紀伊半島Tour24#7
2024/5/5(日)日置→古座-4

日置→合口 (以上#7-1)
→面谷 (以上#7-2)
→コカシ峠
(以上#7-3)
→田野野
(以下#7-5) →古座 76km

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 大鎌への下りはやはり森の中。

 上地で里の端に到達するまで、まあ普通に町道っぽく狭く急な斜度が続く。

 途中に現れた集落の上地から更にもう少し、開け始めた谷間を下ってゆく。

 

 大鎌はまさに山に囲まれた里だ。集落の中心に南北に道が通り、その道に西側のコカシ峠から下ってくる道と、東側の比曽原から登ってくる道がクランク状に取り付いている。比曽原への道は、古座川へ向かう三尾川沿いではあるものの、途中何故か川沿いの山肌を無駄に登り、また川沿いまで下ってくる。更に下流側へ向かってゆく道だというのに、地形図では途中に黒線の道がある。つまり、大鎌へはどの方面からも細道を登ってこないと辿り着けない。そしてそれなのに大鎌はその中心の谷間、山間ではあっても意外な開けた印象の里なのだ。或いはここも、紀伊半島の隠し里なのかもしれないとも思わせられる。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 2007年には大鎌のクランクで、道間違いで北側山中への行って戻ってがあり、20分ぐらいロスした。それなのに、古座川流域から日置川流域へは今回の半分ぐらいの時間で抜けている。まああんなに慌ただしく余裕の無い訪問はもうしたくないとも思う。
 そんな思い出のある集落中央のクランクを、感慨深くそろそろと通過すると、南側の角の森に神社が建っているのを見つけた。有り難くお参りしておく。民家はまばらでも、神社は丁寧に手入れされていると思われる小綺麗な雰囲気だ。また来れますように。

 次は東側の比曽原へ向かう林道比曽原線だ。

 大鎌の外れの茂みから森の中へ、細道は続いてゆく。前述のように谷閧フ三尾川は行く手方面へ下ってゆくのに、こちらの道は杉の森の山腹にぐいぐい高度を上げてゆく。それが意外な位にすぐには終わらない。周囲は底知れない森ではあるものの梢が高く、森の中はそこそこ明るい。あまり根拠の無い開放感は、尚更道の不思議感を盛り上げている。

 これで行く手が知れないとちょっと不安だと思う。幸いこちらはこの道を一度通っているし、地形図である程度ボリュームも把握できているし、GPSで現在位置をばっちり追えている。

 林道は再び谷底へ、三尾川の水面近くまで下っていった。小さなコンクリート橋で対岸へ渡る所が、黒線区間の始まりだったはず。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 2007年は、確か普通の細道記号の部分とは区別が付かず、あまり意識せずにいつの間にか通り過ぎてしまったことを憶えてはいる。しかし進んでゆく道が黒線区間であることを意識していると、その時より落ち葉や落石が増えているような気もしないでもない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 濃厚な森の渓谷に林道は続いてゆく。細道の上に新緑の広葉樹と濃い緑の杉が涼しい木陰を作り、木漏れ日と木々の間に見える三尾川の渓谷がきらきらと輝いている。淵は青く澄み、カワトンボや蝶が路上にやってきてひらひら飛び回る。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 素敵な空間が、くねくねと続く谷間にしばし続いた。またもや、こんな良い道を2007年にはあっという間に通り過ぎてしまったのだことを悔やむ。いや、あの時通れたから今日再訪できているとも言えるとまた思う。結局は、その時その時できる計画をこなすしかない。そして目の前に現れた風景を、その時に有り難く楽しませていただくしかないのだ。

 黒線区間の終わりで森は切れ、高い草の茂みが始まった。地形図ではその辺に比曽原の地名がある。

 少し先で民家が2〜3軒現れた後、辺りは再び森の渓谷になった。もう道幅は普通の細道程度に拡がり、路面に落ち葉も亀裂も無い。

 もう少しの間道が谷底の渓谷沿いに続いた後、おもむろにGPSトラックを見ていないと逆に進みそうなT字路交差点で県道39に突き当たった。

 再び辺りは拡がった、というより谷間自体が拡がって、斜面地ながら田圃と畑が登場。三尾川の集落だ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 普通の県道が田圃の中に続き、道端には自販機も現れ、もうすっかり人里に戻って来たと実感できた。

記 2024/6/8

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Last Update 2024/6/21
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