浜頓別
ウソタン
中頓別
小頓別
歌登
上徳志別
乙忠部
幌内
上幌内
仁宇布
美深
びふか温泉
びふか温泉→(国道40)美深
→(道道49)上幌内
→(道道60)幌内
→(国道238)乙忠部
→(道道1023)上徳志別
→(道道120)歌登→(道道12)小頓別
→(国道275)下頓別
→(道道586)ウソタン→(農道)浜頓別
186km
昨日までの激晴れが嘘みたいな、ちょっとしつこい感じの厚そうな雲が空を覆っている。
今朝は朝食を食べてから出かけることにしていた。昨日美深まで来ていたので、国道275で直接行けば今日の浜頓別までの行程は楽勝のはずだ。とはいえ、それではあまりに芸が無さ過ぎる。でも、今日は基本的に適当に手を抜くことにした。美深から内陸部の仁宇布へ向かい、その後は幌内でオホーツク街道へ出て、乙忠部で再び内陸部へ向かい、歌登・中頓別と経由して浜頓別へ向かうことにする。
7:45、びふか温泉発。
公営の宿「びふか温泉」は、「道の駅びふか」と「森林公園美深アイランド」に併設となっている。夜走っているときには、町からは10kmも離して、なんて大げさな名前を付けるんだ、と思っていた。また、昨夜の到着時には、道の駅の裏側へ回り込んで変な橋を渡って、何かしち面倒臭いことするなあ、と思っていた。ところが、出発時にすべてがわかった。天塩川の中州をそのまま公園・キャンプ場・温泉宿泊施設とし、国道側に道の駅を作っているのだ。なかなかしゃれたロケーションで、町からこんなに離れているのも納得。
道の駅にはライトアップされたモニュメントがあったが、モニュメントや駐車場に大型のガの多いこと。特にモニュメントなど、白いガがびっしり止まっている。駐車場の路面も、ガの死骸でびっしり埋まっていた。異常発生ではないか。
美深の町に着いても、夜に町の灯りをめがけて飛んでくるのか、路面は大型のガで一杯だった。
8:40、美深発。ちょっと疲れ気味なのか、なかなかペースが上がらない。
美深の外れの谷をしばらく遡る。笹と広葉樹林に挟まれた谷間がしばらく続く。所々旧国鉄美幸線のコンクリート橋や、線路跡らしい笹の広がりが見えた。美幸線というのはこんな所を走っていたのだ、と思った。基本的に谷が開けないので、乗客は恐らく数少ない仁宇布の人しかいなかったのではないか。これでは日本一の赤字なはずだ。
やがて笹原の中に美幸線の線路が残っているのが見えた。と、突然草刈り機のようなエンジン音を響かせ、線路を美幸線のトロッコが走っていった。トロッコはしばらく間隔を置いてもう2台通過した。今日はトロッコを運転しているのか。ぱっと見30km/hで通り過ぎるトロッコのお客さんは、喜々として爽快そのものという表情だ。美深の有志の方で運行されているというトロッコもなかなか賑わっているようで、何か嬉しい。
間もなく狭い谷の正面の山が開け、仁宇布の盆地に着いた。
去年も来た仁宇布はやはり去年と同じようにとても静かな場所だ。盆地の中心に道道の交差点があり、その交差点を囲む牧草地の緑、木々の葉の緑、道路脇のシラカバの幹が美しい。客がみんなトロッコに乗って行ってしまって、トロッコ乗り場も静かだ。
仁宇布から美深松山峠を越え、上幌内からは開けた谷間を道道60号でオホーツク沿いの幌内へ向かう。沿道は深刻な過疎化が進んでいるようで、谷間に畑と草地がごっちゃになっており、元集落のような場所はゴーストタウン化していた。
雄武の町営牧場を過ぎると、牧草地の向こうにオホーツク海が拡がった。
