憩→(町道他)美馬牛→(町道他・道道353)上富良野
→(道道298)東中→(町道ベベルイ基線)本幸
(以上#15-1)
→(町道ベベルイ基線)布礼別→(道道253)東山
(以上#15-2)
→(国道38)下金山橋→(国道238)金山
→(道道465)幾寅→(農免農道落合線)北落合
(以上#15-3)
→(農免農道落合線)ルーマ→(国道38)落合 116km
地図の通りに集落手前にやってくると、辺りの森が突然切れて牧草地になり、唐突に13:55、北落合着。
ここまでずっと雲が多く、青空が見えても早い雲の動きでなかなか日差しが安定しなかったが、うまい具合に青空が増え始めていた。▼北落合中央にて 展望200°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
拡がる畑の景色はよく自分の写真で眺めていて、やはりその写真とは畑の主役や道ばたの草花、そして成長した木々のボリュームが少しずつ違い、景色全体の空間感覚に影響を与えている。それでも写真を撮る場所やアングルは結局毎回あまり変わらないのだが、いや、「だが、それがいい」のである。
小学校のある北落合中央から、北に向かう1本道へ。
ここも前回の2005年とは木々のボリュームや畑の作物が少しずつ変わっていて、きょろきょろしながら登りをゆっくり進むのが楽しい。時間の余裕があって天気が良い、最高の北落合訪問である。▼緑鮮やか 展望200°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
さっきの中央から、目的地の北落合農免農道一番奥、標高680m地点まで標高差150m。
速度は落ちるが、そう厳しい登りではない。▼動画54秒
協和を過ぎると後は山裾上端まで道は一直線。
14:30、680m地点到着。
青空にまだほんの少し雲が残っているが、重く低い雲は消え、赤みを帯び始めた光に照らされて、今日も緑が、そして空も鮮やかに変わっている。ここ何日間ご無沙汰だった、静かで美しい夏の夕方が今日も始まろうとしているのだ。最後にいい天気になって本当に良かった。
先日の知駒峠で標高460m、津別峠も展望台に登らなければ標高750m。そう考えると、そもそも標高350m程度とは言え、今回の旅程中でもなかなか高い場所であると言える。その高さ通りに、日高山脈や狩勝の山々、そして背後の大雪の裾に囲まれて、山裾から盆地となって谷間へ下る北落合の盆地が、まるで空に向かって拡がるような佇まいである。
道路位置表示の赤白標識に自転車を立てかけ、道の真ん中に座り込み、今回の旅で最後の休憩とする。下手の農家で農作業用車両が動いたり、トラックが出入りしているが、ここまでは車なんて来やしない。山間の涼しい風に吹かれて、しばらく今回の旅を思い出したりしてぼうっとした。
いつ終わるかいつ終わるかと毎日考えていた今回の長い旅が、何ともう後少しで終わるのだ。もう明日のこの時間は東京に帰っているのだ。更に明後日は何と普段通りに出勤しているのである。しかし、北海道の夏はまだもう少しだけ続いて、その後秋が始まるのだろう。草の中で秋の虫も鳴き始めている。
15:00、680m地点発。▼動画1分37秒
下り始めると、さっきえっちらおっちら登ってきた集落の中の道が、次々後ろに去って行く。
開けた景色に騙されたのかそう登っているとは思わなかったが、足に感じた分の登りがあったのだろう。
協和を過ぎ、中央の交差点を過ぎて、一番下手のニンジン畑で再び自転車を停める。
雲はもうすっかりどこかに消えてしまって光線状態はいいし、そうでなくてもこの定点撮影ポイントで撮影しない訳にはいかない。
丘の上の木、そしてポプラの並木にニンジン畑。真っ青な空に白い雲、緑、そして黒々とした畑の土。鮮やかな景色が目に染みる。いつもの自分の写真通りの景色が、写真として自分に染みついている景色が、目の前に実際に拡がっているのは、なぜか不思議な気がする。それに前回2005年から3年、少し雰囲気が違っているのもよくわかる。▼定点撮影の丘 展望180°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
また数年後、ここを訪れるのだろう。いや、また来よう。
北落合から先は谷間へ下り、森の中の1本道を一目散に下ってしまう。
今日ももう16時前。赤くなった日差しがすっかり傾き、谷間の森が作る木陰の風がひんやり気持ちいい。
広葉樹林の爽やかな木陰が北落合訪問の最後を締めくくるのにふさわしい、静かで印象的な良い道である。
16:00、落合到着。
ついにツーリング行程が全部終わったのである。とはいえ人っ子一人いない無人駅、「終わった〜」という自分の一人言以外に何もセレモニーは無い。まあいつもの駅到着とやることは変わらなくて、まず列車の時刻を確認する。果たして滝川行きが16:50発にあった。自転車を解体して荷物を纏めてゆっくりと過不足無い、理想的な時間である。
記 2008/10/18
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