頸城の春05
#1-3
2005.5/4
村松→田麦

小村峠から黒岩・大出口経由で尾神岳林道へ 赤は本日の経路

村松→(県道17・町道)安出→(県道226)下大谷→(国道290)滝谷
→(町道)如法寺→(県道212・8・107他)帯折→(町道・県道337)坂井町
→(県道498)中之島→(県道20)中野→(国道403)新保
→(県道69・166他)福田町→(国道404・他)相野原(以上#1)
→(県道25)西野入→(町道・国道252)与板→(県道25)黒岩
(以上#2)
→(県道524)旭平→(林道・尾神岳林道)尾神峠
→(尾神岳林道)尾神→(県道78・林道)川谷→(県道13・林道)田麦
153km

柏崎市払川 小村峠にて 残雪と新緑の峠道 RICOH GR1 GR28mm1:2.8 CTS200

 寂れた黒岩の集落には、手持ちの5万図には出ていない「黒岩貯水池」とキャンプ場があった。ここから県道524で旭平を経由、尾神岳林道から桜坂峠下に出て、今日の宿がある田麦へ向かうとする。

黒岩から登り返し すぐに拡がる丘陵の展望 ぐいぐい登る道

 森、棚田、集落の中に坂道が続く。田圃は掘り起こしが始まったり、水が張られていたりという段階。森も集落も道ばたも新緑が溢れていた。

きりっと涼しい日陰 眩しい日なた 細道くねくね

 その新緑は、赤くなり始めた横からの太陽光線で、輝くような透けるような独特の明るい色に照らされている。この季節に訪れてほんとに良かったと思った。

畑、森の中を抜ける道 旭平から大出口へ

 旭平から先、手持ちの5万図では坪野方面への道が、大出口という場所で何百mか切れている。ツーリングマップルにはこんな細い道自体出ていない。両側を隔てるのはわずか何百mかの田圃のようで、もうだいぶ前からここが抜けられない訳は無いと考えていた。が、実際にはどうだか。

大出口キャンプ場脇をあっさり通過 棚田広々

 今回はそこを抜けないとコースがつながらない。まああまり心配はしていなかったが、案の定ちょっと新しめの舗装道路でいつの間にか通り抜けることができた。あまつさえ、その大出口にはキャンプ場までできている。

開けた台地上を進む しばらく平坦 カタクリ発見 カタクリ カタクリがいっぱい 菊の一種?

 その大出口先から、尾神岳林道への登りが始まった。

尾神岳キャンプ場脇を通過 いよいよ本格的登り 旭平から尾神・川谷経由で田麦へ 赤は本日の経路
信越国境の山々一望

 キャンプ場の脇を通過して、細かいピッチのつづら折れでぐいぐい登ってゆく道からは、東頸城丘陵、その向こうのまだ雪に覆われた信越国境の山々が一望できる。

見晴らし良好の林道

西に目を向けると、丘陵の棚田の水が夕日を反射してまぶしい。その向こうには上越平野の田圃が、さらにその向こうのの日本海も、やはり夕日を反射していた。

新緑の木洩れ日きらきら つづら折れの度にどんどん眺めが良くなる

 その見晴らしは思わず足が停まる程だ。が、再び進んで細かいつづら折れを登ると、さっきより高いアングルからの風景が拡がるのだ。その都度思わず立ち止まって写真を撮ってしまう。

またもや雪登場 ちょっと不安に 重なる山々 遠くの田圃が霞の中できらきら

 今までの登りでは時々車が通ったので、行く手の通行は心配していなかった。しかし、それらの車は峠の手前にはレストハウスへの道から出たり入ったりしているようである。その分岐から急に雪が増えだし、すぐに16:40、尾神峠(?)着。
 峠で回り込んだ道の向こう、北側斜面には、さっきの小広峠を遙かに越えそうな雪が、こってりと積もっていた。しかし、ちょっと徒歩で偵察すると、その向こうに舗装がちらっと見えた。ここも突破だ、と思った。

峠部分手前の展望 緑鮮やか レストハウスを過ぎて急に雪が増えた 峠の向こうは雪がこってり

 急斜面を巻いて下る道に積もった雪の表面は、滑落しそうな急斜面になっている。用心しながらゆっくり危険個所を通過し終え、安心して舗装路を走り出す。
 しかし、回り込んだカーブの陰には、やはり高さ2m以上の残雪が溜まっていたのである。その地点からは下の方の道が見えていたが、今までと違ってこちら側は全く除雪されていない。かなり下まで雪が溜まっている。
 今撤退するしかない。

