北海道Tour06 #1-3
2006/8/11 静内→占冠

プンカウから国道237で日高へ

静内→(道道71・20間桜並木道路)御園
→(大規模林道平取・えりも線)新栄(以上#1-1)
→(道道71)太陽→(町道)新和→(道道71)旭→(町道)芽生
→(道道845)豊糠→(道道638)プンカウ
(以上#1-2)
→(国道237)占冠   134km

桂峠の下り 狭い谷間は何となく山深い雰囲気 標高は低いが RICOH GR DIGITAL GR5.9mm1:2.4

 14:20、振内手前のプンカウで国道237へ合流。ここから、沙流川に沿った谷間を日高まで遡上となる。日高国道こと国道237は幹線道路ではあるが、低山に囲まれたそう広くない谷間は静かで、車の量自体もうるさいほどではない。ただ、時々丸太運搬の超大型トレーラーが高速で通過するのはやっぱり恐ろしい。

国道237へ 大型車がやってくる 岩知志

 しかし、休暇初日のツーリングの常と、それ以上に高温にやられてしまっているのか、そういう怖い道でありながら、居眠り運転寸前まで眠たくなってしまっていた。仕方無いので、時々ゴマフアブの近寄りにくそうな木陰に停まり、立ち止まって数秒間船を漕ぐ。体感上は数秒間、実際は意識を失っている時間はわからないが、はっと目覚めたところで再び自転車を進める。これだけでもだいぶ回復できるものだが、やがてまたあくびが出始めるのは、まさしく国道路上の高温に身体がやられてしまっているのだろう。さっきと同じく曇りだというのに。

二岩 岩内辺り 森が終わるともうすぐ日高

 岩知志、岩内と深い渓谷と小山の森が迫り来る狭い谷間を抜け、周囲に農地が拡がり始めた。「日高」の文字が道ばたの看板に増え始め、間もなく15:30、日高町の国道274の交差点に到着。山の中からやって来て山の中へ去って行く国道274だが、いつ見てもひっきりなしに車がやってくるのは圧巻だ。この辺りでは私の「自転車で絶対通りたくない道」ダントツナンバー1である。

日高到着目前 日高から日高峠経由で占冠へ 赤は本日の経路
国道274の交差点

 交差点のセイコーマートでちょっと休憩。前回1999年はここで休みすぎてしまったので、今回は気を付けないと。とはいえ、店内の冷房はとても気持ちいい。眠気も一気に無くなってしまった。これだけ冷房を涼しく感じるということは、外の気温はやはり暑いのだ。

日高峠へ 見下ろす日高の町外れ 基本的には見通しは良くない

 日高町まで日高国道にいた車の大部分は国道274へ流れてしまうようで、交差点からすぐに始まる日高峠の坂は、だいぶ静かに落ち着いて登ることができる。しかし、やはり暑いのには変わりなく、せっかくさっき多めに飲んでいた水は汗となり、面白いように一気に身体から吹き出し始めた。腕の裏側などはもう水に浸かったようにぬらぬらしている。
 とはいえ日高町は標高290m、日高峠で標高497m。実際に登る時間はそう長くはない。16:10、日高峠着。木々に挟まれて稜線を回り込むカーブの向こうのそれっぽい雰囲気通りに、そのカーブの向こうでそっけなく道が下り始める日高峠。今日ほど苦しい日高峠は初めてだが、今までと同じように印象が薄いのは変わりない。

盛り上がりに欠ける峠道 日高峠到着 そのまま通過 下りで大雨

 森の中をやや広めの道が直線主体でだらだら下って行く下りも、何だか単調であまり有難味が無い。それでも、これが北海道の普通の峠なのだ。妙なところで北海道を走れていることを実感する。
 ある程度下り、斜度がだいぶ緩くなったところで、空の雲の灰色濃度が上がって低く迫ってきていることに気が付いた。しかしいかんせん1本道の下り、進まないとどうしようもないのである。

 等と思いながら惰性で下り続けるうち、行く手の道が急に黒々濡れ初めているのを見つけたところで、おもむろに雨が降り始めた。この手の山間の湿度の高い暑い日にありがちな大雨である。暑かった今日一日中、占冠中央の道の駅の美味しいソフトクリームや、ボリュームたっぷりの食堂の料理が楽しみだったが、もうこの際一気に双珠別、占冠中央と走り抜けてしまうことにした。とはいえ、水量の多い路面はスリップ要注意である。気を付けないと。

