佐呂間湖畔YH→(道道442)浜佐呂間→(道道103)若佐
→(国道333・町道・242)学田
(以上#11-1)
→(道道137)濁川→(国道273)滝上
(以上#11-2)
→(道道61)岩尾内湖
(以上#11-3)
→(道道61)登和里→(道道101)上パンケ
→(町道他)五味温泉 190km
谷間の森の端が落ち込んで、突如眼前に大きな岩尾内湖の空間が登場した。見下ろす湖岸に拡がった青みの強い広葉樹林にはキャンプ場等があるようで、なかなか楽しそうである。
一方、こちらの湖岸道路には不条理なアップダウンが多い。建設費用を浮かすには一番効率がいいルートなのだということは理解できるが、一体これは何とかならないものか、とも思う。
しかし、アップダウンは2回。所詮は湖岸外周道路、登り総量自体ももうたかが知れているし、時々渡る湖面の風景も、のぞき込む湖の奥の風景もとても山深く、雄大なスケール感が楽しい。▼動画1分6秒
岩尾内湖の管理事務所にも、結局水道も自動販売機も無いのは前回の記憶通り。そのまま一気に通過して、朝日町の谷間に下ってしまう。谷間に下るとようやく正面に太陽が現れ、鋭い日差しが照りつけ始めた。そうだ、今道が真西に向かっているんだった。もうあとは最後の峠を越えれば下川の谷間である。
長い午後の曇りの後、現れた日差しはもう真っ赤っかだが、ほぼ真正面上からの夕日の中にいるだけで、何だか気持ちが盛り上がる。ましてや2001以来の上紋峠を終えたのだ。今回最大の山場と言うだけでなく、2001年以来、毎年天候不順などで迂回を余儀なくされていた、その上紋峠なのである。
17:20、登和里着。ここからは道道101、今日最後の峠越えだ。
とはいえもう標高差150m、登和里川沿いの狭い谷間の登り斜度が次第に増して、最後は牧草地奥の糸魚トンネルに到着。ここも手持ち5万図では名無し峠だが、糸魚峠とでも呼ぶのだろうか。
前回は上紋峠を越えた後で、迫り来る夕闇と残り行程の距離に焦っていたのか、この峠の記憶がほとんど、いや、全く残っていない。我ながらかわいそうになる前回の訪問なのだった。
ところが、この記憶から落ちていた想定外部分が、今回行く手に立ちはだかった。登りはまあ地図通りだったのだが、下りが果てしなく長かったのである。
そもそも朝日から登る糸魚峠の標高差は150m程度だが、下川側は250m以上と100mも多い。山奥の下川パンケ川の渓谷、迫る山々と森に囲まれて延々と続く緩い下りはとても長く、道北ともなると低山とは言えその佇まいは険しく厳しく、果てしない森の深さに一体いつ終わるのか不安になってしまうほどだった。
あたりが秒速で暗くなり始める18時過ぎになって、ようやく上パンケの牧草地が登場したときは嬉しかった。これで今日は本当に下川に下ってきたのだ。
道道101から逸れて班渓の山間の五味温泉まで、町道で登って下る牧草地の丘の厳しい坂も、その後行ったり来たりしながら続く道も、もうすっかりのんびりと楽しい気分である。思えば夕方、見知らぬ宿までのこういう寂れた道が、泊まりサイクリングでの一番楽しいひとときなのだ。
等と思っているとやはり時間を食って、18:35、五味温泉着。
いつ予約してもなかなか泊まれなかった公営の温泉宿だ。とりあえずお風呂に入ってから、鹿肉オプション付き夕食で今日一日の腹を満たす。
今回の長い旅程、その最大の山場が無事終わった。というより、明日は明日とて抜海までの長丁場、しかも初めての知駒峠を含む内陸の峠コースだが、この調子なら明日も十分乗り切れる。その自信が出てきたことがとてもウレシイ。うーん、余は満足じゃ。等と腹を満たして、折角だからもう一度温泉で疲れを落として、いつものようにそそくさと就寝。
しかし翌日こそ、今回最大の修羅場が待ち受けていたのだった。
記 2008/10/10
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