雪面を担ぎでとぼとぼ 滑りそう 泣きそうに不安 下り始める でも数秒後に撤退決定 再び逆戻り 登ってきた道を戻る

 もう一度自転車を担いで、さっきの怖い箇所をもう一度おっかなびっくりで通過。無事無雪地帯に辿り着き、今まで登ってきたつづら折れを再び下る。さっき見下ろした素晴らしい展望は、短い間に更に真っ赤な光に照らされ、青いシルエットに変わりつつあった。下りだけだからではなく、初夏を思わせるようだった太陽光線が弱くなり、気温も急に下がっていた。辺りにたっぷり溜まった残雪が納得できるぐらいに。

下りは逆光 あっという間に高度が下がる キャンプ場通過 丘陵に降りてきた 尾上 そろそろ辺りが真っ赤っか

 17:00尾神着。農家の方に道を尋ねるが、この先桜坂峠下の川谷へショートカットする単線の道は、去年崩落復旧工事を行っていたようだ。今も自動車だと間違いなく通行止めらしい。
「歩きだと…、うーん、わかんないねえ。でも行けたような気がする」
とのこと。ここが行けないとなると、一度以前訪れた山直海まで降りて、再び丘陵に登り返す必要がある。でもまあ、まだここをまっすぐ行って川谷方面を試すぐらいの時間はあるだろう。

小村峠から大出口・川谷経由で田麦へ 赤は本日の経路 道を聞いたとおりに集落の中へ足を進める
再び山へ 登りが始まる

 集落の奥、田圃の中で道は幅2m程になり、田圃が切れてしばらく斜面に張り付いてくねくねした後、真新しい舗装区間を通過。多分ここがその崩落箇所かもしれない。
 そのままその先で道はダートになり、地図には出ていない素堀風トンネル、その入口がぎりぎり埋まりそうなぐらいの雪塊を通過。森の中から再び田圃には出て、もはや全然地図通りじゃない道の形と、しばらく続いたコンクリート舗装に不安になり始めた辺りで、再び舗装が復活。

ぐっと細くなる道 ここが崩落箇所? 峠部分の素掘りトンネル 入口が雪に覆われかけて通行不能寸前
ダート開始 トンネル通過 通れて良かった…

 ここで地図を確認。周囲の地形はどうやら希望通りである。道、集落、しかるべき場所にしかるべき物がある。途中の経路が変わってはいたが、地図通りに進めていたようだ。

田圃の中のコンクリート舗装 地図を見ながら辺りをきょろきょろ

 川谷から先は去年の「頸城の初夏04」で通った道だが、季節と時間が違う。弱くなり始めた太陽光線ではあるが、それでも赤みを含んだ日差しに新緑の色がよく映える。

川谷 県道13へ ぐいぐい登る 見下ろす谷底には雪がこってり
水が入った田圃が夕方の空を映す 川谷

 もう先が知れた道に、集落・棚田・激坂・棚田と頸城の風景が次から次へと現れる。山間の日陰には、今までにも増して雪がこってり残っていた。

登り返しの最高地点 赤い光で新緑が鮮やか

 だいぶ下った板山への分岐、登って行く道は完全に雪に埋まってしまっていた。あの集落ももう完全に廃村化してしまったのか。

ちょっとニューサイ写真 板山の分岐へ下る 田麦へのショートカット林道

 盛り沢山な一日ではあったが、とりあえず目標ぎりぎりの18:05、「庄屋の家」着。山のお宿は、ツーリング気分まっただ中でいきなり荷物を下ろせるのがとても楽しい気分だ。
 空気はますます冷えてしまっていた。大きな杉が見事な中庭の先の元校庭部分も、裏手の谷間に落ち込む窪地にも、こってりと雪が溜まっている。「積雪1m」をもはや何の問題もなく受け入れられた。

田麦 そこかしこに雪だらけ 庄屋の家到着 雪がたっぷりの校庭 夕方になって休息に冷えつつある

 規定の料金にプラスしてもらった夕食は、旬の山菜主体。今日は地元のお年寄りの団体が泊まっていたためか、真っ赤な古代米入りのもご飯も食べることができた。

記 2005.5/16

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Last Update 2006.2/17
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