見にくいが前方に学生ツーリスト集団登場 静内方面から国道237経由で占冠へ 赤は本日の経路
占冠中央

 占冠中央を抜けて鵡川の橋を渡り、低い丘の上まで道が登ると、もう占冠駅だ。時計を見ると16:35。大雨の中軒の下へ逃げ込み、とりあえず自販機で冷たいお茶を補給。落ち着いたところで列車の時刻をチェック。
 と、帯広行きのスーパーとかちが17:07にあるではないですか。輪行時間は25分あれば十分なので、列車の時刻としてはこれ以上のタイミングは考えにくい程のばっちりな時間だ。ちょうど甘い見込みと静内出発の遅れが響いて、新得着は下手すると20時前かな、等と思い始めたところでもあった。外へ出て再び空を見ると、行く手方面の空がなんとなくとろんと暗い雲で、もはや天気は絶望的であるように思えた。輪行しかない。
 思えば日高地方→占冠で輪行というパターンは今まで非常に多い。というか、日高からこちらに向かった場合で、新得までその日の内に行けたことは一度も無い。かなやま湖までは一度だけ行けたが、それでも20時前着のかなり悲惨な行程だった。学習能力に欠けているとしか言いようが無いだろう。

大雨の占冠駅 どう見ても雨のトマム方面 スーパーとかちは階段を渡って隣のホーム

 等と思いながら、時間通り17:07に大雨の中やって来たスーパーとかちに乗車。
 規格は在来線最上級ではあるが、それでもやはり山岳路線の石勝線を、スーパーとかちは制御付振子機構を効かせつつびゅんびゅん面白いほどの高速で突っ走る。頼もしい走りに惚れ惚れしつつ、車窓をぼうっと眺めていると、どうもトマム方面はとりあえず雨は降っていない。まあしかし降った形跡はあるし、川が濁流になっている。

スーパーとかち激走中 新得畜産試験場
新得山が見えてきた

 過去の占冠での下方修正の経験にも係わらず、今回も新得着を計画したのには理由があった。とても雰囲気が良かった占冠山奥のニニウサイクリングターミナルを再訪したいと思ったら、何と営業休止中とのこと。理由は、近所で高速道路の工事を行っているかららしい。この静かな谷間に高速道路が通るのだ。今回工事分の終点はトマムで、トマムにはインターチェンジができるらしい。その話を聞いて仰天したのと、ニニウに泊まれないショックが大きく、つい判断を誤ってしまったのだ。
 そのトマム手前の工事風景も、スーパーとかちの車窓から眺めることができた。思えばわずか20年前、私の初渡道時には、この辺りの道はほとんど埃ダートだったものである。何とインターチェンジとは。

 新狩勝トンネルを抜けても雨は降っていなかったが、こっちでもちょっとした川はすべて泥水が見慣れないほどの凄い勢いで溢れそうだ。それに畜産試験場の広々とした牧草地では、草がみんな整髪料で押さえつけた髪の毛のようにぺたっと倒れていた。けっこうな大雨が降ったようではあった。

 新得に到着し、風除室の片隅で店開きを開始。かつての木造駅舎が建て替わってだいぶ経つこの新得駅、物的には以前を連想させる物は何も無いが、登山客が多いためかかつての待合室の雰囲気を思い出させてくれるのが面白い。昔ツーリングをかじったらしいハイキングおやじを適当にあしらいつつ、18時半前には自転車を組み終え、町外れのサホロYHへ。

帯広へ向けて出発してゆくスーパーとかち サホロYH到着 一安心 サホロYH名物 札幌クラシックの旧デザイン ここ以外でほとんど見かけない(笑)がファンには貴重な存在

 今日の宿泊は4人だが、前の晩は自転車部合宿24人の貸し切り状態だったそうだ。どうも今年は例年より学生ツーリストが増えているらしい。それより、涼しさを期待して夜ぶらっと外へ出ても、けっこう蒸し暑い。やはり今年の北海道、かなり暑いようである。

記 2006/8/27

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Last Update 2007/2/4
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