北海道Tour04 #3
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最後の水を一気に飲み干し、そのまま下り始める。目に付いた農家で水をいただき、次の予定の縫別から道東二期林道を目指すことにした。
しかし、いい加減そろそろ残り時間が少ない。残る道東二期林道は途中に舗装同道を挟んで約20km、山を登って下ってが2回。順調に進めたとして約2時間。更にその後鶴居から先、100m前後のアップダウンが2回ある。果たして今の自分にこれを予定の時間通りこなせるか、かなり疑問である。ましてやメカトラだってあるかもしれないのだ。
国道392は時々9%の勾配があったり、意味のない豪快なアップダウンがあったり、妙にのんびりした雰囲気があったり、交通量もあまり国道らしくない道だ。それもそのはず、私の持っている古い1/5万図では、まだ国道になっていない。前回通った1999年にはすでに国道だったが、道路管理者によって道路の交通量がすぐに変わるということもないのだろう。
そのちょっとした坂でも、驚くほど足が回らない。明らかに道東スーパー林道での疲れが出ている。
15:10、縫別着。
国道392から道東二期林道への分岐はのどかそうな道だ。行く手のダートが無ければ、この道に入ってみたいと思わせる雰囲気ではある。しかし、自分で考えていたタイムリミットの14時を大きく過ぎている今、新たなダートに踏み込むのは危険かもしれない。
このまま白糠まで下れば、かなり大回りではあるが、舗装路主体で時間の予測の付く道程になる。少なくともナイトランにはならないだろう。ちょっと悩んで地図を見比べて、今回は白糠経由で行くことに決めた。
下るとともに唐突な丘陵アップダウンは姿を消し、平たい谷間の田圃の中を進むようになった。途中の補給休憩で足を停めると、まだ29℃ぐらいはあるようだったが、その暑さも海岸線に近づくと次第に気温が下がり始め、白糠の市街に入ると明らかにがくっと気温が下がった。この辺りの夏の気温の特徴だろう。
16:25、白糠着。今日初めて予定通りの行動ができた。これで多少気が緩んで、休憩についつい長居してしまう。
16:50、白糠発。国道38は海岸線の幹線国道で、交通量も、また大型車もかなり多い。涼しい空気の中、自動車が作る追い風に乗って走れるのだが、天気は何だかぼんやりした曇りである。すぐ近くの海も、空も陸も灰色一色の印象がある。これは前回通ったときも、平行する列車から眺める車窓風景の印象も、いつも同じだ。
庶路で国道38と別れ、道道65で釧路空港脇のアップダウンを通過し、釧路湿原から続く低地を過ぎる頃には、周囲はすっかり夕方の雰囲気に包まれ始めていた。
あと10kmぐらいと思って、もうごまかせない足の疲れと闘いつつ、鶴居南部の丘陵に入る。と、ぼんやりと薄暗くなってゆく夕暮れの釧路湿原、左側には夕焼けの雲がところどころで見渡せた。
明日もきっと晴れて暑いだろう。疲れてしょぼくれている場合ではないのだ。
次第に暗くなる中、台地のアップダウンが終わり、下幌呂の今日の宿「宿坊まきごや」には19:05着。
この宿は道道53脇のログハウスレストランの2階をパーティションで区切って宿にしている。天井部分に敷居がないので完全な個室ではないが、丁寧で清潔なベッドメイクを始め、洋食主体のボリュームある美味しい食事と、安心してくつろげる宿だった。是非また利用したい。
道東のこの辺りだと、道央や十勝よりかなり気温は低いはずだと思い、3日間日に焼けてひりひりじわじわと常に熱くなっている肌を冷ましに外へ出てみた。するとしかしまあまあ涼しいぐらいで、またもや当てが外れてしまった。温度の低さよりも、立ち込める霧が周囲をしっとり濡らしていて、星も全く見えない。手持ち無沙汰で宿に帰ると、宿の中がむっと暑いのも、今回毎度のパターンである。
記 2004/8/21
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