雨は夜じゅう降り続けた。何たって全道大雨の予報だ。
もともと今日の計画は、北落合へ行った後は東山〜麓郷〜ベベルイ基線、そして美瑛経由で旭川へ向かう予定だった。でも、山経由と谷経由の違いこそあれ、鉄道でもほぼ同じ経路で効率良く旭川へ向かえる。何か昨日からこうなるような気はしていたし、寝ぼけた頭でも走ろうとも思わない。それどころかこうなると、もはや起きようとも思わないようで、目覚めると6時過ぎ。もういい加減いつも走っている時間なので、仕方無く目覚めるが、そんなことじゃ雨は一向に止んでくれない。
部屋のみんなが起きてから誰とも無く点けたTVの天気予報では、やはり今日は全道で大雨である。狩勝峠の向こうの北落合の朝が見たくて、5時過ぎには出発しようと思っていたので、朝食は頼んでいない。みんなが朝食を食べている間も手持ち無沙汰である。
バイク、車、自転車と手持ちぶさたで歓談するが、まあ当たり前のように雨は降り続ける。しかし、新得→富良野→旭川の時刻をチェックすると、幾寅で途中下車して「なんぷてい」のなんぷカレーを食べ、旭川には14時前に着けそうなことがわかった。
10:12、新得発。
昨日通った畜産試験場は、もうすっかり霧と雨の中。真っ白い景色の中を各停気動車は粛々と進んでゆく。
去年15日間の旅程を終えた落合駅を懐かしく眺めた後、10:52、幾寅着。落合ではまだ降っていた雨は、幾寅では何とか辛うじて上がっていた。話が違う、とも思うが、山間方面は濃くしつこそうな雲にとっぷりと覆われている。朝の天気予報で天気図を見たら、全道大雨はまあ疑う余地は無い気圧配置なので、ひょっとして空気とか気温の微妙なバランスで、谷間は晴れているのかもしれない。
映画「ぽっぽや」のロケに使われたこの幾寅駅は、映画公開終了後もずっと映画の資料館みたいになっている。まあしかしこちらは旅の途中、題名だけ知っている架空の話の資料を見ても、何がどうなるわけではない。目当ての「なんぷてい」は11時半から営業開始とのこと、しばらくぼうっとして過ごす。
11時半から入ったなんぷていでは、まずなんぷカレーを注文。南富良野牛のステーキとカレーの組み合わせが美味しい!やはりわざわざ足を向けただけのことはある。
まだ腹には余裕があるし、せっかく様々な条件や難関を越えて1年振りにやってきたのだ。この際返す刀でジンギスカレーを注文してしまう。
ラム肉ステーキとカレーの組み合わせを期待していたが、その実態はもろジンギスカンのたれ付焼き肉+カレーの構成ではあった。オイシイのだが、醤油系たれとカレーの組み合わせはなんぷカレーほどの絶妙さは無い。またいつの日か、今年の新製品らしいエゾシカカレーにチャレンジしたい。その日までしばしの別れじゃ、なんぷていよ。
12:23、幾寅発。
根室本線で富良野へ、富良野で乗り換えて旭川へ。この間、辺りは終始降ったり止んだりの状態で、これならまあ走れる気もしないでもない。しかし、やはりちょっと山方面はもうどんよりと雲が垂れ込めていて、あっち方面に向かいたいなら諦めるのが正解なようでもある。煮え切らない天気だ。
14:25、旭川着。
駅前に着くと、また雨が降ってきた。これなら天気予報通り、今日の行程を諦めただけのことはあるというものだが、何も人が歩き始めるのにタイミングを合わせて降ってくること無いだろうに。
でも目指す東横インは駅から至近、そのまま歩いてしまってチェックイン。うとうとしたりして、うだうだ煮え切らない時間を過ごす。夕食は東横インチェーンで人気のサービスカレーをいただき、まだ腹が減っていたので松尾ジンギスカンへ。
記 2009/9/29
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