浜佐呂間→(道道103)若佐
→(国道333)遠軽
→(道道137)鴻ノ舞
→(道道305)上藻別
→(道道553)旭
→(国道273)滝上
→(道道61)登和里
→(道道101)下川
→(国道239)名寄
→(道道939・252)智恵文
→(国道40)びふか温泉
251km
びふか温泉
美深
名寄
下川
岩尾内湖
上紋峠
滝上
旭
上藻別
上原峠
遠軽
旭峠
若佐
浜佐呂間
起きて窓の外を見ると、雲一つ無い空とサロマ湖の湖面が見えた。一目でわかる激晴れだ。でも、2年前のサロマ湖のようには暑くないのがありがたい。
今日は長丁場な上に峠も多く、多分今回の後半の山場である。早く出発しないと。その割にはのんびり荷造りをしてしまった。さあ出発、と思ったところで、何と後輪の空気が抜けている。スローパンクか?しかし、空気を入れるとどうってことなくすかすか入る。こういうのはチューブ交換後に時々あるので、あまり気にしないことにした。6:45、サロマ湖畔YH発。
オホーツクの国道を離れ、低い山の間の農地の中をしばらく進む。網走地方のこの辺は今道内で多分一番暑いのではないか。朝からぎらぎら照りつける太陽に周囲の風景も緑鮮やかだ。空の色も朝っぱらから濃い。
若佐から遠軽、鴻ノ舞までは、去年通った国道333と道道137を行く。国道333は、国道とはいえ、手持ちの1/5万ではまだ国道にはなっていないものもあり、そんなにメイン国道ではないのか、自動車は比較的少なくて、旭トンネル越えを落ち着いて走ることができる。ただし、安国から遠軽までの7km、幹線国道242との重複区間は別だ。
旭トンネルへの道の脇には、新しい広い国道が造られていた。現トンネルよりも更に低い位置にもっと長いトンネルを造るようだ。道路の路盤はあらかた完成しており、トンネルは舗装工事を待つだけのようだった。多分来年には新ルートになっているのだろう。まあ、現ルートも通っていてあまり面白くはない道なので、特に残念ということもない。
遠軽でも通信ができなかった。またツーレポがUPできない。もっとも、書いている方も毎日遅れ気味で、送れるネタは少ない。
駅前のタクシー会社でこの後の道路状況を訊ね、遠軽から先、去年はダートの白樺峠を通った鴻ノ舞からのルートを検討する。白樺峠をパスする県道137の新ルートはまだ当分開通しないらしい。丸瀬布からのダート込みの丸立峠、去年の白樺峠は多分満足度は高いのだろうが、いかんせん今日の盛り沢山の行程ではちょっと時間的に無理だ。また、特に準備不足というわけでもないのに何故かトラブル多発の今回、ダート峠越えは何となく不安だ。
そこで、比較的安易なようだが、一度上渚滑まで降りてから滝上へ向かう全舗装迂回ルートを決めた。
10:10、遠軽発。ちょっと休憩している間に日差しはますます厳しくなり、走っていると気が遠くなりそうだ。しかし、やはり国道より静かでのどかな道道137の雰囲気はいい。
上原峠は登りの途中からかなり幅の広い大型(?)道道となるが、時々木陰もあり、標高が上がると周囲の稜線を一望できる。
ほとんど忘れ去られたような鉱山がある鴻ノ舞から、一度少しオホーツク海方面に下り、低い山を一つ越えて旧国鉄渚骨線の谷の上渚骨に出る。ここから国道273で滝上へ。
滝上まであと数kmと言うところで再び前輪がパンク。原因は深刻なものではなく、路面の温度が上がったからか、昔修理した部分のゴムのりの食い付きが悪かった部分から急に空気が抜けたようだった。
13:50、滝上着。
タイムリミットだと思っていた「滝上13時台」ぎりぎりの到着である。ぎりぎりとはいえ、冷静に考えると、西興部経由の去年の逆走ルートで下川へ向かうのが適切と思われる。しかし、なんとなく行けそうだという下心に近い気持ちがあった。
