憩→(町道他)美馬牛→(町道他・道道353)上富良野
→(道道298)東中→(町道ベベルイ基線)本幸
(以上#15-1)
→(町道ベベルイ基線)布礼別→(道道253)東山
(以上#15-2)
→(国道38)下金山橋→(国道238)金山
→(道道465)幾寅→(農免農道落合線)北落合
(以下#15-4)
→(農免農道落合線)ルーマ→(国道38)落合
116km
東山からは国道38へ。ここで左へ向かうと樹海峠方面、幾寅到着が1時間ぐらいは早くなると思われるが、さっきの検討通り、ここは右の下金山橋方面へ向かう。
国道38が少しだけ続いた後、下金山橋からは国道238へ。
空知川の谷間を遡り、金山峠を越えて占冠から日高方面へ向かうこの道、交通量は国道38からぐっと減る。
しかし、低山に挟まれた狭い谷間は何か落ち着きが悪い印象がある。今日も何だか国道の埃っぽい表情だけが目に付いてしまう。
いや、道のせいにしてはいけない。暑いのである、ここ3日間の道北に較べて。暑いので、何か身体が落ち着かないのだ。道北と道央はここまで違うのだということを、改めて実感する。おまけに下金山、黄金と進むうち、次第に空が晴れてきた。もともと曇りの状態ですら暑かったのが、晴れると辺りは更に暑くなる。
寂れた金山の町外れで、かなやま湖へ向かう道道465へ。
国道から逸れてすぐに渡る根室本線の踏切に、唐突に22年前、学生時代の1986年にここへ来て、かなやま湖へ登ったことを思い出した。22年前と同じコースであるのみならず、何と美瑛遊岳荘発で北海道ツーリング最終日というのまで同じである。違うのはコースの詳細で、20年前はひたすら国道トレースで上富良野、富良野、山部経由で、かなやま湖の後は狩勝峠から新得終着だった。
道道465で狭い谷間の奥へ進むと、さっきまで併走していた根室本線が、高架橋で上を交差して山から山へ消えて行った。
と思っていると、唐突に目の前に近年の訪問で見覚えのあるPCコンクリート製スノーシェッドが登場。ダム湖岸への登りとなる。
湖岸の道は木々の中。▼動画1分45秒
ほとんどアップダウンは無く、入り組んだ等高線に律儀に張り付いて淡々と続く。
前半は終始視界があまり開けず、淡々とした雰囲気を助長する。
以前何度か泊まったかなやま湖保養センターで幾寅で金山湖岸の道はほぼ半分。
金山から幾寅まで通しで来るのも22年振りである。今日の保養センター周囲のキャンプ場はお昼のためか人はまばらで、ひっそり静かだ。
山々に囲まれた湖が終わると、山間の拡がりは畑になった。幾寅〜落合の、狩勝峠手前の盆地に到着したのである。
12:35、幾寅着。
幾寅では去年からの宿題、なんぷカレーを食べなくてはならない。このなんぷカレーは、南富良野牛のステーキと普通のカレーライスをかなり強引にくっつけたものだ。なんぷとは南富良野でなんぷということのようで、確かに他の場所では見たことが無い。珍しいだけではなく、ステーキにカレーソースが意外にもよく似合うだけではなく、熱い鉄板に乗ったご飯がその部分だけちょっと硬めのお焦げ寸前、それに別皿のカレーが掛かると、カレー自体もちょっとお焦げ気味になって香ばしく、とても美味しい。シンプルだがなかなかのアイデア商品だ。
このなんぷカレー、1998年にかなやま湖保養センターで食べて以来、何と10年目の再会である。というのは、その後何回かかなやま湖保養センターに泊まったが、1998年以降はもう食堂のメニューになんぷカレーは無かったのだ。もしかすると、保養センターのコックさんが1999年以降に独立でもしたのかもしれない。
お店の名前はその名もなんぷ亭。民宿もやっているお店で、実は去年ここに泊まっている。その時は、例によって前日下方修正に輪行と良いところが無くて、おまけに宿には延着。しかも途中の輪行乗り換えの追分で食べたラーメンが響いて、楽しみにしていたなんぷカレーを食べ損ねてしまったのだ。
今日はもう何も躊躇うこと無く、なんぷカレーの大盛りを思いっきり注文。ジューシーなステーキ肉と、暑い鉄板でかりかりのご飯、ややお焦げ気味のカレーが記憶通りに実に美味しい。ご飯は全体的にはやや軟らかめだが、それは熱いプレートで多少かりかり気味になるからだろう。となると、多分大盛りではなく普通盛りでこの辺のバランスが取れるのだろう。
さて、今後の予定をここで再確認せねば。というのは、かなやま湖へ大回りしたので当然なのだが、当初よりかなり延着気味なのだ。この後北落合まで1時間、大好きな場所なので写真を撮ったりするだろうから、最高地点まで1時間見る方がいいだろう。この時点で15時半。ここから約40km弱先のトマムへ向かうと、標高差300mの下りと山間の登り基調込みで、多分18時前。その後自転車を畳んで札幌に向かうと、恐らく札幌着は21時を回る。まあそれでも問題は無いが、そんなに遅くまで走る予定は無かった。それに、3日目にたねやんから、トマムにインターチェンジができて十勝からやってきた車が増えている、という話を聞いた。夕方遅くまで走って、最後は車が増えて全然イメージと違うトマムで輪行か。駅前に庇も何も無い無人駅のトマム、前の道に車が行き交うだだっ広い広場は、さぞかし殺風景だろう。
それよりいっそ、この後北落合から下った落合で列車に乗ってしまってはどうか。当初より距離は短くなるが、これなら国道38を経由してもほんの僅かで、静かで落ち着いた気分で旅程を終えられる。落合駅での輪行は13年振りで懐かしいし、乗る列車は滝川まで各駅停車、これもオーソドックスである。山の中から次第に谷間が栄え、最後は石狩平野に出る夕方の車窓風景も、きっと長かった今年の旅を締めくくってくれるものだろうと思われる。
考えれば考えるほど何か最初からばっちり仕組まれていたような好ましさである。問題は極端に少ない根室本線の列車時刻である。これもお店を出た後ですぐ近くの幾寅駅で確認すると、普通列車が15時半ばと17時過ぎにある。15時過ぎはまず無理だが、17時過ぎの列車なら、落合は隣の駅だから時刻はそう変わらない。これなら北落合でも落ち着けそうだ。こっちで行こう。
13:10、幾寅発。
久住の狭い谷間の畑が森の中の道になってからが長い。じりじり標高を上げる道は、例によって例のごとく奥に進むに連れ、斜度も少しづつ上がってゆく。別に特に何も珍しくない、北海道の坂道では毎度のことだ。
北落合へこちらから登るのは2001年以来、もうあまり景色の展開を覚えていない。まあ地図上での距離と標高差なりに時間は掛かるのだろうし、見ている線形の位置にしか到達していない。
下りで感じた長さの道なのだから、焦らずに落ち着いて深くなってきた森の木々などを眺めて、のんびり登っていこう。
記 2008/10/18
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