えりも→(国道336)歌別→(道道34)庶野
(以下#4-2)
→(国道336)広尾→(道道1037・農道)豊似
(以下#4-3)
→(国道336)湧洞→(道道318)二宮
→(道道210)駒畠
(以下#4-4)
→(道道716・農道)中札内
→(道道55・十勝中部広域農道他)八千代 183km
起床は4:00。アラーム通りで順調だ。疲れも取れている。
窓を開けると、外の空気は涼しいというより寒い。今朝も平年通りの北海道の夏の朝だ。昨日追い風気味だった風はほぼ止んでいるようだが、今日はすぐ先の襟裳岬で南下から北上に折り返すので、むしろ好都合だ。
窓の外にはえりも漁港と太平洋が見える。まだ夜が明けきっていなくて曖昧な色の空には、雲らしきものは全く見あたらない。快晴だ。昨日夕方のお天気がパワーアップしているのだった。いいぞ。
外に出るとやはりきりっと冷えている。昨日と同じくTシャツ一丁では寒いので、もう1枚半袖ポロシャツを着込む。この分だと、この先暑さははずっと平年通りで、熱中症の心配も少ないかもしれない。
5:50、えりも「田中旅館」発。
町外れの歌別で、国道336は襟裳岬へ向かう道から分岐し、庶野への内陸ショートカットへ向かって行く。ここはまあ当然のように襟裳岬への道道34へ。
と、いつも天気が変わるこの辺り、今日も海岸から陸に綿を掛けたみたいに濃い霧が出始めた。海水の温度が低いのか。
濃霧の中は100mぐらいは視界が利くようで、道ばたの広場から駐車場、ちょっとした更地等、およそ平場という平場でこの時期この地方名物の昆布干しが真っ盛りなのが見える。
この早朝から漁村で家族総出なのである。1年の中でも最大のかきいれ時を、短い夏の鋭い日差しで一気にやっつけないといけないのだろう。その干してある昆布の数を見ると、どうやら昨日開始らしいところが多い。一昨日まで雨続きだったのをずっと待機していたのだと思う。晴れが続かないと昆布も干せないのだ。
霧はどうやら海面から台地にちょっと掛かっているだけのようで、歌露、東洋、油駒の3連アップダウン区間では、台地に登ると霧はやや晴れ、下ると霧の中、という状態が続いた。
霧が晴れると、早朝の赤みの多い日差しで森のもともと濃い緑色が更に鮮やかになって、立ち上がる山々へ駈け登っているのがよく見えた。
油駒の先で台地に登ってからは、丘の上に襟裳岬まで道が続く。
台地の縁が切れて落ち込んだ場所で海の様子を伺うと、相変わらず海面辺りには濃い霧がこってりしているようだが、こちらの丘の上は鋭い日差しに照らされた鮮やかな緑の世界である。▼動画1分32秒
明るい緑色の笹原に濃い青空、後ろを向くと濃い緑の日高山脈最南部が立ちはだかり、その左側は今まで通ってきた日高側、そして右側がこれから向かう十勝側に落ちて行くのが見える。
他ではあまり無いほど尖った海岸線、海岸から切り立つ日高山脈を背後に持つ襟裳岬ならではの、あまりにも地図通りの景色である。
6:50、襟裳岬着。空には雲一つ無く青は濃く、天気は申し分無いのだが、海側は真っ白な霧がべったり張り付いて、ほとんど視界が無い。まあそれでもまだ何と6時台、観光客もまばらである。いつも人がごった返してそそくだと退散するか、補給だけして先を急ぐこの岬、今回はとりあえず行きやすそうな駐車場近くの展望台辺りまで、霧の中に行ってみた。
駐車場の縁、柵の向こうはすかっと落ち込んでいて、日差しを反射して眩しく漂う霧の中に濃い色の海と岩が見下ろせる。見ていると転落しそうで何だか怖いが、濃厚で鮮やかなな色彩には力強さが溢れていて、自然や大地と言うより地球そのものの力強さ、そしてさっきと同じくここが日高山脈の先端、北海道の先端部の一つであることを感じる。やっぱり来てみるととてもいい襟裳岬である。
7:05、襟裳岬発。地形通りに道道34はくるっと回り込み、襟裳岬市街地をするっと下って、庶野まで15kmの百人浜へ続く。
しばらく続く低木林は、道が直線で幅が広いので前方の見通しが良く、木々が低いのであまり森の中という気がしないが、プロジェクトXにも取り上げられて有名な、豊かな海を支える豊かな森である。
その見通しが良い正面には、まだこってりしている海上の霧の上に、濃い緑の日高山脈の裾がよく見える。
森が終わると、一気に周囲が開けて辺りは牧草地となる。
今まで部分的に正面に見えていた日高山脈の南端部が、正面から左側に続いてぐるっとその全貌を現す。
輝く緑の牧草地をバックに、すっと立ち上がったその端正な姿に、またこの道に来れた幸せを、この風景に出会えた幸せをつくづく感じてしまう。▼動画41秒
少し立ち止まって景色を眺めると、朝の風が何とも涼しい。
庶野の手前で国道336に合流し、庶野着は8:10。
庶野の入り江の磯で漁船が漁をしていたり、例によって空き地で昆布干しをしているのを眺めつつ、あまり適切な補給ポイントが無い町はそのまま通過。
海側の霧が、ぴったり町外れで一気に綺麗に晴れた。
記 2008/9/19
#4-2へ進む #3-4へ戻る 北海道Tour08 indexへ 北海道Tour indexへ 自転車ツーリングの記録へ Topへ