北海道Tour04 #3
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2つめの峠を越え木々の中を下ると、谷底のチャンベツ林道とヌプキベツ川を横断。すぐにまた登り返しとなった。
すでに8時を過ぎ、気が付くとどうしようもなく暑くなってきている。ここまで水を飲まずに来たが、留真温泉で仕入れた500mlのうちの1本にここで手を付けることにした。気温が高くなって急に身体が水を欲しがりだしていた。貴重な水分、500mlのうち1/3ぐらいが一気に無くなった。
谷間の川は、どれもなかなか透明度が高く見るからに冷たそうで、川の水を飲めないのがつらい。北海道では寄生虫エキノコックス感染の恐れから、生水は飲んではいけないのだ。
ナリカズノ沢、イツカンベツ川と、山の中に谷と峠が連続する。陽射しは強いが、幸いにして太陽に照りつけられて干上がるような道ではないのが助かる。それでも朝6時頃とは打って変わってぐんぐん上がる気温と際限無いアップダウンで、水はどんどん減っていった。最初は3lも持ってくればまず大丈夫だろう、と考えていたが、今となっては水の残量が心強い。大丈夫、まだ全水量の1/3も使っていないのだ、と自分で自分を安心させ、気持ちを落ち着ける。焦っても気持ちが疲れるだけだ。
それに稜線近くと谷間では、涼しい風がそろそろ汗が吹き出しはじめた身体を冷ましてくれた。
良好だったはずの道は、イツカンベツ川辺りから次第にタイヤサイドを切りそうな鋭く細く砕けた岩の多い道に変わっていた。細かい岩でグリップが悪く、タイヤもずるずる空転し始める。仕方無いので、登りのところどころで押しが入る。
道には所々で落石や落砂が溜まり、有効幅がかなり狭くなっている。自動車通行止めの理由を実感した。路肩補修の跡も多くみられ、雨の多い年の崩落状況が想像される。
小刻みなアップダウン、狭い谷間につくづく思うが、同じ北海道のスーパー林道とはいえ、2年前に行った道北スーパー林道とは全く表情は異なる道だ。鬱蒼とした森、川沿いから峠越えに変わる道、ある意味内地的な林道である。
でも、去年聞いたように「来てがっかりする」ような道では決してない。天気がいいこともあるが、森の輝き、川の透明度、間違いなく北海道そのものである。
山深さもさることながら、肉や皮がこびりついてまだ湿っている鹿の骨が、時々道の真ん中に転がっている。また、かつて見たことがない形の動物の糞もみられ、改めて自分がかなり危険な場所にいることを思い出させられる。
ポンオンベツ沢に降りると、道はしばらく谷底を沢に沿って下る。
道は通行止めのゲートの外へ。最初は森の中、その後高いカラマツの1本道に続く。足下の幹に枝が無く、頭上が高いカラマツに、この林道に足を踏み入れて初めての開放感を感じる。
やがて10:00、小音別林道(アイヌ語で「ポン」は小、ポンオンベツと読む)との分岐に出た。とりあえず林道区間の2/3弱か3/5ぐらいが終わったことになる。
ここまで100mぐらいの峠であっても、登り道には細かい岩屑が多い。押しの区間はどんどん増えていた。このため、予想よりも時間が掛かっている。最初は12時ぐらいには林道を出るはずだったが、この分だと13時台は覚悟した方がいいかもしれない。
記 2004/8/21
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