北海道Tour25夏#5-3
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生田原→丸瀬布
(以上#5-1)
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そのまま次の立牛トンネルへ。しかし交差点の日なたで既に焼かれるような路上の照り返しが感じられ始めていた。
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もう少し奥で道が登り始め、谷底で折り返すと共に木陰が切れた。そして木陰が無いまま山肌を巻いてゆく。
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路面と路上の空気は、もうやばい位暑くなっている。ああ、暑い。たかだか180mの一登りなのに、辛くて仕方ない。頭がぼうっとしてくるのがわかった。山肌に沿って道がトンネルに向かい始めてからがまた長い。
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何とか立牛トンネルに辿り着いて中に入ると、ひんやりした空気がたまらなくありがたい。トンネルの中で向こうまで登りか下りかどこが変曲点かなんて全然関係無い。助かった。
とはいえ、そんなに長くないトンネルではある。
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トンネルの向こうへ出て、谷底へ下りきってからがまたもや意外に長い。ただ、日陰の少ない道がずっと下りなのは助かる。
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やっと見覚えのある森を抜け、唐突に集落に着いた。9:45、濁川着。
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集落の中をのんびり通り抜けつつ、確かここは前回10時を過ぎていた、20分遅れを挽回するのみならず30分ぐらい稼いだぞと思い、上機嫌だった。実際は9:05の通過であり、40分ぐらい遅れていたのであった。しかし余裕ができたと思っているので、この際セイコーマート滝上で少し休憩しておく。滝上の先は、再び西興部まで自販機すら無いのだ。
そして今日は暑すぎる。冷たい缶コーヒーとアイスを買う。涼しい店内から外に出ないといけないのが大変残炎だ。軒下で食べ始めると、こちこちのアイスがあっと言う間に柔らかくなった。缶コーヒーで首の後ろを冷やす。意外と効いたものの、すぐ飲んでしまった。ゆでとうきびは、好きで買ったとは言え冷たい要素は皆無だ。
食べてしまうと、再び暑いだけの休憩時間が戻って来た。ここは以前にも暑くて閉口した記憶があることを思い出した。もともと滝上は、暑い日はとても暑い。そしてこの店は、日中真正面から陽差しが照りつける。短い軒下に全く日影というものが無いのである。コンビニ店舗を作るときは、店の庇の方角をちゃんと考えて欲しい。セイコーマートに限らず。できれば庇も1m以上造っても延べ面積に算入しないよう、建築基準法施行令に明記してほしい。無理言ってるのは判ってますが。
などと暑さにくらむ頭で妄想する。妄想が体力と気力の無駄遣いに思えてきたので、もう少し何か買って身体を冷やすことにした。
10:10、滝上発。道道70で札久留峠へ。
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途中サクルー原野には、何度かお世話になったサクルー荘が以前はあった。しかし、今回サクルー荘は跡形も無くなっていた。そうなのか。と思っていると車が1台やってきて、私が敷地の前に停まるのとほぼ同時に停まり、中から人が出てきて写真を撮り始めた。その方も以前サクルー荘にお世話になったらしい。お一人で頑張っていた宿主さんのお人柄にお客さんがやって来る、そんな宿だったと思う。私が初めてお世話になったのは確か1989年。上紋峠という峠を教えていただき、翌年の訪問でやっつけたことを思い出す。
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引き続き分岐へ脚を進めてゆくものの、路上は焼かれるように熱い。これが29℃の実態だ。そしてまだおひるじゃない。去年34℃の予報で走るのを止めて良かった、と心から思った。しかし私の現実として、今、こういう道を西興部までは行かないといけない。というより、今日はもう西興部で止めとこう。下川はちょっと無理だな。
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札久留峠への登りが始まった。木陰の少ない峠道が、やはりというか想像以上に耐えがたい。暑い。脚を停め水を身体に入れては、のろのろと少しづつ登ってゆく。ゆっくり、ゆっくり確実に進むのだ。こういう日にも、札久留峠への路上には、どでかくほかほかつやつやの暖かそうなヒグマうんちがどかっと腰を据えているのだった。
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峠を越えてしばらく下り続ける。身体に当たる風はオホーツク沿岸の風なのか、心なしか涼しい。道端の木陰では尚更涼しく、頭がはっきりしてきて安心した。
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しかし次の、たかが80mぐらいの瀬戸牛峠では、やはりすぐに頭がくらくらになってしまった。西興部まであと少し、もう一息。
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11:50、西興部着。
とりあえずバス待合所に向かう。建物を見て以前この待合室から輪行したとき、窓が小さくとても暑かったことを思い出した。
まだバスまで1時間ある。落ちついてボトルの水を飲んで、一昨年の記録を見直したら、30分遅れだということがやっとわかった。狐沢橋での休憩を考慮に入れると、ほぼ同じペースと言えるのかもしれない。しかし、今回は暑さのため、もう脚が残ってない。
それでも焼かれるような暑さからは何とか逃げ切れた。待合所裏手の日陰で自転車をのんびり解体し終わって12:10、セイコーマートでそばを買って食べ終わると12時半。あとはジャンクフードで塩分など補給してバス様をお待ちすることにする。
余裕の展開が嬉しい。昨日にひきつづき、またもや輪行機動性に救われたと思った。
記 2025/10/26
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