千歳→(道道130・市道)遠浅→(国道234)北進
→(道道10)厚真→(道道59)平取
(以上#3-1)
→(道道80)正和→(道道71・農免農道芽呂線・他)新栄
→(道道209)明和橋→(農免農道・道道71)御園
(以下#3-3)
→(道道1025・481・農道・他)浦河
(以下#3-4)
→(国道235)日高幌別→(国道336)えりも
217km
義経峠も標高たった110m、丘越えと言いたくなるところだが、峠道はやや密な森の中、狭い道故の木陰が北海道ではあまり見かけない落ち着いた峠らしい表情を作っている。途中清掃工場はあるが、峠としての雰囲気は決して悪くない。もうちょっと北、岩知志の桂峠程ではないが、この辺りの覚えておきたい小峠の一つかもしれない。
さっきから頻繁に小さな丘越えと谷が現れるが、今日はこの日高内陸牧場地帯の丘越え地帯が目的の一つ。「いよいよまっただ中だ」という気分になる。
下りきると広富、ついさっきの平取みたいな町とはもはや無縁の牧場地帯だ。まだ9時台。区切りのいい20間桜並木道路には14時までに着いておきたいが、せっかくのこの緑の世界、のんびり行こう。
広富からは鳩内、広富と、内陸の集落をつないで新和方面へ。
山間というより丘陵の狭間、平地部分はそう広くないが、地形が急峻と言うことも無い。その谷に拡がった牧草地や牧場の中に、道はしばらく続いてだらだらっとした谷間をなめるように進んで行く。
空には大きく低めの雲が次々現れるが、雲が切れると日差しが厳しく、牧草の緑、樹木の緑、空の青、みんな原色のように強烈に鮮やかだ。日差しは鋭く厳しいが、ひやっとした日陰の風から想像するに気温自体はたぶん20℃台前半、快適だ。
北海道ツーリングの至福の時間である。こんな道を走りたくて、今日まで待ったのだ。ほんとに良い道である。
浅く広い紋別川もまた独特の表情で、ちょっと増水すると水がすぐ溢れそうだ。事実、さっきの鵡川、沙流川のように川には濁流が満水で、でちょっと心配ではある。
延々続いた牧草地帯から、最後はその縁を越えるようにあっさりと丘越えへ。
その先は下り基調となって再び牧場地帯、特に風も無く、だらだらっと順調な行程だ。牧場のメンバーは、さっきから馬主体に変わっているのが、またいかにも日高地方のこの辺りらしい。通過する自転車を眺める彼らの目付きは、牛の優しく穏やかなそれとはまたひと味違い、よく言われるようにどこか賢さが感じられる。
やや多かった雲が一気に切れ、日差しが厳しくなってきた。延々と牧場が入れ替わり立ち替わり現れるこの辺り、無人地帯ではないのだが、およそ商店、自販機の類を見かけない。
厚別川沿いの道なりにするする下って正和で道道71に合流し、11:00、交差点に見覚えがある新和に到着。ここでようやくホクレンのスタンドと自販機を発見、何と無く残りが不安になっていた水も補給することができた。
道道71は正和で方向を変え、例によって谷の一番奥まで遡ってから一つ丘の向こうの新冠の谷へ降りてゆくが、この間にはショートカットの農免農道芽呂線がある。
もう10時過ぎ、通ったことがある道を律儀に大回りするより、今回はショートカットの丘越えへ向かうことにした。
美宇で入り込むその農免農道芽呂線への分岐はややわかりにくく、GPSが無かったら通り過ぎてしばらく行かないとわからないところだった。
しかし、浅い谷間の奥で更に道が分岐、激坂が始まると、その斜度と途中からの畑の景色、そして線形に、ここも一度通ったことがあったのを思い出した。
一方、どういうわけか丘越えピーク部分の、なかなか雰囲気のいい短いダートは全く記憶が無かった。あるいはひたすら似通った景色が続くこの辺り、まったく別の道のそら似かもしれない。
下りきるといよいよ新冠の谷間である。あとひとつ丘を越えると静内の谷間、懐かしい二十間桜並木道路なのだ。しかし丘越えのつなぎの谷間の道はやや長く、新冠の後の丘越えも大きめで複雑な地形に必要以上のくねくね道で、いつもここでけっこう時間を食う要注意箇所だ。
ほぼ真上から照りつける日差しに負けそうだったが、ちょうど新栄の交差点で商店が登場。店には人気は無いものの自販機があるので、やや味気無いがこちらとしては全く問題無く用が足りる。
12:10、新栄発。地図をよく見て過去未済経路含みの一番楽そうなルートを決定。取り付まで道道208谷間を下り、ここまでの川の例に漏れず泥水が溢れそうな新冠川を明和橋で渡り、丘越えの農免農道へ。
森の中をきりきりっと登る農免農道の激坂は、地図からは読みとれなかったものだった。
また、丘の背中で繰り返されたアップダウンも、よく等高線を読めば事前にわかったはずのものだった。
最初から既済経路の道道71で丘を越えていれば、変わり映えはしないがまあ記憶通りの登りで済んだはずだったという、いつものパターンで入り込んだ農道は、しかしながら丘の背中の牧場の見晴らしが最高に良く、その向こうに続く日高の丘陵の眺め、森から吹いてくる涼しい風が素晴らしい。
時間は13時前。まだ日差しが弱まる気配は全く無いが、やはり20軒桜並木道路は12時台には着けなかったか。まあそんなことを考えつつも、ペースはあくまで道なりにのんびりなのであった。▼動画40秒
記 2008/9/13
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