北海道Tour08 #3-1 2008/8/4 千歳→えりも

千歳→(道道130・市道)遠浅→(国道234)北進
→(道道10)厚真→(道道59)平取
(以下#3-2) →(道道80)正和→(道道71・農免農道芽呂線・他)新栄
→(道道209)明和橋→(農免農道・道道71)御園

(以下#3-3) →(道道1025・481・農道・他)浦河
(以下#3-4) →(国道235)日高幌別→(国道336)えりも 217km

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路 赤は本日の経路

 時間通りにアラームが鳴って、4:00起床。辺りはまだ薄暗いが、にも係わらず、一目で雲一つ無い晴天であることがわかった。ええっ、極端すぎる。だってつい4時間前はあんなに大雨だったのに。
 しかし、こういうお天気を2日も待ったのだ。

  組み立て完了 気分を変えて出発だ! RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4

 今日は自転車を組み立てないといけない。まあいつもの輪行時の手順と違うのはサイドバッグのフレームだけ、これも戸惑うことはない。やることを粛々と素早くやるだけだ。
 荷物をまとめて外へ出ると、もうすっかり明るくなっていた。大雨でしっとり濡れたままの森の空気がきりっと涼しく、快適この上ない。気温で言えば寒い1歩手前の10℃台前半か。Tシャツ一丁では寒いので、もう1枚半袖ポロシャツを着込む。思えばここ2、3年、北海道ツーリング中でもやたらと暑い年が続き、早朝からTシャツ、昼は熱中症寸前という毎日だったが、これは正しい北海道の夏である。
 自転車組み立て、荷積みなど出発の準備の間、ずっと月曜朝出勤前のたねやんと、同じく朝でお忙しいたねよんさんに見送っていただいた。もう頭が上がりません。

 5:40、千歳発。寒い1歩手前の空気が風になって身体に当たり始める。朝日はまだ高い森の上に当たっているだけだが、その朝日が当たっているところは明るい緑色が鮮やかで眩しい。一昨日昨日と見ることができなかった色である。

 千歳空港発着の飛行機からどこまで延々漠々と続く森が見下せるが、その森にいかにも北海道らしい幅広の道が続く。森は緩やかな斜面に拡がっていて、その緩い斜面を東に向かって下ってゆく。森が切れた道の上空には、まだ低い位置の太陽が時々ほぼ正面に現れ、時々行く手の広々とした森の広がり鮮やかに照らしている。航空施設なども見え、改めて千歳空港便から見えた森の景色を思い出す。

 たねやんに教えてもらったこの道は、手持ちの5万図には載っていなくて、2007年のツーリングマップルにも一部が載っていない、新しい道のようだ。

 国道36、そして千歳線を越えると、辺りは早来へ続く牧草地の中。相変わらず鋭い朝日とともに、今度は辺りが逆光に輝く草色となる。

 道の標識がやや古めだったのか、草原をやや迷走気味にジグザグに進んでしまい、たねやんから聞いていたのとは違うやや大回り経路へ入り込んでしまった。去年千歳でやはり迷走して時間を食ってしまったので、今年は用心したのが裏目に出た。なかなか手強い地域である。
 しかし、辿り着いたのが予定より少し南の遠浅だったのは、決して悪い結果ではなかった。遠浅にはいつもサッポロクラシックを注文している西田商店がある。早来へ直接向かうならここに寄ることは無いが、この際店構えだけでも拝んでいこう。

遠浅から厚真経由で仁湾峠、仁和へ 赤は本日の経路

 遠浅は国道234沿いの小さな集落で、きょろきょろしていると西田商店はその遠浅のほぼ中央に建っていた。メールを何回かいただいた気さくな店主さんの姿を店構えに捜してしまうが、いかんせんまだ朝6時台。店が開いていると思う方が間違っている。

 

 路側帯の狭いちょっと古いタイプの道を、高速でぶっ飛ばす大型車や乗用車におびえつつ少し北上、早来の町中を通り過ぎ、7:10、北側の北進で今度は厚真方面へ。この辺り、ややジグザグコースが続く。

 

 早来手前から漂っていた濃い霧が晴れると、再び鋭い日差しが現れた。空の青、山の緑、辺りの緑が鮮やかに輝き、まだ7時過ぎだというのに早くも日差しそのものの熱さが肌に突き刺さるようだ。これで気温が高いと先行きかなり不安だが、今日は幸い気温自体はまだ18℃ぐらい。しばらく水と補給食さえあれば大丈夫だろう。

 丘陵を超えて厚真の谷へ。そう広くない谷間は全部田圃で、山や地形は北海道そのものなのだが、何か見慣れないニュアンスを持つ景色である。

 早来で補給したばかりなので、厚真の町はそのまま通過、道なりに仁湾峠へ。

 こちらもの道も水田の間に続くが、北海道では珍しい萱葺の農家も目立つ。北海道の古い木造家屋は基本的に板張りトタン葺きが多いが、なぜかここの谷間は厚真手前から萱葺が目立つのである。道内各所の地名のように、入植者ゆかりの地方に関係しているのかもしれない。

 仁湾峠は標高たった130m。おまけにその峠まで10km近くもかけて、延々登りだか何だかわからないぐらいの登りが延々と続く。いかにも北海道の峠である。峠手前で段階的に何と無く斜度が増し、峠は短いトンネルなのも北海道らしい。

 1999年春に通ったときは暮れゆく夕方、例によって目的地は遠く、やや気が急く道のりだった。その次は2001年、雨の峠越え。更に道間違いの辻褄合わせでダート林道越え含みだった。2回とも気持ちに余裕が無かったのか、この仁湾峠の景色にほとんど記憶が無いが、しばらく続く鬱蒼とした広葉樹林は意外に悪くない。

 峠の向こうは鵡川の谷。低い峠なので下りらしい下りはすぐに終わり、あとはだらだらの狭い谷間となる。あちらと違って、道の周囲は低い森かジャングルか判別不能の茂みなのが何とも捉えどころが無い。

仁湾峠から平取経由で広冨へ 赤は本日の経路

 こちらも何だか惰性でのんびりてれてれと緑の中を進むと、地図なりに穏当に谷間が開けてゆき、勇払地方からいよいよ日高地方へ入ってきた気分になる。

 下りきった仁和で鵡川を渡ると、夕べの大雨のせいか、鵡川はかつてあまり見たことが無いぐらい濁流が荒れて溢れそうで、再び昨日は輪行して良かったとつくづく思わされた。

 仁和からは追い風に乗って鵡川の谷間を有明まで。草、木々、色々な色の緑が快適この上無い涼しい風とともに過ぎて行く。

 有明から平取までは軽く丘越え、とたんにペースが落ちてのろのろに。気温は普段当たっている冷房より涼しい範囲なのに、厳しい日差しで汗が一気に吹き出てくる。

 9:10、平取発。以前確かに国道だったはずの町中の旧道を経由、鵡川と同じく目を剥く濁流の沙流川を渡って義経峠へ。

記 2008/9/13

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Last Update 2019/7/26
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