佐呂間湖畔YH→(道道442)浜佐呂間→(道道103)若佐
→(国道333・町道・242)学田
(以上#11-1)
→(道道137)濁川→(国道273)滝上
(以下#11-3)
→(道道61)岩尾内湖
(以下#11-4)
→(道道61)登和里→(道道101)上パンケ
→(町道他)五味温泉 190km
9:25、学田発。道道137へ。
遠軽郊外の景色はすぐに田圃が拡がる田園風景となり、山裾に取りついて留岡、見晴と社名淵川の谷間を進んでゆく。
途中の廃校跡らしき野外学校、山の斜面に拡がる見晴牧場、そして栄野方面への分岐など、いつも上原峠から遠軽に下ってくるときの距離感覚よりだいぶ短い距離で次々に通過できるのが何と無く得したような気分である。
山深いように見えるが、奥の方まで谷間の斜度が緩いのだ。
社名淵は、この先長い無人区間の最後の集落だ。確か滝上手前の濁川まで商店も無いので、さっき遠軽郊外で補給したばかりだが、この際ここの商店で飲料を仕入れておくことにする。仕入れると言ってもどうせ万屋店先の自販機で買うだけなのだが、集落の真ん中でいつも頑張っているその万屋さんでは、店のご主人が話しかけてくれた。この際、この先新開通区間の開通状況も尋ねておくと、前回の2005年には全面ダートだったこの区間、案の定去年すっかり舗装が完了、全く問題無く通行可能とのことだった。いい話が聞けた。
社名淵の先から上原峠への登りと無人地帯が開始。千代田の広々とした山裾の牧場を抜けると、もうあとは上原峠まで森の中だ。
谷底の直線基調の道の行く手を見つめながら、えっちらおっちらゆっくりと登り続ける。
速度が落ちると、途端にしつこいゴマフアブどもが寄ってきやがる。登りで速度が落ちて汗をかき始めると、せっかく社名淵で身体にかけておいた最強の虫除けムシペールが取れてしまうようで、時々身体に掛けながらの登りとなった。鋭い日差しで登りの運動量以上に気温が上がっているようで、日陰のない路面はかなり暑い。
谷底から山肌に移り、山肌を巻きながら高度を上げ、次第に谷底の見晴らしが良いぐらいになると、山間の風がその暑さを冷ましてくれるようになった。
この風、いつも暑い上原峠でいつも強い味方である。また、そうでなくても、近くの山々の見晴らしが広々と涼やかだ。
10:55、上原峠着。標高約460m、麓からは標高差300m程。北海道の峠らしく、登り自体より距離の長さが堪える峠だ。展望のない峠をそのまま通過、次は鴻ノ舞の谷間へ。
山肌も下る行く手の谷底も、もうすっかり無人の深い森である。
上鴻ノ舞で金八峠への道道305と離合。この金八峠も長い間いつも復旧工事中のダート峠として紋別・丸瀬布間のネックとなっていたが、今秋でついにトンネルが開通するという立て看板を発見した。今後積極的に足を向けてみたい。
金八峠の開通情報を横目に眺めつつ、こちらは件の新開通区間へ。
谷間から離陸して山肌へ、山肌を巻きながら切り通しを抜けて稜線の低い背中を越え、最後は稜線の間に落ち込んだ谷間を橋で一気に渡って、11:50、最高地点へ到着。
いつの間にか空には雲が出始めていて、景色全体の鮮やかさはやや減っているものの、どこまでも続く山々に一面の大樹海は圧巻だ。
谷間に掛かったカーブする大きな橋には、狐沢橋という名前が付いている。ならばこの落ち込んだ谷間が狐沢なのだろう。この峠も狐沢峠とでも呼ばれることになるのかもしれない。とりあえず便宜上この峠を狐沢峠と呼んでも悪くないだろう。前回の2005年は森のダート急下りの印象が残ったこの道、今回全舗装で通ってみると、均等斜度であまりどうということは無い。ただ、最高地点で400m程度、標高差220m程度。上原峠より少し軽いぐらいの、なかなかいい規模の峠である。上原峠がしんどいのは、やはりアプローチがかなり長いからなのだろう。
2000年には滝上から遠軽へ抜けるのに、札中トンネルと上原峠の間を、ダートの上古丹4号沢林道とクチャンナイ林道の白樺峠で越えた。その時には「いつか舗装峠が開通して、ダートの白樺峠を越えたんだけどねえ、あの時は」等と思う日が来るのか、と思っていた。しかし、前回2005年はダートの状態で、そして今回は舗装された完全開通の状態で、この区間を越えることができたのである。見下ろす狐沢の谷間にはなかなか感慨深いものがある。
稜線から山肌を巻きながら山間をぐるぐる回って谷間に降りると、牧草地の拡がる上古丹である。
ここでようやく牧草地に牧場農家が登場、とりあえず無人区間が終了したことになる。
しかし小さな集落とは言え、道道306との分岐、中立牛には廃屋が目立つ。交差点にすら自動販売機の1台も無い。廃屋農家の庭先に草や木々が元気に生い茂り、明るい日差しが降り注ぐ中立牛はそのまま通過し、間髪入れずに次の札中トンネルへの登りへ向かう。
谷間の川の名前は立牛二十線川。なんだか身も蓋もない名前だが、二十線と言うからにはやはりかつて栄えていた場所なのだろう。今は緩い広がりに茂みばかりの谷間を遡ると、例によって次第に斜度が増し、谷底から山肌へ取り付いた。
こちらの登りでは正面に谷を巻いた道の側面が見え、意外な高さにあるその道にこの先の登りボリュームを覚悟するが、真面目にゆっくり登ればいつしかその見えた位置からさっきの道を見下ろしているのだった。
12:50、札中トンネル通過。もうあとは濁川へ下るだけ、濁川と滝上はほぼ接しているので先は見えたようなもんだ。
少し心配だった狐沢峠だったが、結局前回の2001年の大回り迂回コースよりやや多めの通過時間だったようである。距離が短くなって時間が延びたところに、狐沢峠と札中トンネルのボリュームが端的に現れている。
しかし、上渚滑から延々20kmも国道273を遡らないといけない大回りコースより、こっちの方が断然面白い。
濁川の道の駅「香りの里たきのうえ」は決して小さくない規模だが、町の手前に位置するためか、手頃な供食施設が無く、代わりに滝上市街の飲食店地図などが置いてある。仕方なく脇売店でソフトを仕入れて、国道273へ。
山を回り込むとそこはもう滝上の町である。
記 2008/10/10
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