北海道Tour08 #2-2
2008/8/3 島牧→千歳

島牧→(国道229)歌棄 (以上#2-1)
→(国道229)岩内→(国道276)倶知安  101km

雨の倶知安駅前 RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4 歌棄から岩内経由で倶知安へ 赤は本日の経路

 相変わらず道ばたには番屋が断続し、昨日の瀬棚から須築辺りと似たような景色ではあるが、岩山の表情はこちらの方がやや優しいように思う。

 尻別川河口の狭い平野の港町では、寿都から久しぶりに商店が登場。休憩ポイントとしては悪くない。しかしもう岩内まで一気に行ってしまうことにする。

 港町から先は、岩山が急に険しくなるのか、途中わずかに外に出る雷電温泉周辺以外、ほぼトンネルと覆道の連続となった。その雷電温泉も、印象が強い86年の状態と比べると、道が掛け変わって別の風景になっている。ここは何か岬独特のものか、雰囲気が独特で印象に残っていたのだ。

 
 

 その後も刀掛トンネル、あともうひとつ3000m級トンネルもあり、前は覆道だったはずの箇所すらトンネル経由に変わっていた。この道には10年前に来ているはずなのに、こういう状態は全く記憶に無い。明後日向かう予定の黄金道路も、いずれこんなことになってしまうのだろう。

 トンネル・覆道区間を抜けると、今までよりやや賑やかな敷島内の漁村から、次第に辺りに番屋以外に民家が増え始め、倉庫、工場が目立ち始め、岩内の町となった。この辺りの雰囲気は、86年の初訪問時からほとんど変わっていない。

 9:30、岩内着。順調なペースである。この調子で気を抜かずにささっと次から次へ進むことができれば、今日はあまり行程の心配は無いだろう。

島牧から国富経由で倶知安へ 赤は本日の経路

 古びた町中をてれてれ流していると、通り沿いのやはり古びた店が以前のままに思えるような、そんな既視感が楽しい。とりあえずちょっとした立ち寄り場所があったはずと思っていると、道の駅の看板が目に入った。

 

 というわけで表通りからそちらへ足を向けてみるものの、旧岩内線の岩内駅跡地に建てられたっぽい道の駅兼バスターミナルは、比較的早い時期の道の駅にありがちな構成で、飲食関係がやや手薄ではあった。牛乳以外サイクリング中の補給になりそうな物は無いので、瓶牛乳だけ戴くことにした。牛乳は地元牛乳のようで、なかなか濃厚で美味しい。「倉島牛乳」、道内の有名牛乳として、なんだかその名前を聞いたことがあるようにも思う。
 10年前、1999年も確か同じようなことをして途方に暮れ、隣の食堂に入ったら、「自転車でしょ?しっかり食べてってね」とニシン定食か何かのご飯を大盛りにしていただいたのを思い出した。ジューシーで豊かな味の新鮮で美味しい焼魚も思い出して食べたくなってきたが、いや、今日はささっと前へ進まないと。

 道の駅を出ると、また雨がぱらつき始めてすぐ止んだ。昨日の夜の段階では、天気予報はこの後後志地方の日本海岸で曇りだったが、千歳方面はお昼過ぎから雨。昨日のあの大雨が、予報の雨が早まったものであってほしいが、どうも状況から見てこの後雨がじわじわ降って来そうな気配ではある。そうなれば、今度は予報が遅れて夜に降り始めるのに望みを託すしかない。

 岩内の港町から台地の上にのろのろ上がり、今度は国道276、岩内岳の山裾の畑の中を東に向かう、基本的には眺めのいい道だ。手持ちの20年前の地形図だとまだ国道ではなく、それだけに交通量は多いと言っても小沢までの10kmで我慢できる範囲内である。
 山裾らしく、なだらかではあるがアップダウンが続き、なかなかさっきのような安定したペースは出ない。まあ北海道らしいのんびりした丘陵の景色の中、着実に足を進めればいい。焦っても焦らなくてもあまり結果は変わらないのだ。
 そういう状況で、今度はついに雨が本降りで降ってきた。

