憩→(町道他)美馬牛→(町道他・道道353)上富良野
→(道道298)東中→(町道ベベルイ基線)本幸
(以下#15-2)
→(町道ベベルイ基線)布礼別→(道道253)東山
(以下#15-3)
→(国道38)下金山橋→(国道238)金山
→(道道465)幾寅→(農免農道落合線)北落合
(以下#15-4)
→(農免農道落合線)ルーマ→(国道38)落合
116km
4時頃はまだ雨が降っていたが、5時に外に出て輪行袋の自転車を組立て始めると、すぐに雨は上がった。これなら天気予報通り、何も迷うことは無い。もう今日で最終日、夕方には自転車を畳んで都会へ帰ってしまうのである。
自転車をひっくり返し、車輪を填めようとしてびっくり。後輪のトレッドが磨耗してつるつる寸前、いや、完全に消えている箇所の方が多い。普通の使い方なら4000kmは持つALPSタイヤでこれである。雨に降られたり、いつ終わるのかと毎日思っていた今回のツーリングを思い出す。いや、まだ今日1日残っている。後悔の無いように、夕方までちゃんと行程を終えよう。
とは言いつつ今日の予定は、ベベルイ基線〜麓郷、そして北落合と、最終日にふさわしくかなりの私的王道観光コースである。先を焦ること無く、時には立ち止まってゆっくり景色を楽しみたい。また、その後終着のトマムから札幌に着く時間も、まともな夕食が食べられる時間がいい。このため、距離を抑えた計画になっている。あまり頑張ってしまわず、かと言って大幅に怠けること無く、先に進めばいいのだ。
6:05、憩「遊岳荘」発。
高台から見渡す丘はまだ道も畑もぬらぬらとたっぷり濡れているが、空には何と青空が見え始めていた。さっきまであんなに降っていたのに。
美馬牛へ向かう間に青空の範囲は増え、その空から朝日が辺りを照らし始めた。
出発してからずっと、何か雰囲気が違う、と感じ続けていた違和感の理由が、その時わかった。カラフルなのだ、辺りの景色が。
緑が鮮やかなのである。勢いがあるというか濃いというか、こんなもの多分葉っぱだけ並べて較べたってわかるものではないのだろうが、なにしろ道北方面と辺りの景色が違うのである。
美馬牛の辺りは交差やアップダウンが多いのと、交差してすぐ道が曲がったりするので、道がわかりにくい。今まで余程注意しないと、まともに地図通りの道を通れたことが無かったように思う。
それが今回は、地図入りGPSで完全に解決してしまった。画面を眺めていると、こんな経路でこっちへ行かないといけなかったのか、ということがよくわかる。
しかし、上富良野方面へ、既知の道を避けたつもりで町道他・道道353と考えていたつもりの予定コースは、実はことごとくいつも通る道だったのには参った。せっかく美馬牛まで来たのに、またいつもの道だったのである。
7:05、上富良野着。
何年か前にセイコーマートがローソンに変わったコンビニで朝食とする。おむすび、サラダにヨーグルト、思えばこんなコンビニ補給も、もう今日で終わりなのだ。帰ったらちゃんと毎日生野菜を食べよう。
上富良野からは道道298で東中へ。
町を出るとあっと言う間に路面は完全に乾いてしまい、青空が広がり始めた。
日差しも現れ、この辺りで目立つ田圃で緑が更に鮮やかである。▼動画1分31秒
ところが、東中から町道ベベルイ基線へ入ると、道が山裾に取り付くためか俄然辺りの雲は厚く低く、路面には再び水溜まりが目立ち始めてきた。
ベベルイ基線の上富良野側は、盆地からお皿の縁のようにせり上がる台地への直登である。
下から眺めると、まっしぐらに斜面を登って行く一直線の登りがよく見える。開けた斜面の直登なので、行く手に視界を遮る物が無いのだ。このため、ベベルイ基線側から上富良野へ下るときには、常に富良野盆地を見下ろすことになる。
この展望が素晴らしい。一直線に続く道から、まるでその真ん中につっこんで行くような、まるで富良野盆地の中に飛び込むような、そんな気持ちになれるのだ。
今日は逆方向からの登りだが、時々後ろを振り返ると、やはりその富良野盆地の展望が確認できた。
だいぶ登ると道が曲がって、富良野盆地は直接見えなくなるものの、もうすっかり辺りは台地の上。
伸びやかになだらかな丘に拡がる畑の中にはポプラが所々立っていて、心惹かれる佇まいだ。▼ベベルイ基線より本幸の丘-1 展望210°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
こういう景色は北海道では珍しくないが、ポプラを数本畑の中に植えるという習慣は、一体何に起源があるのだろう。考えてみると、たかだか数本のポプラは防風林になるわけでもないし、別に平野の真ん中ではないので、何かの目印というわけでもなさそうだ。しかし、どこに立っていても、風に耐えるように反り返って立つポプラの姿は何か感動的である。▼ベベルイ基線より本幸の丘-2 展望200°(Quicktime VR) 画像上でマウスをドラッグしてください
ここでは畑の他に、道端にもそんな風なポプラが立っている。
家で見慣れた10年前の写真、もう少し最近の写真と較べて、実際の彼らの姿は年月を経ていて、やはり訪問の度ごとに少しづつイメージとは違っている。同じ場所に訪れて、いつも姿が違うポプラの木々達、年月を経た彼らと再会できる喜び。旅って不思議だなあとつくづく思う。次はいつ会えるのか。いや、会えるのかじゃなくて、会いに来ないと会えないのだ。
記 2008/10/18
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