北海道Tour09 #8-3 2009/8/15 天塩→辺毛内

天塩→(道道106)抜海 (以上#8-1)
→(道道510)兜沼→(道道1118・国道40)開源
→(道道138)浜鬼志別
(以上#8-2)
→(国道238他)神威岬トンネル
(以下#8-4) →(国道238他)下幌別→(道道12)歌登
→(道道120)辺毛内
   208km

これがホタテの猿払漁協売店 リピーター多し RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 浜鬼志別から国道238経由で浜頓別へ 赤は本日の経路

 13:10、浜鬼志別着。一応希望到着予定時刻通りである。

 

 となれば、道の駅さるふつ公園のレストランで昼食にホタテ料理を食べるか、またはここから北に寄り道して、猿払村漁協の売店で激安ホタテのお土産を買うか。この時間ならどちらか、あるいは両方できそうな気もしないでもない。が、やはりどちらかに絞るのが現実的だろう。どちらかと言われれば、今回はお土産だろう。
 猿払村は酪農と共にホタテが名産だ。その美味しさは去年その売店で送ったお土産の激安ホタテで思い知った。売店がある漁協の加工工場には横浜崎陽軒の看板が出ていて、一般的にもその味は認知されているものとしていいだろう。
 ここの規格外冷凍ホタテ、安くて冷凍物なのに、過去食べたどの生ホタテより美味しかったのである。とろんと甘くて旨いと言っても、甘いホタテというのは食べてみないとなかなかイメージしにくいと思うが、とにかくホタテの味が濃くなると甘いのだということを、ここのホタテを去年食べて初めて知ったのだ。
 そういうホタテスポットを目前にして、ここは足を向けないわけにはいかない。しかし、その売店が鬼志別の交差点からどれぐらいの距離だったかをさっぱり覚えていない。数kmだったような気もするし、あるいは宗谷岬手前まで続く丘陵の入口、東浦の手前だったような気もする。

 とりあえず浜鬼志別ではその前に、もっと現実的にやることがある。今朝の天塩出発時以来のセイコーマート補給である。
 店員さんはてきぱき系のおばさんだった。ホタテ加工場の漁協売店の場所を聞いてみると、
「ああ、ここからだと4kmぐらいですよ。あとは国道を下って浜猿払の港にも売店はあるけど、規格外ホタテはあそこのホタテ加工場しか売ってません。」
と、聞きたかったことを希望していた内容で答えていただけた。
 ならば一刻も早く行くしかない。急げ。

 

 というわけで、オホーツク沿岸の1本道、国道238を北へ。空も海もどこか広々と寂しげなオホーツク海の海岸部、一直線に伸びる道。浜鬼志別で道道138へ車が流れて、静かな道はいかにも最北端の道にふさわしい風情である。今、宗谷岬方面へ向かっているのだ。
 等と思ったところで次に気がついた。脚が軽い。凄い追い風なのだ。楽ちんで楽ちんで仕方が無い。北上するこの方向で追い風だとすると、これから枝幸まで延々続く南下ではどうなるか。今はあまり考えたくない。

 うーむ等と唸っているうち、ほんとにすぐに目指すホタテ加工工場が登場した。交差点からたったの1.5km。これで覚えた。

 売店では問題無く目指すホタテを仕入れることができたが、更に販拡用か店頭で炙っていた無料ホタテ(だいぶ小さめではある)バター焼きも、食べ(すぎ)ることができた。

 腹を満たしていよいよ南下を開始すると、思っていた以上に向かい風が重い。ギヤを落としても何とか10km/h台。▼動画32秒

 13:50、道の駅「さるふつ」着。ずっとここで何か食べようと考えていたので、とりあえず何か食べないと収まりが付かない。が、もう14時前。区切りの良い浜頓別まででも30km。だんだんいつものパターンになってきたような気がするぞ。とりあえず粛々と進んで浜頓別に着いてから先のことを考えよう。
 とはいえ、ここ「道の駅さるふつ公園」では、何が何でもソフトだけは外せない。というわけで売店でソフトを注文。うまいうまい、と速攻でがつがつ食って速攻で出発。

