北海道Tour01 #9 2001.8/17 浜頓別

浜頓別→(道道84)ニタチナイ
→(農道)ポンニタチナイ
→(道道84・710)オビンナイ
→(農道)安別
→(道道710・北オホーツク自転車道)浅茅野
→(村道・北オホーツク自転車道)浜頓別
64km

浅茅野

安別

オビンナイ

88高地

浜頓別


 予定を決めないまま眠たくなって寝てしまった昨晩だったが、起きると外の空は変に厚ぼったい曇りだった。おまけにやたらと気温が低く、ちょっと外へ出てみると、震えるほど寒い。この段階でサロベツ遠征の気持ちは全くなくなっていた。それに、右膝の筋も何と無く疲れ痛いように思う。
 せっかくの浜頓別だし、今日はお休み日にしよう。何をするにしてもとりあえず近場だ。朝食時には雲はますます低くなり、町の外は白い霧に包まれているようでもある。幸い前の晩からIWASHIさんのニューサイ、宿の案内で予習してあったので、去年到達できなかった88高地に加え、44高地・クローバーの丘を経由しカムイト沼辺りまで行ってから、後はその時考えることにした。
 リヤキャリアを外しフロントのサイドバッグ枠を外すと、軽くなったのもあるが、心無しか自転車の走りはしなやかだ。9:45、トシカの宿発。

 まず、道道84号で西へ。予想通り町を出ると、霧は濃くなり、行く手の丘を包みだした。霧雨一歩手前という感じで、水滴すら顔に当たる。ニューサイと1/5万で当たりを付けた単線の農道に入る。天気が悪いのに、例によって悪者ゴマフアブが大量にやってくる。しかし、今日はこっちには虫除けがある。
 砂利の深い登りで自転車を押したりして、この辺が最高地点だろう、と思われる少し手前に牧草地の入口があった。

 丘の先端部に自転車を横倒しにし、誰もいない牧草地に座り込み、火器を店開きしてコーヒーやらインスタントラーメンやらを作る。しばらく丘からの風景を楽しむのだ。とはいえ、オホーツク海や丘の方、要するに遠景は霧で真っ白。町の辺すらあやしい。遠くの丘方面の視界が利かないので、手前の平地部分しか見えないのだが、でもまあ、この丘で、目の前の牧草地の柔らかい緑色を眺めながら、のんびりとぼうっとすることが、今日最大の目玉だ。
 丘の強めの風に当たりながら、いろいろ作ったりしばらくぼうっとしたり。その間、何と無く霧は薄くなってきて、町ぐらいははっきり見えるようにはなってきた。

 11:15、88高地発。ぐるっと回り込んで、44高地の下をかすめて「あの辺が多分そうなのかな」と眺めつつ、再び道道84号に合流。すかさず道道710から今度はクローバーの丘へ、狭めの舗装された農道をちょろっと登り、細い塔の建つ丘のてっぺんを目指す。
 牧草地を手前に挟んで、クッチャロ湖の小沼を眼前に眺めるクローバーの丘は、今日は誰もいない。整地されてブロックが敷いてある広場はこじんまりして居心地は悪くは無さそうだ。が、風も強く、白く光る湖面を少しの間眺めて、次は旧天北線沿いのカムイト沼へ。

 道道710に戻り、牧草地と林の連続する丘のアップダウンを北へ向かう。国道238と合流する手前、自転車と人の書いてある丸く青い標識が見えた。自転車道である。そういえば、旧天北線が自転車道として整備されたような話をどこかで読んでいたが、ここがどうもそのようだ。高い草むらで直接は見えないくらいに近くを通っているはずの国道238方面からは、時々大型トラックが高速で走るときの甲高い轟音が聞こえてくる。どう考えてもこっちの自転車道を通る方が良さそうだ。
 この「北オホーツク自転車道」は、看板によると、浜頓別を出発して、道の駅さるふつ手前の芦野までは開通しているようだ。鬼志別までは破線が書いてあった。線路のバラストを彷彿させる狭い幅で延々と深い原野の中、時々カーブやら気が付くと緩いアップダウンというくらいに淡々と進んでゆく。
 たまに現れる農道・村道・道道との交差部分には、進入防止フェンスと「熊出没注意」の看板がある。看板の内容は決して大げさではないと思えるくらい、国道のすぐ近くのはずの原野や森林は静かで深く、現に何度もキタキツネや茂みのがさがさいう音に出会った。

 

 自転車道で浅茅野のちょっと先まで折り返す。暗い空の下の静かなカムイト沼を少し眺めた。
 風も更に強くなり、何かますます寒くなってきた。気が向けばこのまま海岸沿いへ行ってもいいと思っていた。また、道の駅さるふつのソフトクリームがなかなか美味しいという記憶もあったが、いかんせん寒い。今日はこれで宿へ帰ろう。

 そのまま北オホーツク自転車道を南下する。来たときと同じようなちょっと不気味な程静かな森やら茂みが続いた。途中の山軽駅辺りでは、意外なほどの標高差からクッチャロ湖を見下ろす箇所もあり、なかなか退屈しない。自転車道から直接宿へ入る道を見つけ、14:30、トシカの宿着。

 「湯治」と称して、近くの「浜頓別温泉ウィング」へ。別府温泉とほぼ同じ泉質とのこと、すぐのぼせる私はあまり浸かっていないのだが、身体がほかほかになって気持ち良い帰り道だった。
 連泊者向けの夕食メニューは何と本格的パエリャ。もちろんとても美味しかったのだが、大皿2枚を全員で完食してしまったのにもびっくり。

記 2001.8/20

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Last Update 2004.1/1
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