北海道Tour05 #1-2 2005.8/13 |
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(以上#1) |
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森の中の1本道から、カラマツ林の坂を少し登り、周囲が開けて北落合に到着。
去年も訪れた畑で少し撮影する。いかにも絵葉書写真ではあるが、畑の中の木にカラマツの並木はいつ見ても絵になるので、毎回ここで写真を撮ってしまう。前回カルビーポテトの契約栽培を行っていた畑は、今回は元のニンジン畑に戻っていた。こっちの方が見慣れた雰囲気だ。
空には多めの雲が速く動いている。畑に陽が差しつつ、青空が画面に入って絵になるタイミングがなかなか難しい。まあ以前に撮ったのと同じ写真を撮っても仕方無いのではあるが。
一通り写真を撮るとまあ順当に時間が過ぎていて、あっと言う間に17時過ぎだ。ここは早めに、北落合最高地点へ向かおう。
約4km、標高差約100m強の道程の間、農免農道の周囲には緩やかな丘が続く。ソバ畑や・トウキビ・ジャガイモ等様々な畑、カラマツ防風林が描く大きなグリッド、所々に点在する森と農家、そろそろ景色に赤味が増し、コントラストが淡くなってきた。
一方、盆地外側には、大雪山系〜十勝・日高の山々が、外輪山みたいにくっきり見え始めていた。ここへ来て空もかなり晴れてきたようだ。
やがて牧草地が終わって森へ続く山裾のダートとのT字路で、農道は行き止まりになる。最高地点到着だ。
自転車を停めて今まで登ってきた農道側を、しばらく見下ろすことにする。
さっきは多少出ていた雲もあらかたどこかへ行ってしまい、もはや背面の山に残るだけだ。緩やかに下って行く斜面には牧草地が拡がり、その中を今来た農道が下って行く。拡がる牧草地の縁には森が、さらに盆地の外周を山々が取り巻いているのがよく見渡せる。
夕方の日差しの中で、澄んだ空気、涼しい風の中に拡がった景色のニュアンスが、日なたは更に赤っぽく、影は更に青っぽく、刻一刻と変わりつつあった。もうそういう時間帯なのだ。ふと時計を見ると17:50。いい加減身体も冷えてきた。そろそろ宿へ向かおう。
薄暗くなりつつあったが、落合までは下りのみ。
行きにかかった時間が嘘みたいに、今まで眺めてきた景色の中を次々と逆走してゆく。
さっきとはライティングと印象が変わった風景をまた写真に撮り撮り、北落合の集落を抜け、一目散に落合へ。
18:10、落合「秋田屋旅館」着。国道38と落合駅からの1本道の角にある、その辺の民家のような佇まいの宿だ。
存在自体は初自転車ツーリングの86年から知っていた。いや、落合を通る度にちらちら眺めてはいたのだ。
その秋田屋旅館の実態は、いかにも昔ながらのごく普通の山間の旅館という感じだが、室内が清潔なので安心して落ち着ける。
何よりHPのうたい文句通りに食事が充実しているのが嬉しい。例によってお櫃ダイレクトで一気にすべての皿を平らげると、ちょっと苦しいぐらいに満腹だ。腹ごなしにちょっと表に出てみると、いかにも山間らしい小さな落合の集落の向こうの方で、花火で遊んでいる家族連れがいた。8月も中旬、草むらの虫の声にも夏から秋への雰囲気が漂っている。
夜風は決して暑いという感じではないが、期待したほど涼しくない。ちょっとぶらっとして酒屋が閉まっているのを確認、自販機で買った缶飲料を一気飲みし、あとは宿のデフォルトビールを頼むことにした。
記 2005.8/30