北海道Tour06 #0
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#4 2006/8/14 厚岸郡厚岸町 サッテベツにて |
98年以来、北海道への輪行アプローチは夕方の新幹線と北斗星を併用し、休暇初日には走行開始というパターンを続けていた。この方式は、片道3本の北斗星の中でも道内到着時刻が一番早い北斗星1号でこそ、メリットが大きい。この北斗星1号を捕縛できる駅は仙台と一関だが、できれば食堂車の営業時間をより長く有効に使える仙台捕縛がより望ましい。
この北斗星1号の仙台捕縛パターンを実際の流れで言うと、北海道への出発当日、通常勤務の後17:30の会社定時と同時に退社。98年当初は18:20過ぎの速達やまびこに乗車、仙台駅で構外へ帰る通勤客と普通列車を見送りつつがらがらの1番線で約40分待機、北斗星に乗り込んでようやく一安心、ということになっていた。近年はやてが登場してからは出発時刻が30分程度繰り下がり、多少楽にはなった。
何とまあばたばたと慌ただしい出発ではある。しかし毎年毎年のスリリングな大勝負、無いに越したことは無いが、楽しんでいなかったと言えば嘘になる。
しかしそれ以上に毎年問題なのは、北斗星の寝台券なのだった。なにしろこの北斗星、予約開始とほぼ同時に指定券が売り切れるみたいなのである。10年以上前には北斗星大作戦と称して、こっそり仕事を抜け出して飯田橋駅に10時に並んだこともあったが、それでも北斗星の寝台券は発売当日には買えなかった。
いくら人気列車とはいえこれはおかしい。一説によると旅行会社の団体ツアー枠で多めに切符が抑えられているようで、その証拠に旅行会社枠が放出される乗車2週間前になると、突然寝台のキャンセルが出回り始めるので、この説は信憑性が高い。
何が何でも北斗星に乗車しないといけないワタクシとしては、毎年キャンセル待ちを併用しつつ、出発1ヶ月前から毎日のようにみどりの窓口でキャンセル券探しを続ける「北斗星の日々」が続くのだった。
これに加え、帰りの急行はまなすカーペット車は、これまた発売後数時間ぐらいで売り切れてしまう人気列車なのである。まあこっちは最悪の最悪自由席もあるが、とにかく北海道出発前は往復の列車が決まるまで落ち着かない日々が続き、ここ数年いい加減嫌気が差していたのである。
一方、以前は手荷物取り扱いが不安だった飛行機輪行が、最近けっこう安心できるという話をよく聞くようになった。そこで時間を調べてみると、最終便で羽田発20時半、千歳着が22時。
いいじゃないですか。
しかしながら飛行機の最大のネックはその値段だった。ところが、馬鹿高いシーズン中の航空券が半額になる株主優待券を突如2枚も入手でき、一気にこの問題がクリアされてしまった。○○様、もう2度と足を向けて寝られません。
となると後は飛行機輪行だけ。識者によると国内便を使う限り全然安心らしいが、とりあえず対策として、いつも使っている門岡式輪行袋に、変速機・フォーク先端辺り等と運搬時に掴むリムの辺りの印をマジックで書き込み、航空機対応ということにした。
いよいよ出発当日。朝から気温が高く、4サイド状態での回送を兼ねた自転車通勤で早くもふらふらになってしまったが、まあ何とか業務は定時に終えることができた。
例によってひたすらさりげなさを装って会社を出発。いつもは東京駅までこのまま自走なのだが、飯田橋→日本橋→羽田空港と地下鉄&京急を使う今回、輪行ポイントは飯田橋、JRを挟んで会社の反対側の東西線口である。再開発地区の地下鉄出口は広く、時々地下から冷房の効いた少しは涼しい風が吹いてきて、まあまあ快適だ。
今まで何回かのバス輪行で、袋を開けたらボルトが折れていたりタイヤが裂けていたりした経験があったので、今回は飛行機輪行に備えて緊結マジックベルトを3本から6本に増加。ハンドルも動かないように両ホイールからベルト固定してしまう。
羽田空港の手荷物手続きでは、輪行袋を見た係員の方が即「自転車ですね」。なかなか手慣れている。手渡し運搬をお願いして横倒し運搬に了承、免責証にサインするのも、その後の搭乗ゲートのチェックでSPD靴が反応するのも噂通り。
運搬状態を案じていた自転車輪行だが、新千歳空港の手荷物受け取り口では変速機辺りが梱包用のプチプチビニールシートで覆われた状態で自転車が運ばれてきた。これなら余程バス輪行の方が危険である。
一方、千歳到着は15分遅れ。なかなか始まらない手荷物渡しに気を揉んだが、荷物を全部受け取った時点で22:25過ぎ。そのまま表示に従ってJRのホームへ、22:31発の電車乗車は22:30、最後まで気を揉んだ。
南千歳での乗り換えは順調に済み、いつも帰りに使う急行はまなすに乗車。毎年急行はまなすと言えばもう夏の旅行が終わる名残惜しさの印象があり、何だかちょっと奇妙な感じだ。
というわけで、初めての飛行機輪行は無事終わった。考え直してみると、何も千歳着千歳発でなくても良かったような気もする。たとえば何も会社が終わったら出発というのではなく、余裕を持って休暇初日朝出発、とかち帯広空降着とか、旭川空降着なんかでも良かった。
とはいえ、今回はしばらく訪れていない日高の山寄りの道を最初に走れる、静内始発を選んだのだ。23時過ぎ苫小牧着、翌朝始発で移動という、やや慌ただしいパターンだが、北斗星アクセスだと、静内12時過ぎ着になってしまう。初日早い時間の静内発には、前の晩千歳着が必須なのである。
記 2006/8/27