条件は揃っていた。もう何が何でも90年以来11年振りの上紋峠に行くしかない。
14:15、滝上発。しばらく谷間の平野に農村が拡がる。海沿いから結構内陸へ入り込んでいるので、周囲の山はそう低いものではなくなっていた。わずかに登りが続く道の両側、畑主体の農地は丁寧に耕されているようだった。同じく丁寧に作られた農家や木造の集会所、小学校が時々現れる。やはり今までの国道に較べて道道の風景は静かだ。
太陽光線は無茶苦茶にキツく、日なたでは本当に気が遠くなる。日陰は本当に気温が低く、一気に意識が戻ってくるのだが。前回の90年は大雨に大風、嵐の上紋峠だったが、今回は灼熱地獄の上紋峠というところか。それでも15時を過ぎると、さすがに日差しも多少は弱まってきて、気が付くと谷間はもうすっかり狭くなり、いつの間にか平地が無くなって道路と1本の川だけになっていた。
谷間を道路と川だけで遡る状態は長く続いた。前回はただキツいという印象だけが残っていた。しかし、斜度は急な箇所で7%位、思っていたよりも緩く、いかにも北海道のだらだら峠だ。ただ、峠への異常に長い道のりは決して厳しくはないが、間違いなく体力の必要な峠である。
谷間の道から2度の折り返しで峠に着く。特に2回目に折り返してからがまた長いのだが、その頃にはもう涼しい風の中、周囲の山々の姿がよく見えるようになっていた。特に渚骨岳・天塩岳というのか、深い原生林に覆われた眼前の大きな力強い山の眺めが素晴らしい。山々が重なり合って遠くへ続くのを見て、たとえだらだらでも、時間が厳しくても、来て良かったと思った。
16:30、上紋峠着。
下りも比較的だらだらと長く、やがてダム湖の岩尾内湖が見えてきた。「何もこんなとこで登り返さなくても」というくらいに気持ち的にしんどい程度の登り返しもあったが、終端の岩尾内ダムでの静かで少し荒涼とした湖の眺めも、やはり素晴らしい。17:20、岩尾内湖発。
小さな峠を越えて下ってきた下川の盆地の向こう、それまでの網走・北見地方のちょっと太めの山の形とは違う、比較的すっきりとした姿の道北の山がそびえていた。空はもうすっかり夕方で、ヒバリやササキリが鳴く畑の向こう、周囲の丘陵の森がもうシルエットになっている。日中暑かったからか、草むらの乾いた草の匂いに、懐かしいような適度に涼しい風が気分がいい。
18:15、下川着。今日の宿まであと50km。もうじたばたしても始まらない。上紋峠が楽しかった分のツケとも言える。
それからは国道239・道道252・国道40と最短コースを取ったつもりだったが、50kmはそうはごまかせる訳がない。時々空を見上げると、国道とは言え雲の間の星が見事で、気持ちが落ち着く。
間違って1/5万「名寄」を小清水から家に送り返した荷物に入れてしまったようだった。仕方なくツーリングマップルだけ見て、最短コースのつもりで足を向けた名寄からの道道252には、智恵文まで小さな丘越えがあった。小さい丘越えではあったが、いきなり始まった山の中の細い坂道に加え、周りには灯りも無くて迷ったかどうか不安でしょうがなくなった。道を聞こうと時々通る自動車に手を挙げるが、誰も停まってくれない。泣きそうになって「はまってるなあ」とか考えていたが、やがて「道道名寄美深線」の標識と、「智恵文のひまわり畑」の看板が現れてひと安心。
国道40に合流してけっこういい調子で走っていたら、何だか頭がふらふらになってしまった。おびただしい大型のガが灯りに向かって飛び回る美深のセイコーマートで、ポカリスエットで気合いを入れる。あと10km。
結局、20:50びふか温泉着。2時間遅れの夕食がまだ食堂で待ってくれていた。
記 2001.8/18
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Last Update 2004.1/1