新栄→(農道)美瑛
→(道道966号)白金温泉
→(道道353号)日新ダム
→(農道)美馬牛
→(農道)瑠辺蘂
→(農道・林道)美園
→(道道70号)美馬牛
→(農道)新栄
88km

美園

瑠辺蘂

美馬牛

日新ダム

白金温泉

美瑛

新栄

北海道Tour00 #11
2001.8/20 美瑛


 連泊だと思うと、どうしてもいろいろとやることがだらけてしまう。8:55、美瑛遊岳荘発。
 今日は1日美瑛をポタリングする予定だ。JR北海道の売り文句に、「田園休暇 美瑛・富良野」というのがあって、そういうのもいいぞというあこがれはあった。

 それと、もうひとつ理由があった。
 以前は北海道へ行ったら、必ず美瑛に寄る、というのが私の北海道旅行のパターンだった。ちょうど今の中標津の位置付けだ。しかし、何か美瑛の風景にピンと来なくなり、それを美瑛が観光地化されたため、と勝手に思いこんでいた。
 それが昨年だったか、ある晩、NHKの深夜TVの「農業機械を使うために傾斜地を整地して、美瑛の丘はだいぶ平らになってしまった」なんていうドキュメンタリー番組を見て、10年以上前にうろうろしたはずの丘の風景に、ここ数年どうしてもたどり着けなかった理由がやっとわかったのだ。そう、美瑛の風景自体が変わってしまっていたのだ。
 番組によると、丘の整地には国家予算が投入されたようだが、同時に農家の持ち出しもかなりあったとのこと。周りの離農農家の土地やらを吸収したり、毎年丘を整地したり、機械を導入したり、借金を\8000万抱えてしまった農家の話が紹介されていた。それでも生産効率は上がって、出稼ぎに行かなくても良くなった、とのことだった。
 好きだった風景への感傷やら、「北の国から98」を地で行く農家の実態への思いなど、かつて憧れた美瑛という風景の行方を、とにかく見てみようと思ったのだ。

 その割には、まず目指したのは白金温泉と十勝岳温泉。
 美瑛の駅から南東向きの道道で、波状丘陵の連続する美瑛にしては比較的広めの谷を一直線。単なる田舎道のような道道だが、道ばたにはしゃれた喫茶店が多いのが美瑛らしい。農家の店先に売っている、ゆでトウキビなどを食べたりしながらのんびり進むうち、知らないうちに標高は上がって、谷は畑からいつの間にかカラマツ林になっている。
 ほんの少し坂っぽくなった道をもう少し進み、白金温泉着。ここで少し町営の温泉で休憩。
 聞いていたとおり、町営の温泉は日帰り入浴で\300と白銀温泉の中で一番安いようだが、いかんせん湯船が小さい。家庭用に毛の生えたくらいの大型ポリバスが一つだけなのだ。しかも、客を茹で殺すのかと思うくらいに熱い。
 まあそれでも他に客はいないので、水でうめたり湯船から入ったり出たりと、好きなようには入れる。

 白金温泉を出発して山の上の方を見てみると、何かやたらと濃いガスに包まれている。ここから十勝岳温泉は標高400m程度登りになるのだが、何か行っては見たものの全て霧の中、となる可能性が強い。美瑛にはまだまだいろいろ回ってみたい場所が残っている。今日は美瑛へ下って、じっくり丘陵を回ろうと思った。
 11:50、白金温泉発。

 上富良野の日新ダム方面へ降り、舗装農道で美馬牛に向かう。緩やかな傾斜の丘の畑の中を、広い道路が一直線のアップダウンや大きなカーブで進んでゆく。進む自分の周囲360°、近くの畑や遠くの丘、山々がゆっくりと動き、本当に迫力のある風景だ。
 TVを思い出しながら畑の中を走ってみると、確かに整地工事はあちこちで進んでいる。切り崩されている土手、掘り返されている畑の隅に停まっている重機…変わってゆく美瑛を実感するには十分だった。

