静内→(道道71・20間桜並木道路)御園
→(大規模林道平取・えりも線)新栄
(以下#1-2) 134km
7:30、静内着。
2003年、様似からの帰途以来2年振りの静内駅前。何だか昨日来たような気もするのが奇妙な気分だ。曇りだが何と無く空気がむっとしている駅前で早速輪行袋を開き、自転車組立作業を開始。昨夜ちょっと見たとき、マジックテープのベルト固定部分に全く緩みが無かったので安心してはいたが、組み立てながらディレーラーや泥除け、キャリアなどの突起部分、タイヤ表面をチェック。どうやら全く異常は無く、初めての飛行機輪行は大成功だったようだ。
朝食はセイコーマートおにぎりで済ますはずだったが、ついむらむらと食べたくなってしまい、駅の食堂のカレーで腹ごしらえ。その結果、静内駅出発は8時半に。更に、折角2本も仕入れておいた強力虫除けのムシペールと、自前の風呂用ナイロンタオルを忘れてしまっていた。そのため、道のわかりにくい町中で薬局を探してから、おにぎりを仕入れるためにセイコーマートを探す等という効率の悪いことをやっているうち、あっという間に9:00になってしまった。8時過ぎ出発の予定が1時間も遅れてしまったことになる。
静内の町中を抜け、牧場の間を目名から20間桜並木道路へ向かう。周囲の住宅街が畑と牧場に変わるに連れ、鼻を突くような酸っぱ臭い厩舎の香りが漂い、また北海道を走れていることを実感する。
20間桜並木道路では、広々とした一本道の両側、桜と針葉樹の大きな木が並木になって正面の彼方まで続いて行く。木々の向こう側には青々と茂る牧草地が拡がり、厩舎や牛・馬なども楽しい。この道、ほんとはその正面に日高の山々が青いシルエットで望めるのだが、今日は雲が山々姿を隠してしまっていた。しかし、それでも十二分に静かで楽しい道だ。
途中で交差する道道71から先は、厳密に言えば独立行政法人家畜改良センター新冠牧場となる。いや、門柱のように道の両側に堂々と立つ丸太に大きな木の表札が掛かっていて、どこをそう見てもここから先は新冠牧場内である。でも、それ以上に一本道は今までと変わらぬようにそのまま延びていて、ついつい先へ進んでしまうのである。
結局地形図で道幅の変わる場所で、幅の広い舗装の並木道が終わり、その先は「家畜伝染病防止のため立入禁止」ということになっていた。ここが20軒桜並木道路の終点ということなのだろう。ツーリングマップルでは、この先のダートへ向かうと今後向かう道へ近道で辿り着けるようだが、この先この道が新冠牧場から地図に出ている北大農場の中を進むとすると、どうもあまりろくな結果にはならなさそうに思えた。
ここは一番順当そうな、南側の台地下への道を選ぶ。
河岸段丘を下る森の中には、またもや丸太の「独立行政法人 独立行政法人家畜改良センター」の看板を見ることができた。9:50、牧草地の拡がる低地の農屋から、今度は丘越えの道へ足を進める。今日わざわざ静内出発にしたもう一つの主目的、振内まで延々続く日高山脈麓の道だ。
道なりに谷間にに入り込むと、「大規模林道 平取えりも線 新冠・静内区間」の看板を発見。手持ちの5万地形図ではまだこの道は描かれていないが、そうか、これが時々話に聞く平取えりも線だったのだ。
ここ数日の高温のためか、周囲はむっと蒸し暑い。森や茂みの中から時々吹いてくる風が涼しく感じられるようにも思うが、腕の裏側に流れる汗の量からして、28℃ぐらいはあるかもしれない。薄日が差し始めると急に気温は上がり、ぐわーっと気温が急に上がる。
そうなると、汗の臭いを嗅ぎつけて、しつこくしぶといゴマフアブどもがやってくる。こいつら確か、普段は8km/h以上ぐらいで身体に止まれなくなり、10km/h以上だと振り切れるはずなのだが、高温で元気になりやがって、10km/hぐらいで止まってくる。早速さっき仕入れた虫除けが役に立つ。
林道とはいえ木々は低く標高も低く、茂みっぽい丘越えの道でしかないように見えるのが、いかにも北海道の林道らしい。最高地点の標高差も200mも無く、ある程度登ると丘の鞍部のアップダウンが始まった。
途中では「北大農場」の標識のある道が、茂みの中へ分岐していった。さっきの20間道路終点の分岐ダートのなれの果てだろう。あっちに行かないで良かった。
アップダウン区間では登りで汗が噴き出し、下りになると何とか風で助かる。そんな一進一退を繰り返すうち、長い下りに入って一安心。
記 2006/8/27