北海道Tour09
#5-4
2009/8/12
芽登温泉→新得

芽登温泉→(糠南林道)西喜登牛→(道道88)芽登
→(国道274)北門→(町道・農道)開運
→(道道134)西居辺→(町道)東士幌 (以上#5-1)
→(道道31)稲穂→(十勝平原広域農道)富岡
→(十勝大平原自転車道・町道)十勝川温泉
→(十勝中央広域農道)桜木町 (以上#5-2)
→(道道62他)大正→(道道62・町道)嵐山橋
→(道道55・町道)旭山→(道道859・町道)上羽帯
(以上#5-3)
→(町道他)北清水→(道道973・林道他)広内
→(道道136他)新得   170km

上羽帯から北清水経由で新得へ 赤は本日の経路 上旭の脇道でニューサイ写真 けっこうオキニポイント RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9

 道のバリエーションが増える上羽帯、豊里辺りでは、例によって所々脇道を経由、次第に北上。

 何年か前から車が増え始めていたこの辺の幹線町道へ出ると、どういうわけか、というより遂にここも自動車が極端に多い。交通量皆無でも高速道路みたいな幅広道道もあるというのに、対向で2車線ぎりぎりのこの狭い道に、ひっきりなしに自動車がやって来るのだ。大型車も多い。トマムへ区間延伸して使い出が出てきた道東自動車道へ向かう車なのだろう。今後はこの辺り、経路を変更しないといけない。

 時間的に余裕があるので、清水から新得へは道道973先のダート林道へ向かえそうだ。道なりに清水を経由すると下って登ってになってしまうので、そのまま山裾経由で道道973方面へ。狭かった町道が、途中清水への道が分岐する辺りでようやく拡幅されていた。いつも清水経由なので、こちらは通ったことが無かった。

 国道274を渡った後はダートまで登場したが、その後はまあ順当に北清水で道道973へ合流。

 道道973は前述のように途中からダート林道となり、新得西側の北海道立新得畜産試験場に至る道だ。私にとって2回目の道だが、前回は1996年、もう強めの雨と霧と、地図で見る印象からは意外に長くてダートの坂道を泣きそうになって押し続けたという記憶しか無い。

北清水から広内経由で新得へ 赤は本日の経路

 今日の天気はさっきからどんよりの曇り。夕方なのもあって辺りは薄暗くなり始めていたが、峠部分まで標高差は200m、まだ17時過ぎ。このまま問題無く行ってしまえ。

北清水の牧草地 RICOH GR DIGITAL 3 GR6.0mm1:1.9 パノラマ合成

 緩い登りが続く道の景色は、十勝の山沿いだけあってなかなか展望が良い。前回は新得側も清水側も霧が濃かった記憶しか無く、広々とした眺めは嬉しい誤算だ。 ▼北清水にて 展望270°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください

 景色はさっぱり記憶に無いものの、下りきる直前までダートが続いたような気がした。しかし、今回はなんだか舗装区間が長い。まあ15年振りなのだ、道道なら舗装ぐらいされるているだろう。

 登りの斜度が次第に増え、もうそろそろ稜線部分も近づいてきたところで、牧場の突き当たりでようやく道がダートに変わった。

 さっきから右側に高速道路が見え始めている。言わずと知れた道東自動車道だ。こちらの道の行く先、峠部分の稜線の凹みをあちらも越え、こちらは再び十勝へ下り、あちらはそのまま山肌につっこんで行くのだ。自転車ツーリングな限りあっしには関わりのねえ道でやんすと思っていたので、どこを通ってトマムに出ているのかあまり考えたことは無かったが、そう考えるとかつて林道だけだったこちらのルートに、俄然陽が当たってきたことになる。さっきの幹線道道の変化など、やはり自転車ツーリングにも高速道路の開通状況が影響するのだ。

