千歳→(道道130・市道)遠浅→(国道234)北進
→(道道10)厚真→(道道59)平取
(以上#3-1)
→(道道80)正和→(道道71・農免農道芽呂線・他)新栄
→(道道209)明和橋→(農免農道・道道71)御園
(以上#3-2)
→(道道1025・481・農道・他)浦河
(以上#3-3)
→(国道235)日高幌別→(国道336)えりも 217km
浦河の町中が終わると、道の右側には太平洋が現れた。一昨日、昨日と日本海を眺めてきたが、今日ずっと緑の内陸を通ってきた以上に太平洋の波は何だか根本的に力強く、同じ海だがかなりニュアンスが異なる景色に見えるのは思い込みというものか。
その海だが、日差しが当たって明るい色かと思いきや、どこもかしこも昨夜の大雨で濁流が海に流れ込んでいて、海岸近くが泥水なのだった。またもや改めて昨日輪行にして正解だったと思った。
好きで通ることにしたものの朝7時台からひたすら丘陵地帯だった今日のコース、夕方の海岸沿いの最後の区間へ来て、かなり強い追い風で、至って快調、楽ちんである。行く手の陸地には日高山脈が海からすっと立ち上がり、赤みの混じった光で山々の緑が鮮やかだ。海岸沿いに露になった岩場は、その緑の輝く生命の色とは違い、異様なほど荒々しいく、これもまた鮮やかな色である。
日高幌別を過ぎると、遠くから眺めた山々は次第に近づき、目論見どおりに少なくなった交通量のお陰もあり、ひたすら景色を楽しんで足を回せばいい状態になってきた。
海に突き出した巨大な天狗岩を眺めつつトンネルでパス、16:55、様似着。山々に囲まれたそう広くない町は道の見通しが良く、海と山に遮られた地形を知っていても、景色には何故か開けた印象がある。
港町から駅前、そして何故かこの町の風景として印象に残っている製材工場を横目にそのまま町中を通過。えりもまでもう20km台半ばにして何とか16時台。18時にはえりもの町中にある今日の宿に楽に着けるだろう。
様似の町中を過ぎると、交通量はほぼ皆無になった。
山々の岩場が海岸からますます切り立って、日高耶馬溪辺りでは覆道やトンネルが連続し始めた。
冬島、幌満、近浦と、海岸には小さな漁村の集落と番屋が断続し、漁村の平地という平地では8月初旬にして早くも昆布干しが始まっていた。
それにしても、様似からえりもへ向かうこの区間、やはりそれまでとは景色の迫力が段違いである。
荒々しい岩肌が露出して海岸にすとんと落ち込む山々、遠くだがいよいよはっきり見え始める襟裳岬で海岸に突っ込む日高山脈の末端。
その先端に近づいて低くなった山々の海岸際に、固まった町の営みが見え始めた。あれがえりもの町だろう。距離から言って到着は18時過ぎだったら楽勝だ。
特徴的な景色と先が見えた安心感に、ツーリングはやはりこうでないと、という気分で一杯になる。やはりツーリングには余裕が必要なのである。
18:10、えりも「田中旅館」着。
町中の旅館にありがちな継ぎ接ぎの本館・新館が、これもありがちなスキップフロア気味に分断される構成の宿である。お風呂はトロン温泉で、海を眺めて入れるのがいい。
19時からの夕食の食堂も海に面した大部屋だが、グルメツアーを目論んでお願いしたオプションは品数は多いものの、魚介類のメンツはややありきたりでいまいち単調だ。何より1日走って夕食に臨むと、つくづく野菜が食べたいのに気が付いた。日中補給時にはちゃんと野菜も取らないと。
記 2008/9/13
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