 国道5と合流する国富を過ぎても、やはり雨は止まない。国道5号を南へ、小沢の駅を過ぎてもやはり雨は止む方向ではなく、逆に倶知安峠にさしかかると大雨と言える程度に強まってしまった。

 もうあとは倶知安峠を越えた先で果たして雨が降っていないかどうかだけだったが、果たして倶知安峠の先、悲しいことに雨は全然止んでいないのだった。

 倶知安峠は盆地の縁をひょいと越えるタイプの峠だ。峠を越えるとあまり下らずにおまけに登り返しまであって、その登り返しの向こうに唐突に町が登場。町の上は低い雲がべったり、路面はもちろん黒々ぬらぬらと、どこをどう見てもこれから雨が上がるようには見えない。もう頭の中は輪行一色だった。

島牧から岩内経由で倶知安へ 赤は本日の経路

 11:15、倶知安到着。

  なな何とはいかいさん登場! RICOH GR DIGITAL 2 GR5.9mm1:2.4

 倶知安駅の軒下を捜すと、グレーのランドナー輪行袋を発見。同業者である。というより、この人の方が先見の明があるね。今日はみんな輪行だあ。その輪行袋の少しそばに自転車を停め、まずは列車の時刻をチェックに待合室へ。15分後なんてのだと速攻で輪行開始である。

 と、入口で化繊ポロシャツにベルトポーチ、アウトドアっぽい服装の方が登場。この方が件の輪行袋の主に違いない。まずは天気予報を聞かねば。この後雨の予報なら、輪行の大義名分完成だ。
 と、その方が言った。
「高地さんでしょう」
ええ、何でわかるの??
「だって胸に書いてあるじゃないですか」
なるほど、確かに今日はネーム入りのFサイジャージである。読めば名前がわかって便利だね。でも、その方が次に言った。
「はいかいですよ。私。」
ええええ〜!!!それは2001年の秋、ランドナーオフ丹後半島でお会いして以来の、毎年FCYCLEの北海道Tourのツーレポに必ずレスを付けて下さるはいかいさんだったのだ。そのはいかいさんと北海道で、これ以上の出会いは無い。

 

 はいかいさんは今回は道内3日の行程、昨日今日と雨で運休らしい。お気の毒様だ。一方、こちらも列車の時刻を見ると、12時5分に小樽行きが出る。基本的には全然余裕の楽勝だが、まずは自転車解体&袋詰め、その後の荷物まとめが実は時間が掛かる。
 駅前でやっている新じゃが祭りでは、美味しい倶知安のじゃがいもを何と無料で配っているらしい。また、83年の初渡道時から倶知安の駅蕎麦が美味しいことをうわさに聞いている。何かと私の挙動は慌ただしく、はいかいさんも煩わしかったと思うが、いつものおだやかな会議室での発言の通り、にこにこ落ち着いて最後までお話しして下さったのだった。

 

 札幌経由で大雨の千歳着は18時。路面に勢い良くはねる大粒の雨に、つくづく輪行して良かったと思った。
 「15時に電話します」等と言いつつ電話を忘れたにも係わらず、駅の改札の外で待っていて下さったたねやんと無事合流。自転車もろとも車に乗せていただいて、たねやん邸へ。たねよんさん、ちびたねくんにもご挨拶でき、ラムしゃぶにとうきび、じゃがバターやデザートをいただき、ご家族全員より広い面積の1階に寝かせていただくというVIP待遇で感謝に絶えない夜だ。
 にも係わらず、明日は4時から室内やら屋外でごそごそがちゃがちゃを開始、6時にはひとりサワヤカに出発してしまうのである。しかもたねやんにとっては日曜日開けの月曜朝。あああ、申し訳ないです。

 明日の予報は1日中晴れ。気温も25℃とのこと、熱中症の心配なく楽しいサイクリングができるといいのだが。等という希望的観測も悲しくなるぐらい、夜中になっても大雨は降り続き、屋根の音は続いていた。

記 2008/9/7

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Last Update 2019/7/26
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