落合→(国道38)しらはぎ→(市道)くろまつ |
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夜明けの空気はさすがに昨夜より涼しい。それでもTシャツ1枚で大丈夫なのは、さすがに北海道も中程のこのエリアではある。
6:05、落合「秋田屋旅館」発。まだ6時だからなのか、国道38には車が少ない。これなら十分許容範囲内である。
谷間が少し拡がって幾寅を通過、町中で直角に折れ曲がった国道38は、そのまま樹海峠へ登り始める。名前こそ峠だが、たかだか標高差100m程度。順当にそのまま通過して、峠のすぐ向こう、十勝岳へ続く大樹海を少し眺めた。
十勝岳には裾野から上に雲がべったり張り付いていた。この先、麓郷から十勝岳の眺めが楽しみだったが、この分だと今日は望み薄だろう。
しらはぎという可愛らしい名前の集落から町道へ入り込み、くろまつというやはり可愛らしい名前の集落で麓郷への道道253へ。
牧草地の牧草ロールや拡がる畑など、北海道らしい景色ののんびりと静かな道が楽しい。
少し登って下って麓郷の盆地に着くと、何だか周囲には見覚えがある。地図をよく見直すと、既知の西瓜峠への道と合流したのだった。
畑の向こう、十勝岳・大麓山の雲は、さっき樹海峠から見たときより晴れている。まだまだ上の方が雲に隠れてはいるが、濃緑の裾野がどかっと見えていて、何とも力強い。いつも麓郷周辺で楽しみな麓の風景を、今日も少しは楽しめている。
8:10、麓郷着。
「北の国から」でお馴染みの交差点で少し休憩。交差点近くには、同じくドラマでお馴染み「中畑木材」の建物がある。本当の名前の「麓郷木材株式会社」という看板も掛かってはいるが、もうひとつ「中畑木材株式会社」の看板がドラマそのまま、むしろそっちの方が目立っていて、思わず笑ってしまう。観光客が記念写真を撮りやすいように木製のしっかりした椅子が置いてあり、倉本聰のコメントまで焼き付けられているのが、またサービス満点だ。
ここから道は再び登り基調だ。いつものパターンであまり変わり映えしないが、のろのろ野菜畑の中から、割れかけた商店の看板が何とも鄙びた布礼別、そして十勝岳の一番山寄り1本道、ベベルイ基線へと向かう。
天気はさっきより更に晴れ、何とか大麓山ぐらいは姿を現していた。自衛隊演習場と八幡丘、森と畑の接線の1本道は、カラマツの森と眼下に下って行く丘の風景がしょっちゅう入れ替わる。途中のダート区間は未だにそのまま残っていた。北海道らしい頭上の開けた幅広ダートは、開放的な表情だ。
最高地点の先から、すぐに周囲が開けた。ベベルイ基線のハイライト区間だ。緩い下り斜面に拡がる畑、ちょっと傾いて立つポプラの木、そして十勝岳の山裾が非常に独特の雰囲気を作っていて、今回もちょっとここで足を停める。
何だかなかなか進まないが、この辺りの景色が好きなので仕方ない。何しろやっと北海道に来れているのだ。
ここを過ぎると、もう後は富良野盆地まで一直線に下るだけだ。緩い下りだが、正面に開けた盆地がぐんぐん迫ってくるのと、一直線に盆地の向こう側まで続いてゆく道が、とても迫力がある。
下りきってしまえばそこは富良野盆地の片田舎、そう暑くないがさっきより気温も上がり、田圃と畑の中をてれてれ上富良野の町へ。
記 2005.12/26