 ふと気が付くと、後輪が一ヶ所妙に振れている。旅行の出発前に枝を巻き込んで曲がったため、1本だけ交換したスポークが原因のようだ。多分緩んだのだろう。ブレーキレバーのクイックを緩め、とりあえず干渉は避ける。後で宿ででも締め直そう。

 そろそろ昼食の時間だが、美馬牛の町を流しながら通過してはみたものの、なかなか適当な店がない。駅の西側へ抜けても店はない。
 この美馬牛の西側の駅前は、小さな駅舎の前の広場から一直線に伸びる道路の両側に、農協の倉庫やら雑貨屋が数軒並んでいるという、いかにも田舎の小さな駅らしい雰囲気だ。駅の裏手、とんがり屋根の塔のある有名な小学校やペンションなどが建ち、この15年間で劇的に変わった駅の裏手に較べて対照的な佇まいである。とはいえ、さすがに宿などのそれらしい看板は、ちょこちょこと立ってはいる。
 入る店がないので、しょうがなく国道に出た。

 国道脇に並ぶ売店でも一応食べ物は提供されているようだったが、ラベンダー風味のソフトクリームとか、食べ放題のバイキング方式のランチメニュー1種類とか、ろくなものがなくあまり落ち着けそうにもなく、早々に退散。今度は国道西側の丘を回ることにし、瑠辺蘂の直線道路へと向かった。
 美瑛の丘は、大まかに分けると、国道・富良野線を中心に、西と東に分けられる。大体東の方がいろいろと洒落た喫茶店やそういう類の施設が多い。写真家前田真三さんのアトリエ「拓新館」もこっち。一方、西側は観光スポットは西北方面に集中している。
 瑠辺蘂の直線道路というのは、国道の西側のエリアでもかなりマイナーな部分の丘を、アップダウンで一直線に抜ける道だ。丘の上からは眺めが良く、何しろ他に観光客がいないので、私の美瑛定番コースとなっている。

 その後、美園の林道へ向かったが、「熊出没 危険」の看板や、途中で現れた林道ゲートのため、引き返して美馬牛方面へのダートに足を進めた。このダートがまた長く、丘を駆け登って延々と続く道で、坂は急で砂利も深く、なかなか疲れた。
 とはいえ、みんな一度は通ったことのある道ばかり。まあ大変でもどこか気楽なポタリングではあった。

 美馬牛まで戻り、丘の上の喫茶店「かぜまち珈房」でちょっと休憩した。ここは大きな窓から、東側の丘の風景が一望できる。
 そんなに劇的には風景は変わってはいなかったが、通ったことのある丘の農道の風景が、やはりどこか違う。
 それとは別に、前田真三さんの写真が世の中に出回っているせいか、美瑛と言えば無意識のうちにドラマチックな風景を求めてしまっているようで、次から次へと現れる実際の丘の風景には、自分は全く惹かれていないことに気が付いた。今日は1枚も写真を撮っていないのだ。
 「遊岳荘」宿主の溶介さん(ニックネームです)によると、宿から見える丘の景色も、扁平化事業で変わった、ということだった。扁平化したからと言ってドラスティックに機械化が楽になる、と言うわけではなく、実際にはそこには何らかの利権構造がある、とのこと。
 今回美瑛を回ってみて、やはり自分の中のイメージと違う美瑛を感じざるを得なかった。ダイナミックな丘にドラマチックな光線の、あの美瑛の風景は明らかに変わりつつあった。
 しかし、かつて好きだった風景の行方に、今後も注目していきたい、と思った。

 後輪の振れは、なんとスポーク折れによるものだった。仕方ないので、ツーリングの教科書(?)によく書かれているように、折れたスポークを別のスポークに巻き付け、両側2ヶ所ずつのニップルを回して、まあ振れは直った。が、明日の占冠→富川のダート通行は考え直す必要があった。
 昨日まであれだけ4サイド装備でのダート走行をしていたのに、荷物を置いて来た今日に限ってスポークが折れるとは、なんとも難しい。

記 2000.8/20

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Last Update 2003.2/28
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