厚床駅で1時間以上列車待ち

15分で4サイド輪行

2004.8/11 北海道Tour04 #5-2
北海道根室市厚床厚床駅にて


 一般にランドナーの輪行では、いわゆる「フォーク抜き輪行」と呼ばれる、日本独特の輪行方式が多く使われています。このフォーク抜き輪行方式は荷姿を非常にコンパクトにまとめることができ、特に混雑した電車などで大きなメリットとなります。一方、デメリットはフォークを抜く工程に比較的時間がかかること。
 私はこのフォーク抜き輪行が苦手で、フロントバッグのみ積載の状態で20分強から30分弱ぐらい掛かっていました。更にサイドバッグとリアキャリアの取り外しを加わる4サイド輪行時は、いつもだいたい50分から1時間。
 まあそれでもどうしても急がなければならないときは、その気になって比較的素速く輪行ができるものです。ちなみに4サイドフォーク抜き輪行の最短時間は、1995年幌延での25分。急行宗谷を逃すと乗り継ぎやら何やらで4時間以上が無駄になる、という危機感によって初めて可能となった時間でした。ちなみにこの時は自転車のパッキングは列車到着ぎりぎりで完了、サイドバッグの荷造りは列車内で行なうという裏技含み。

 というわけで、輪行時間の短縮は以前から自分にとって大きなテーマでした。とはいえ、10分以内でフォーク抜き輪行を完了する熟練ツーリストの話も聞きますが、要領の悪い私はなかなか輪行時間を短縮できませんでした。

 そこで、1999年にFCYCLEで知った超大型の門岡式輪行袋を導入。ランドナーでありながらフォークを抜かない輪行方式に切り替えました。2001年には4サイド輪行にも非フォーク抜き方式を導入。2003年の北海道行きでは、リアキャリアを付けたままでの4サイド輪行で、輪行時間を更に短縮できました。
 この輪行方式の特徴は、何と言ってもフォークを抜かずに前後輪と後ろ泥よけのみを分割すること。これによって輪行時間はかなり短縮できる反面、輪行袋の荷姿はロード、MTBのように大きくなってしまいます。

 輪行袋のこの大きさには、決して問題が無いわけではありません。少なくとも10数年前の夏帰省ラッシュの長距離列車に持ち込むことは不可能だと思いますし、現状でも混雑した列車ではかなり気を遣います。しかし、輪行時間の短縮、行動範囲の拡大というメリットには換えられません。

 以下はその4サイド解体方法です。組み立てはこの手順のほぼ逆になります。

1. バッグ類を外す

左前後サイドバッグ取り外し完了

 輪行地点に到着後、解体場所を適当に見繕います。解体場所が積み込み場所に近い方がいいのは言うまでもありません。
 作業はまずバッグを外します。サイドバッグは自転車本体とは別に荷造りすることから、サイドバッグをキャリア側サイドバッグフレームごと取り外すのがポイントです。
 次回組み立て時に備え、外したボルトをキャリアの穴に戻しておくのも重要です。

左右とも前後サイドバッグ取り外し完了

2. ブレーキを開放、泥除けを分割する

泥除け分割取り外し、フレームカバー取り付け完了

 5.でホイールを外すのに先立ち、ブレーキレバーのクイックを開放して前後カンティのワイヤを外し、後ろ泥除けを分割しておきます。
 分割泥除けの取り付けネジも、やはり元の穴に戻しておきます。輪行時のネジ固定部は基本的に泥除け周りだけ、そのネジも環付きダルマネジにより、工具は不要となっています。つまり、サイドバッグフレーム着脱を除き、輪行作業に工具は使いません。

前ブレーキアーチワイヤ取り外し 後ブレーキアーチワイヤ取り外し 泥よけ取外し後、泥よけ固定のダルマネジは元の穴に戻しておく
環付きダルマ 泥除けステーがまだ付いている 環付きダルマを緩め、泥除けステーを抜く

3. 輪行袋を被せる

輪行袋はぎりぎりリアキャリア付きで収まるぐらいの大きさ この段階で輪行袋を被せ、位置を合わせておく

 リアキャリアを付けたままだと荷姿の長さが増すので、次項4.で自転車をひっくり返す前に、輪行袋を被せてしまいます。袋の微妙な位置決めが楽になります。
 運搬状態では自転車は倒立させたままなので、袋を被せる前にサドルカバーをサドルに被せ、ハンドル取り付けのスピードメーターなどを外しておきます。

4. 倒立させる

そのままひっくり返す

 いよいよ自転車をひっくり返し、ハンドルのブレーキレバー台座とサドルで自立させます。ハンドルの向きが曲がっていると後で自転車を置くときに据わりが悪くなるので、真っ直ぐにしておきます。

5. ホイールを外す

ホイールを外し、フレームを挟んでベルト固定

 前後ホイールを外し、フレームを挟んで3カ所でベルト固定します。フレームを挟んで括り付けるだけなのですが、輪行状態での重量バランス、荷姿の安定、フレームチューブとの干渉防止等の観点から、ホイールの位置とベルト位置を決めています。
 それでも、自転車を持ち運ぶうち、ベルトが緩んでしまうのは避けられません。

運搬時はリムを掴むので、ホイールにきちんとBBシャフトが乗ることが重要

 BBシャフトをホイールに乗せるようにして、チェーンホイールギヤ板の穴を通して上側を固定。

シートステイにベルトを回す

 カンティブレーキとホイールの位置を外してベルト固定。私の自転車の場合、BBシャフト位置にタイヤを乗せると、自然にブレーキはリムの内側に入りますが、フレームとホイールサイズによってこの位置関係は変わるものと思われます。

トップチューブを挟んでベルト固定

 ホイールでトップチューブを挟んでベルト固定。位置は成り行きで構いませんが、前記の2点が比較的近いため、ベルト固定の安定という観点から正三角形を意識すると、やはりある程度位置は決まります。

6. 輪行作業完了

あとは輪行袋のチャックを閉める

 あとは袋の口をチャックで閉め、自転車の輪行が完了します。ボトルは水を抜き、ベルクロでフォークに括り付けます。前泥除けのマッドフラップは以前は輪行袋から出していましたが、輪行マナーの観点から最近は折り曲げて袋の中に入れています。
 自転車の運搬時は、左クランクを乗せて緊結したホイールのリムを掴みます。BBごとベルトを掛けて肩に担ぐともっと楽そうです。実際にそういう例も多々見かけますが、思いついてからもう5年以上、未だにこれを試していません。多分、自分ではあまり困っていないということなのでしょう、きっと。

 最後にサイドバッグを括り付け肩ベルトを通し、輪行作業が完了します。普通にやってこの間約20分弱。最速で15分でした。
 実はここからが苦しみの始まり。重いんです、4サイド輪行って…。

バッグも緊結して荷造り完了 ちなみにペットボトルは列車での水筒代わりに手で持つこともある

記 2004.10/14

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Last Update 2006.2/6
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