開陽→(道道150他)養老牛→(道道505他)計根別
(以上#2-1)
→(町道・道道362他)矢臼別→(道道928)茶内原野
→(町道)中円朱別→(道道123)東円朱別
→(農道)大和→(道道988)姉別原野
(以上#2-2)
→(道道988)恵茶人→(道道142)榊町→(道道123)霧多布
(以下#2-4)
→(道道123他)厚岸
174km
目覚めると6〜7分過ぎていただけだったが、一気に頭がすっきりしているのもいつも通り。ついでにここで軽くおにぎりも済ませてしまう。
12:50、姉別発。この間に雲はますます消えて青空が一気に拡がり、完全に晴れてしまった。
そうなると、さっきまでの曇りとは打って変わって気温が上がり始めるのは毎度のこと。
今までの向かい風も進行方向が変わると微妙に横風から追い風に変わり、一気に明るい草原の快調な、夏らしいツーリングと胸を張って言える状態になってしまった。さっき一寝入りして頭がすっきりしているのも大きい。
姉別の明るい牧草地を、根室本線沿いに更に東に進む。 ▼姉別原野にて 展望280°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
まぶしい半逆光の青空には白い雲、輝くような草色には白いビニールに包まれた牧草ロールが点々とばらまかれていて、鮮やかな色彩と唐突なテクスチュアがまるでモダンアートのようだ。
これから向かう海岸方面は、何だか空の下の方に少し色の濃い雲が溜まっている。それは何だか露骨に湿った色のようでもある。でもまあ、去年もこの辺りでこんな空を眺めていて、しばらく走った落石の海岸では太平洋の海岸は晴れだった。同じ場所での同じ景色、多分今日も同じパターンだろう。
道道988で根室本線から離れ、牧草地の台地上を少しくねくねと更に西へ。
向かい風と追い風に一喜一憂しながら台地の隅で道は唐突に方向を変え、海岸の低木林に突入。間もなくダートが始まった。毎度のことだが、高い茂みと熊出没注意の看板がちょっとブキミではある。
この辺りから、いつの間にか空は再び曇り始めていた。その曇り度合いがけっこうどんよりである。
気温も明らかにさっきより下がっている。まあこの辺りの海岸近くは夏でも内陸より気温が低いのだが、この感じだと今日の海岸は曇りなのかもしれない。
その予想通りに、道が下りはじめてすぐ海が見えると、太平洋、波の打ち寄せる砂浜、近くの草原に遠くの陸地、景色のすべてが灰色〜薄茶のトーンの中である。やはり海岸沿いはどんよりの曇りなのだった。
恵茶人からは海岸の道道142、通称太平洋シーサイドラインへ。
貰人までは海岸沿いの1本道。広々と開けた太平洋とやはり開けた海岸部の低地、その奥に迫る根釧台地台地の縁を眺めながらの、晴れていれば気分のいい道だ。牧草地には牛や馬も多い。しかし今日はどんよりの曇り、薄暗い世界である。 ▼恵茶人にて 展望220°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
雲は厚いがそう低くはなく、今にも雲が落ちてくる、という雰囲気は無い。しかし、しょっちゅう顔に水滴が当たる。というより、水滴が路面をしっとり濡らしてにわか雨直前ぐらいで降りが続かない、というぐらいが続いているようだ。
去年、花咲港へ向かう行程の途中、さっきみたいな晴天だったのに、眠気やら強向かい風やら安全側見込みやらでこの恵茶人海岸の経由を断念した。後で地図を見たらそんなに大回りでもなく、その時はだいぶ後悔したものだった。しかし今、その後悔は完全に消えた。あの時こちらへ向かっても多分こんな感じだったのだ。何しろ落石は30kmも先なのだし、同じ太平洋岸とは言え、いや、天気の変わりやすいこの道東太平洋岸、天気が全然違って何の不思議も無い。
貰人の先は羨古丹、奔幌戸、幌戸と、道道142は緩やかな曲線を上下左右に描き、丘へ登って海岸の海岸の小さな漁村へ下って、集落の向こうですぐまた登り返す。
丘は一つ3、40mから最大80mと、高さとしてはまあ山あり谷有りぐらい。しかし、海岸の岸壁に登ってすぐ降りるせいか斜度は厳しめ、と言うより連続アップダウンがしつこくくどく、気持ちが疲れる。
幅が広い道を通すための法面や切り通しは、たとえ植裁があっても味気無く、面白いものではない。とりあえず前へ進むに、一つ終わってもすぐ現れる丘を、えっちらおっちら一つ一つこなし続けるしかない。前回の2004年は身体そのものがけっこう疲れていたせいでなかなかしんどい道だと思ったが、いや、そうでなくてもなかなかしんどい。
でもまあそれだけにというか、丘の上から海岸に急降下する景色はなかなか悪くない。楽しみどころをわかってしまえば、粛々とそれを楽しめばいい。ここまでの内陸の道と違い、とりあえず漁村には民家が集まっているのも、自販機のある集落が少なくないのも安心感がある。
後静の少し内陸を経由し、丘の奥でややくねくねと登ったり下ったりするこの区間最大級のしぶといアップダウンは、手持ちの地図に載っていない。
そろそろ終わるか、こんなところで曲がったら陸地の奥の方向だよ、もう一発登り返しなのか、などと一喜一憂しながらようやく榊町の海岸へ。
最後の丘を抜ける榊町トンネルがよく見える砂浜、その波打ち際に面した開けた景色は、ここまで見ることが無かった目新しい雰囲気だ。例え恵茶人と言えども砂浜の部分がもう少し広いので、ほんの短いこの区間、しつこかったアップダウンの後の、海に沿って走る気分一杯の楽しい道だ。海猫もフェンスに佇んでいる。▼動画21秒
榊町トンネルの向こうで浜中からの道に合流。午前中養老牛からの南下で時間を食ってしまったら、ここで道道142に合流していたはず。例えしつこいアップダウンでも、終わってみれば来れてよかった、という気持ちしか残っていない。
その先霧多布まで10kmぐらい、しばらく海岸の平坦な道が続く。
道の両側に民家が点在できるぐらいの、砂浜から少し内陸に道は続く。広々と拡がる霧多布湿原の端っこ、海側も陸側も景色の変化は乏しい。おまけにこの道、いつも強追い風か強向かい風か、とにかく風が強烈なのだ。今日の所は強の範囲の弱ぐらいの向かい風。まあ強の弱なだけ良しとせねば。
14:55、霧多布着。霧多布半島への入口を少し過ぎた道沿い、記憶通りにあったセイコーマートで小休止とする。過去通ったことがある道の過去立ち寄ったセイコーマート。通る道が同じなら立ち寄るセイコーマートも同じで、もはやセイコーマートはツーリングの道の景色と同じく、ツーリングに欠かせないものと言える。
というより、朝の計根別からここまで初めてのセイコーマート。内陸部の町道や農道ばかり通ってきたので当たり前だが、勢い補給も集中的になり、時間が掛かる。
もう15時過ぎ、出発を15時半とすると、ここから厚岸まで登りと写真込みで、粛々と進んでまあ2時間半ぐらいだろう。宿の夕食時刻ぎりぎりである。
記 2009/8/29
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