11:40、幌内通過。そのまま国道238、通称オホーツク街道を乙忠部まで北上する。過去2回通ったときには冬の曇り空のようにどんよりと暗く風が強く、ひたすら暗く寒い印象だったこの国道238の雄武・枝幸の区間だが、今日は同じ曇りでもどこか爽やかで、雲の間には青空まで見える。追い風に乗ることもできてなかなか快調なオホーツク街道だった。
砂浜の海岸、岸の牧草地・林、時々現れるわずかなアップダウンと、オホーツク街道独特の荒涼とした景色の中を進み、12:20、乙忠部着。
記憶通りやっぱりあったセイコーマートで昼食後、12:50、乙忠部発。今度は再び内陸部の上徳志別を目指す。去年通って最高に雰囲気が良かった道道120を逆走し、中頓別を目指すのだ。
限りなく丘に近い峠を越えると、低い山に挟まれた小さな谷間に牧草地やシラカバ、笹地の丘が拡がる、道道120の谷である。今日の天気はオホーツク海側とはまた少し変わり、そう暗くはないが濃いめの雲が拡がっていた。風も海側では追い風だったのに、向かい風に悩まされ、下り基調なのになかなかペースが上がらない。
木々の切れ間や道路脇に、トンネル・橋梁・路盤など全部完成して、バラストさえ未だに残っている国鉄美幸線の未成線が時々見える。置き去りにされた未成線の傍ら、山の中の県道の再整備は進んでいるようで、去年見かけなかった道路工事が現行道路の脇で行われていた。よく見ると現行道路には無い除雪標識が、新道路には設けられている。除雪を考えるとよりカーブ・坂は緩く、ということになるのかもしれない。
14:30、歌登発。町外れの道道120の分岐に来てみると、何と道道120は地滑りで工事中とのこと。「バリケード設置」とまで明記してあり、つまり迂回は避けられないようだ。となると、無難に道道12→国道275を行くか、いっそのことまたオホーツク街道に出て、寒そうな枝幸の町経由で海岸線を北上するか。
優柔不断にちょっと悩んだが、道道12→国道275を行くことにした。国道275の小頓別から中頓別までは通ったことがないからである。
薄明るい曇り空の下、牧草地、森の代わる代わる現れる中を進む。向かい風が強くはないがなかなかしつこい。15:20、小頓別着。
国道275は丘のような低い山のような道北の丘陵地の谷を、頓別川沿いに下ってゆく。小頓別・上頓別・中頓別・下頓別・浜頓別・最後の海岸で頓別となる。川まで頓別川。牧草地と森と畑の中を進むと、北上するに連れ雲はどんどん厚くなり、突然高く突き出しているはずの敏音知岳などは、山の中腹から上が完全に雲に覆われていた。これでは周囲の低い山と同じにしか見えない。行く手に重なる遠くの方の山が見えるくらいに谷が広くなると、何だか山の姿が霞んでいる。特にガスっぽいわけでもないのだが、霧粒のような物も顔に感じるようになってきた。
浜頓別の手前で道道586へ向かった。去年のIWASHIさんの宿題、ウソタンからの牧場の風景を眺めるためだ。雲が厚く、遠景までは見えない。時間的には夕方なのだが、「夕陽の浜頓別」という感じではない。しかし、拡がる緑の牧草地、点在する木々、どこまでも続いて行く低い丘の風景は、どことなく「道北」というよりも「道北の北の方」を感じさせる。こうしてみると、オホーツク街道からの浜頓別の印象と、こよなく美しい牧草地の浜頓別の印象がよく重なってくる。
17:30、浜頓別着。寒い。気温は16・7℃位しか無さそうだ。
明日は連泊だ。キャリヤを外してサロベツ原野まで足を延ばすか、懸案の浜頓別丘巡りにするか。
記 2001.8/19
#9に進む #7に戻る 北海道Tour01indexに戻る 北海道Tour indexに戻る Topに戻る
Last Update 2004.1/1