上里→(道道588他)津別→(国道240)本岐
→(道道494)チミケップ湖
(以下#4-2)
→(道道494)チミケップ湖町営キャンプ場
(以下#4-3)
→(道道494)大谷
→(道道986他)境野→(道道50・農道他)置戸
(以下#4-4)
→(道道211)勝山→(道道1050)常元
→(道道88)西喜登牛→(林道糠南線)芽登温泉
137km
4時、窓から真っ青な空が見えた。やった、今日は最高の天気だ!目論見通り朝の爽やかな時間のチミケップ湖に会えそうだ。となれば、てきぱき準備を進めないと。
とは言いつつまずは温泉で目覚まし、いろいろやって部屋から荷物を下ろして外に出ると5時半。山間の谷間はまだ山の陰だが、太陽がもうかなり昇っているはずの空は明るく、空の青濃度も凄いことになっている。空気はきりっと限りなく涼しい。いい朝である。
ホテルフォレスター、私のツーリングとしてはゴージャスすぎる宿だったが、この津別の山奥でこの朝を過ごせているのは最高に良い。
6:05、上里発。
取り付き区間から昨日の津別峠分岐をそのまま直進、道道588はまだ薄暗いカラマツの森の中をどんどん下る。
森も路面も影の中だが、空は明るく濃い青空、身体に当たる風は寒い一歩手前ぐらいできりっと涼しく、快適極まりない。こんな快適なサイクリング、そうそうあるものではない。
カラマツの森を抜け、辺りが畑になると、木で遮られないのと谷間が拡がったのとで辺りが朝陽に照らされて、急に明るくなった。▼動画3分31秒
それっぽい畑の脇に自転車撮りのアングルを探し、ちょっと立ち止まってみる。畑の奥ではこの早朝から農耕機械が動き始めているが、路上は至ってのんびり静かだ。
低山に挟まれた狭い谷間は赤い光に照らされ、畑、牧草地、そして山肌や森の木々、緑という緑が全部鮮やかで濃い色になっている。相変わらず森から吹いてくる風は涼しい。景色、音、気温と、大好きなこの道のこの辺りでこんなに素晴らしいツーリングになっているなんて、ほんとに来て良かった。と同時に、チミケップ湖への期待が高まる。
畑地帯から旧上里小学校脇の森を過ぎ、美都の畑地帯へ、追い風に乗って一気に下ってしまう。
辺りは畑のまま谷間が少しずつ拡がり、緩やかな起伏は更に平滑になり、辺りに少しずつ農家が増え、何だか感覚より早めに津別の町が見えてきた。いつも津別峠を越えてから、午前中も10時から11時の訪問になってしまうことが多かったこの道。時間があるということは気持ちの余裕につながるのである。
7:05、津別着。予定通りに町中のセイコーマートで朝食とする。以前は店内に飲食コーナーがあったこの店、何か当局から指導があったのか、もう飲食コーナーが無くなって久しい。店の前でおにぎりやサラダを食べていると、地元のおばさんが「店の中で食べられますよ」などと言ってくれるが、いや、もうだいぶ前にそういう場所はなくなっているのである。
さっきの道道588では森の風があんなに涼しかったのに、少し店の前にいるだけで、けっこう暑くなってきているのに気が付いた。鋭い日差しで肌もぴりぴりしている。7時過ぎでこの暑さ、今日はきっととんでもない暑さになる。これは危ない。2年前、津別峠からチミケップ湖に向かう途中で軽い熱中症になり、その後は輪行の日になってしまったことを思い出した。今日は津別峠こそ無いものの、途中まで同じ津別・チミケップ湖・北見方面のコースである。まずい。
しかしこの晴天、朝の爽やかなはずの時間、余裕ある行程。今日はチミケップ湖には絶対に行かない手は無い。とりあえず早めに涼しいチミケップ湖に着いて予定通りのんびりして、その後はその時考えよう。
7:25、津別発。国道240で本岐まで8km、大型車、乗用車が高速で脇を通過するのがつらい。量的にはまあ何とかしばし我慢の範囲内ではある。しかし、朝道道588ではずっと追い風だったのが、逆方向へ向かうこの道ではけっこう厳しい向かい風になってしまった。
それに津別での不安通りこの時間にして、直射日光を遮る物が無い路上は、早くも我慢できないぐらいの暑さになってしまっている。これは多分、2年前にここで軽い熱中症になってしまったときと同じパターンだろう。
本岐からは道道494でチミケップ川沿いの狭い谷間へ。
一気に交通量は皆無に近くなり、さっきの強い向かい風は山に遮られ、夜のうちに谷間に溜まった涼しい空気で快適な行程になる。これだから田舎道道はいい。
毎度のことだが、チミケップ湖までダート4km含みの200m登りで15km。谷間の形通りにくねくね曲がる谷底の道は、終始畑と牧草地の中。厳しくなってきた日差しはこの谷間にも襲いかかりつつあり、畑や牧草地の緑がまたもや原色のように農耕で明るく鮮やかな色だ。
でもまだ路面には道ばたの森の影が広く、その中は別世界の涼しさなのが助かる。日向にいても、森からの風は冷やっと涼しい。北海道の暑さは、基本的には日差しの厳しさと、日差しを受けた路面の照り返しによるものだとつくづく思う。
とりあえず景色を楽しめる余裕が戻って、一安心だ。思えば2年前も国道240ではふらふらだったが、この道があったから何とか辛うじてチミケップ湖に到達できたのだ。
谷間のトウキビ畑の奥で谷は更に狭くなり、畑が森に変わるところでダートも開始。あとは森の中、風が涼しい木漏れ日の道をを4kmそろそろと遡ればチミケップ湖岸である。
これも毎度だが、このダート区間、暑い日が続いているためか今回は特に土埃が激しい。しかも木陰の道が意外にもあまり涼しくない。ところどころで何故か深砂利も溜まっている。
車が通るたびに少し立ち止まって埃が消えるのを待ち、昔の北海道ではこういう埃っぽい道が当たり前だったことを思い出す。
記 2009/9/23
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