北海道Tour01 #5 2001.8/13 落石→尾岱沼

浜中→(道道808・町道)トライベツ
→(道道813)上風連
→(道道123・国道243)別海
→(道道364・町道・道道929)床丹
→(国道244)尾岱沼
70km

浜中

上風連

別海

床丹

尾岱沼


 窓の外はかなり濃い霧である。気温も15℃行ってないだろう、というぐらい。
 今日は昨日と同じく根釧台地をくねくね多和平を目指し、その後計根別・中標津の牧草地を開陽台を経由して、最終的に尾岱沼に着く。コースとしては西に向かって東に戻る形になるが、道東の牧草地を目一杯楽しみたいので、これでいいのだ。

 ちょっと気圧の甘い後輪に空気を入れ、ウインドブレーカーを着込んで、6:30、カジカの宿発。
 と、後輪から急にシューシューと音が。のぞき込むと、だいぶ空気が抜け始めているではないか。入れたばっかりなのに、パンクか。
 しかし、そんなに甘いものではなかった。何とタイヤがバーストしていたのだ。げえーっ!100〜200kmぐらいしか走ってないほとんど新品のタイヤで来たというのに。

 自転車を横倒しにしてとりあえずチェック。前輪は真ん中のパターンもまだ全然大丈夫、後輪だけが減っている。そのうち特に部分的にいっちゃった、と言う感じで摺り減った部分がバーストしているようだった。荷物の前後バランスが悪かったか、チューブ装填ミスか。いずれにしても初歩的ミスと思われる。
 とりあえず、落石駅まで自転車を押して歩いた。

 駅でとりあえず自転車をばらしながら考えた。
 どちらにしてもタイヤのスペアまでは持ってきてないので、どこかで買わないといけない。しかし、ここは落石、自転車屋すらない。何にしても根室か釧路までは行かないと。
 根室か釧路まで行けばタイヤは買えるだろう。とりあえず根室へ行っておけば最悪26吋のママチャリタイヤは何とかあるだろう。いや、FCYCLEのHPのSYOP2000に載っているサイクルショップさそうまで行けば三ツ星トリムライン(私のタイヤです)も手にはいるかもしれない。とりあえず根室へ行こう。何にしても、釧路行は根室行の折り返しなはずだ。
 とりあえずという言葉が連続するが、とにかく焦っていた。

 8:03、落石駅発。快速列車は特急まりもの延長運転と言うことで、何と寝台車付の特急車が来た。
 根室に着くと、降りる客を捌くのに一人しかいない改札がてんてこ舞いだったり、なかなか乗客が降りないので車掌さんが右往左往したり、季節運転のしわ寄せでJRの職員さんも大変なようだった。気が付くと折り返し時間の8:22を過ぎている。忙しそうな駅員さんにサイクルショップさそうの住所の場所を聞いてみると、駅からは大分あるとのこと。
 ふと、行ってみたら定休日だったらどうしようと、妙に心配になった。一方、これを逃がすと次の列車はお昼過ぎだ。急に安全策を取る方がいいように思い、根室に着いたばかりだが、釧路に向かうことにした。
 結局、根室発は8:31。

 列車は厚床・厚岸と、始終霧の中を進んでいった。
 焦っていた。まさかバーストなんて。いやいや、トラブルなんて予測していないからトラブルなのだろう。釧路でタイヤが無かったら札幌まで戻るか。いっそのこと、家まで戻ったらそれはそれで笑える。まあ明日は網走を通るので、その時までママチャリタイヤででもお茶を濁すか。
 11:13、釧路着。釧路についても霧は晴れていなかった。

 早速、駅でShop2000の「サイクルショップ菊池」に電話を入れる。しかし、650Aは在庫が無いとのこと。替わりに釧路の自転車問屋の電話番号を教えてくれた。残る2軒の「志田自転車(?)」はもう店が無く、「小玉サイクル」にあるかもしれないとのこと。「小玉サイクル」に電話してみると、
「ああ、1本あります。アメクロのパナレーサーも38Aだったら何本かあるよ」
とのこと。
 やった!釧路に来て良かった!

 「小玉サイクル」は、地下道を渡って抜けた駅の裏側、歩いてすぐの5差路の交差点にあった。
「旅行中の人がやってくるから、うちも650Aはあんまり出ないんだけど、切らせないんだよね。650Bなんて人もいるからねえ。最近はみんなMTBでしょ。だからMTBのも持ってないといけない。もう問屋さんも昨日から休みだからねえ。頼んでもなかなか入らないんだよねえ。学生さんのツーリングだと、みんなよりも遅れて大変だけど、一応宿は一緒にできる、なんて言ってトラブルに対応してもらうこともあるんだよ」
 不動在庫などではなく、ちゃんとこういうことを考えて650Aを在庫して下さる、いや、北海道チャリダー達のためにいろいろ考えて下さる自転車屋さんを実際に目の前にして、感動していた。感謝でちょっと目頭が熱くなった。
「根室の阿部さんは行ってみた?」
と聞かれた。根室にも頑張っている自転車屋さんがあるのだと思った。
 結局、今使っているのと同じトリムライン35Aオープンサイドと、予備でパナレーサー38Aアメクロを仕入れた。

 12:11、釧路発。
 列車は「厚岸湖バーベキュー号」と名付けられていて、普通の乗客が乗れる気動車に挟まれて、窓がオープンで木質系のいすとテーブルが付けられた客車が付いている。案内板を見て肉が食べたくなったが、予約は3日前とのこと。目玉の客車には乗客は一人もいなかった。

 13:24、茶内着。さすがにこの時間になると霧は晴れだしている。雲に覆われた空から何と無く薄日が射しているようにも思えた。
 買ってきたトリムラインをホイールにはめ込んで、空気を少し入れてから念入りにタイヤを揉んでおく。自転車を組み立てて荷物を積んで、その後でセイコーマートに寄って物資を補給し、14:55、ようやく茶内発。

 昨日とは別の町道・農道を通って、ほぼ昨日と同じ位置で道道813に合流し、別海を目指す。開けた風景の中を新タイヤで自転車が滑るように走って行くのが何とも嬉しい。かなりのタイムロスになり、結局今日は多和平も開陽台も行けなかった。しかし、まあ休憩にはなった。
 一直線、緩いカーブにアップダウンが続く台地を、道道813は上風連から道道123となって進み続ける。高台に登った時には周囲の大地の展望が開ける。海岸の道道142も素晴らしいと思うが、中標津ほど整然としていない、大部分の根釧台地の牧草地の広々とした雰囲気を味わうには、最高の道だと思う。

 17:00、別海発。寒くなってきた。
 海岸に近づき地形がフラットになったのか、牧草地から森林帯へ起伏がほとんど無い道が続く。海の近くの広葉樹林帯を抜けると、湿地帯の河口を渡る手前、国道244の鉄骨橋が、夕方の空の中でなんだか寒々しい。海の雲の向こうには、国後島の山の頭が見えた。
 風景も寒々しいが、海岸沿いの国道244は気温もかなり低い。そろそろ暗くなりだした夕暮れの国道を追い風に乗って、18:00、尾岱沼「まきばの宿」着。

記 2001.8/14

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Last Update 2003.1/1
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