田麦→(県道78)石黒→(国道353・市道)野田 |
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7時半前から中庭で、餅つきが始まった。つき手は宿の方主体、手慣れたもので見る見るうちにつき上がったその餅に、餡が付いたりお雑煮にしたりして朝食である。この餅がまた腰があって味と香りが濃厚で、とても美味しい。ついつい食べ過ぎてしまった。
昨日は黒姫山と米山の間を通って直江津側からぐるっと回り込むコースだったが、今日は更に北側、米山北側から直江津側を回る予定だ。途中では道が地図では微妙に切れていたりするが、時間的にはけっこう余裕があるので、最悪日本海沿いの国道8号線で腹を括れば何とかなる。嫌なら、信越本線もある。
このコースのため、初めは柏崎方面へ北上することになる。が、地図によると「冬季通行止」の桜坂峠の状況を宿の方に訪ねると、やはり通行止め、柏崎方面へは国道353を使う必要があるとのこと。国道353は基本的に自転車ツーリング向き細道くねくね国道だが、柏崎への小岩トンネル周辺で急に幅広近代的国道になってしまうのである。その小岩トンネル周辺を通らないと、今日のコースは成り立たない。
でもまあ桜坂峠が通行止めなら仕方無いのである。
お雑煮をしっかり食べて何と無くうだうだしていて、あっという間に出発が8:50になってしまった。でも言い訳するなら、朝けっこう寒かったので、様子見していたという事情はあった。それに空全体に高くて薄いが落ち着いた雲があり、どうしても昨日の激晴れと比べてしまう。
前述のように桜坂峠がだめなので、去年の6月にここ庄屋の家に辿り着いたのと逆コース、県道78で嶺から石黒で国道353に入るとする。
庄屋の家のある田麦と続きの竹平を抜けると、道は一度谷間へ勢い良く下る。どうせ嶺は同じぐらいの高さの場所なのだが、道はどうしてもこうなってしまうのである。
ところが、だいぶ下った辺りで路上にバリケードが立っていた。崩落復旧工事とのことである。そんな話は聞いていなかったぞ。
工事期間は3月から5月末ぐらいだったか、そう大したことはないと思ってそのまま進む。しかし崩落箇所では、道が3〜40mぐらいの範囲で斜面とともにすかっと丸ごと崩れていた。一瞬無理かと思ったが、徒歩で偵察。崩落区間は短くないが、崩れた部分と路面との落差を大量の崩落土砂が埋めていて、その崩落土砂の表面も担ぎ歩きには支障無いことがわかった。
というわけで、結局そのまま通過できたが、出発早々これである。なかなか油断できない。
棚田、畑、そして農家が斜面の森に点在する嶺へは、なかなか厳しい登り返しだ。集落だろうが何だろうがぐいぐい登りが続く。登り詰めた集落の中から始まる石黒への下りもなかなか厳しい。
県道78と国道353が交差する石黒は谷間の集落だ。去年の6月は、すっかり茂った緑の中にぽつぽつ見える民家の深い屋根が印象的だった。今回はまだそこまで緑は茂っていない。石黒でもうひとつ印象的だったのは、松代方面からやってきたくねくね細道の国道353が、谷底の県道78との合流点で急に幅広になることだった。今日はその幅広方向へ進む。
9:45、小岩トンネルを抜けると、その先はなだらかな低山が行く手へと下っていた。東頚城丘陵で見られる山深さというより、昨日小広峠や久米で見たような広々とした雰囲気がそこにはあった。
下った女谷で、その雰囲気は次第に顕著になる。位置的には昨日の久米や野田より遡っているので、もう少し山が迫ってはいる。が、どういうわけかどこか広々とした雰囲気は、思いがけないものだ。
この先は更に下って昨日に引き続き野田に出るわけだが、目を付けていた鵜川沿いの細道が去年の台風で崩落中とのこと。黒姫山の山腹の集落、清水谷を見上げるのが楽しみだったが、ここは大人しく国道353を進む。
女谷の下手はほんの少しだけ縁がせり上がり、中山峠ということになっている。その向こうは野田まで標高差160mぐらいの下りになっていて、そこを下るとようやく田起しの風景が復活する。
野田の盆地の外周道路のような細道沿いでは、田起しが真っ盛り。家族総出の田圃もある。下ってきたためか天気もようやく晴れだし、楽しい田舎道が続く。
その外周道路から昨日の県道25を渡ると、県道257が始まる。交差点付近では、昨日と同じように除雪重機の音が聞こえてきた。まだまだ何日間かは除雪が続くだろう。
記 2005.5/23