。やはりついついうだうだしてしまって、6:35、天塩発。
昨日天塩まで日本海沿いの幹線道路は国道232だったが、天塩から北は、稚内の新富士まで道道106となる。国道232も遠別から北はほぼ平坦な台地上の牧草地をかなり淡々と進む道だが、こちらは国道232から交通量ががたっと減り、更に淡々と海沿いの、いや、海岸際の1本道となる。
まずその前に、天塩の町を出たところで道道106は天塩川を渡る。名寄盆地から延々旅をしてきただけあり、静かなる大河は静かな迫力を湛えていて、橋の上でつい立ち止まって見入ってしまう。
内陸に拡がるサロベツ原野の外縁と海岸の間に続くほぼ平坦な草地に、道道106は淡々と、延々と続く。
丘も無く陸側には山も見えず、視界にはひたすら一直線の道と、無人の道ばたの茂み、その向こうの草地、そして海岸から拡がってゆく日本海と、土手みたいなサロベツ原野縁の低木林が延々と続く。
▼動画3分32秒
空は雲が切れつつある。その雲は高くどこか広々と、青い色がどこか寂しげで、いかにも涼しげな北の空だ。
海上には、昨日雲が濃くて見えなかった利尻の裾が見え始めていた。
今日も利尻の全貌はほとんど雲に覆われてはいるが、水平線に接するシルエットの長さで、ほんとはもうかなり近くに見えているのがわかる。
海岸の平地はほとんど無人である。天塩からすぐ北のオトンルイ風力発電所、稚咲内の海産加工工場、軽食喫茶の地平線倶楽部、そして夕来の展望台と、例外的に忘れた頃に登場する施設の人の息吹が懐かしく感じられる。
▼稚咲内にて 展望240°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
そんな無人の陸と海の狭間に続く道。視界の彼方へ続く舗装道路、道の陸側に頼り無く続く電柱と電線だけが人工物で、いや、それらの動かない人工物は、海と陸の厳しく静かな狭間に、自己主張しながら何故か不思議に馴染んでいる。
▼稚咲内にて 展望240°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
地形も建物も、視界を遮ることが無いどこかあっさりした景色の中で、まるで居心地が悪いかのように時々車が通り過ぎてゆく。
▼動画2分11秒
▼夕来にて 展望270°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
稚咲内の先で次第に吹き始めた向かい風は、浜勇知手前までにかなり強烈になってしまった。
▼浜勇知にて 展望240°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
でも、もう海岸線には抜海港が見えてきている。抜海からは内陸へ方向が変わって風向きも変わるし、内陸では丘や森が少しは風を遮ってくれるだろう。
9:05、抜海着。去年暗くなって港の灯りを遠くから頼りにして着いたこの抜海。今日はまださわやかな朝の到着で、多少の感慨がある。去年の強追い風の好調ペースの印象があり、天塩からは2時間ぐらい、希望到着時刻8時頃というイメージだったが、出発時の補給、もたつきや途中のんびりしすぎで結局1時間遅れ。仕方無い、この先も粛々と進もう。
特に商店らしい商店の無い抜海では、とりあえずさっき天塩で仕入れたおにぎりで休憩。これから内陸の開源まで勇知、兜沼とやや分節的になる道を地図で確認しておく。
記 2009/10/8
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