緩やかな曲線で波打つ、緑や小麦色の色とりどりの畑。北海道のイメージ写真と言えばほぼ美瑛の写真であるというぐらい、美瑛の風景は一般的に知られるものとなっています。それらの写真の通り、周辺から美瑛エリアに入ると、急に丘の印象的な景色が続くように感じるほど、美瑛の景色は印象的です。
旭川から続く盆地の最上部に位置する美瑛には、ほぼ南北方向にいくつかの谷間がありますが、富良野線と少し市街から外れてやはりほぼ南北に通る国道237の谷を中央に、大きく東西に分けて捉えることができます。
このうち西側は、芦別岳へ続く山系手前の、標高100〜300m台の丘陵地。前述のように国道237と富良野線に平行に谷と丘が続くため、奥へ進むには何度か丘越えが必要です。大まかに言って北側は丘陵に畑が拡がります。美瑛の名を全国に知らしめた各種CM撮影ポイントが点在します。手っ取り早く美瑛の丘の景色を楽しむには、まずこちらへ向かうのが良いでしょう。
一方、美瑛市街の西〜西南へかけては、概略南北方向の谷に森、その間の丘に開けた畑が層状に重なります。道はこれらの谷と丘にイレギュラー気味に迷走し、埃っぽいダートも多く、通り抜けにはやや疲れます。しかし、西側に入り込むに連れて標高を上げる丘の上からは、東側の旭岳へ続く美瑛の丘陵地が一望。前述の道の悪さもあり、車・観光客も他のエリアよりめっきり少なくなります。その分観光客向けの補給施設も極端に少ないので、訪問にはやや注意が必要になります。
個人的には、瑠辺蘂の高台から谷へ降りて、南側の丘へダートで続くコースへ足を向けることが多いように思います。何と無くふらふらつい入り込んでしまう取っつきの良さと、東側の丘からその奥の旭岳へ一気に見通せる展望。そして丘の道あり森あり谷底ダートあり、アップダウン多めの道ですが静かで起承転結的まとまりが良く、比較的効率の良い私的美瑛巡りができる道です。