 慌ただしく出発したはいいが、すごい向かい風である。のろのろ17〜8km/hぐらいが一杯一杯、何となく物寂しいオホーツク岸を、ゆっくりゆっくり進む。というか、ゆっくり落ち着いて進めればいいのだが、あまりに強い風、風というより暴風で、意識が遠くなりそうな程だ。緩い坂で18km/hしか出せないのと違い、向かい風は負荷が変動するし、やはりどうしても気持ち的に報われない。おまけに出発当初、浜頓別には15時ぐらいには着きたいと思っていたが、今の時間だと少なくとも15時はもう無理だ。気持ちの焦りで、せっかくの北の景色を思う存分楽しむことができない。

 上猿骨のスノーシェッド辺りから雨までぱらつき始めたものの、浜猿払を過ぎて内陸へ向かうと、海風直撃を防いでくれる防風林効果と海岸より風が弱くなる内陸効果と道の向きがほんの少し変わった相乗効果で、風は少しだけ弱まってきた。しめた、こういう時に進めるところまで進まないと。

 内陸部に入ると例によって陸地は緩いアップダウンを伴う台地となる。国道238ではその起伏を切り通しで緩和されて、時々微妙に方向を変えつつ南下してゆく。

 切り通しなので景色が見えにくく、退屈な道だが、今日は少しでも風を遮るその切り通しが有り難い。

 浅茅野、安別、山軽と、併行する北オホーツク自転車道でおなじみの地名を横目に、防風林や牧草地、そして切り通しの中、横風の風向きに一喜一憂しつつ黙々と脚を進めてゆく。

 時々現れる浜頓別への距離の標識の数字は、確かに少しずつ少なくなっていった。延着気味の行程で、それだけが希望だった。

 15:25、浜頓別着。
 当初の予定通り、このまま向かい風に悩まされつつ、海岸沿いに進んで枝幸経由で歌登に向かうか、それとも風を避けて20km先の中頓別から約25km、一発峠越えのある道道120で歌登に向かうか。多少考えたが、やはり中頓別経由だと決定的に距離が長そうだ。枝幸経由で向かい風に悩まされても、まさか中頓別経由ほど時間はかからないだろう。
 時間は希望時刻より30分ほど遅れ気味だが、出発したらまだしんどい向かい風に悩まされないといけない。休むときにしっかり休まないと。というわけで、国道232沿いのセイコーマートで少々休憩とする。

浜頓別から国道238経由で神威岬トンネルへ 赤は本日の経路

 浜頓別から先、国道238は再び海岸部へ出る。

 さっきまで内陸の横風だったのが、海岸に出るとまたもや正面からの凄い向かい風になってしまった。

 もはや意識不明寸前で、頓別、豊牛、豊浜、斜内と断続する海岸の漁村を進んでゆく。思えばここの区間、前回北上したときにはかなり強い追い風だった。

 浜頓別の平地から、再び山裾の狭い海岸へ。

 そして神威岬ではこの道で数少ないトンネルで道なりに岬部分をショートカット。助かった、トンネルを出るまでしばしこの向かい風から逃げられる。
 もうへとへとだった。

 

 トンネルを出ると、ところが嘘みたいに風向きが変わってしまっていた。何と強追い風になってしまったのである。
 ええ、ほんとなの??嬉しいのだけど、ほんとに嘘みたいな変化である。しかし、そう言えば昔北上方向でこの道を通ったときに、神威岬でやはり嘘みたいに風向きが180°変わったのを思い出した。今日と逆の北上方向で、神威岬までは強向かい風、神威岬から北は強追い風だったから、風向き自体は今日と全く同じっぽい。神威岬はきっとこんな岬なのである。

 神威岬を初めて知ったのは、やはり鉄系から。雑誌で興浜北線が急峻な岬を回り込む写真で、神威岬という象徴的な名前、その切り立った険しい岩とオホーツク海の厳しい表情に、こんなところを鉄道が走っているんだ、と驚いたのだった。その興浜北線も廃止されて久しい。

記 2009/10/8

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Last Update 2019/8/1
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