 等と考えていると、牧草地の先はすぐに森に代わり、道は乗車しづらいぐらい砂利が深くなってしまった。地図で見ると峠部分は近いことだし、もう押したり乗ったりでごまかして進んでしまえ。こちらは森の中だったり茂みだったりだが、その向こうには牧草地、更にその先にちらちら道東自動車道が見えていた。

 間もなく茂みの中、道はゆるっと峠部分を超えた。清水側からだとちょろいね。
 新得側は清水側と違い、森の下りがしばらく続く。もう17時半過ぎ、薄暗い森が何だかブキミで、早くここから出てしまいたい。何となく心細く、前方に飛び出すキツネにすら、どきっとしてしまう。こういうときに限って林道は大変長く感じる。

 早く終わってくれ、と思いながら下り続けるが、下りはだらだらと、森は閉鎖的だったり開けたりしながらしばらく続いた。1996年の訪問時はお昼前だったが、霧と雨の中の登りが随分長い間続き、やはりとても心細かったのを思い出した。

 しかし、山肌から山裾に降りて斜度が落ち着くにいたり、ようやく牧草地外れのダートへ放り出され、すぐ舗装が復活。無事、新得畜産試験場に到着したのだった。

 私の初渡道は1983年。その時は自転車ツーリングではなく、撮り鉄旅行で、主な目的地はこの新得畜産試験場を横長にS字を描いて標高差200mを登る新狩勝峠と、開通間も無い石勝線だった。新得畜産試験場にはこの時だけではなく、その後もう一度訪れている。その度に新得駅に泊まり、この新得畜産試験場を10数km歩いて写真を撮っていた。そのため、この畜産試験場の景色のすべてが大変懐かしく感じられる。

 久しぶりにこの懐かしい景色を、列車からではなくて下から眺められているのはとてもうれしいことだ。コンクリート橋で頭上を横切り、カーブを描いてトンネルに突っ込んで行く根室本線は、もう随分前から防風板が設けられ、かつてのように列車の姿を眺めることはできなくなってしまっている。しかし、この牧草地と森、程良い傾斜地に拡がるこの景色に、初渡道時の気持ちを鮮明に思い出す。

 もう少し懐かしい景色を眺めたくて、新得へ降りる道の途中、畜舎や木造事務所が建っていた辺りを伺うと、それらの建物は見事に鉄筋コンクリートの5階建てぐらいの建物に替わっているようだった。まあ無理も無い。あれから25年も経ってしまったのだ。

 最後は道道136から新得へ。市街地手前、絶対に踏切だったはずの根室本線との交差が、「オダッシュ通り」という畜産試験場を見下ろす山の名前が付けられてアンダークロスに変わっているのも時間の経過を感じさせる。

嵐山橋から旭山、上羽帯経由で新得へ 赤は本日の経路

 18:05、新得サホロYH着。
 十勝平野の入口、交通の要所の新得にだいぶ前から建つこのYHも、26年前には無かったものの一つだ。国道38沿いでセイコーマートに近く、なかなか使い勝手はいい。惜しいのは屋根付き自転車置場が無いことだ。勢い50cmぐらいの軒下壁沿いに寄せて自転車を停めておくことになるが、そういうこのYHに、今日は他に大学生の自転車部グループが同泊している。軒下が狭い上に、今晩から明日は大雨の予報だ。同じ町中ではあるが、新得駅まで徒歩で20分ぐらいかかるので、明日最低限新得に向かうには、多少濡れるぐらいならこれで仕方が無い。せめてコンビニ袋を総動員してサドルやハンドルに掛けておこう。

 

 夕食は、今どきのYHらしいバランス良く美味しくボリュームたっぷり。腹一杯食べることができた。
 その夕食中、雨が降ってきた。あっという間に大雨になり、窓の外にぼとぼと軒先からの雨だれが見える。自転車が心配になって見に行くと、辛うじて直撃は避けられているようだが、そんなもん風次第でどうなるかわかったものではない。
 頼むぞサホロYH!次回は屋根付きガレージを作っといてくれ!

記 2009/9/26

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Last Update 2019/8/1
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