紀伊半島Tour24#7
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石垣が美しい面谷を過ぎると、深いというより密な森の中、県道36は小さな峠を目指して高度を上げてゆく。
稜線を越えると、向こう側の斜度はきりきりとブレーキに手こずるほど、こりゃあ厳しい。こういうのも夕暮れの焦る気持ち以外さっぱり記憶が無い。
森から集落へ一下り、小河内で県道38に合流。合流点で行程は折り返しになっている。「佐田」の看板とGPSトラックが助けてくれた。ここまでの道よりは幅が広い県道38は、周参見からの道だ。2015年に通っていて、暑かったお昼の空気が記憶として残っている道だ。今日はその日より暑いんじゃあないかと思う。地球温暖化は確実に進んでいるのだ。
少し登ってすぐ獅子目トンネルを抜け、9:50下防己着。
県道36が再び県道38と別れ、コカシ峠へ登り始めるこの地点で少し脚を停め、お10時の補給食に朝仕入れたおにぎりをむしゃむしゃいただく。
合口から2時間以上かかってもう10時前だ。改めて2007年の記録を見ると、コカシ峠から1時間ちょっとで合口まで到達している。あまりに焦っていたせいか、確か途中でヒッチハイクしたはず(ツーレポでは書いてない)なので、到達時間はあまり比較にはならないかもしれない。またもやその時の自分が可哀想になってきた。
2007年に比べて時間が掛かっている一方、行程計画にはちゃんと乗っている。というより、この分だともしかしたら12時過ぎには太地への分岐に着いてしまうかもしれない。そうなると太地15時過ぎの線が見えてくる。それなら太地を目指してもいいかもしれない。
次はコカシ峠だ。やや深めの切り立つ谷底、最初は広い幅だった道はすぐ記憶通りの細道に変わった。
例によって、坂がどんな具合だったか全く記憶に無い。さっきの小さい峠では、こちら側がかなり急な坂だった。森しか記憶に無いので、また結構な登り坂が現れるのかと構えていたら、コカシ峠までは意外に緩めの登りが続いた。
しかも、谷底集落の上防己からつづら折れが細かいピッチで高度を上げるに連れ、杉の密林が意外と明るく開放的な雰囲気となり、登ってゆく感を盛り上げてくれるのであった。まあ私の登りが遅いことには変わらない。
稜線に乗り上げると、すさみ町の処分場がネットフェンスの向こうに現れた。そうだ、こういうのがあったんだと、やっと思い出すことができた。
コカシ峠では、江住方面へ向かう県道36から分岐し、これから向かう林道が山間の集落大鎌へと向かっている。コカシ峠が標高400mなので、海岸の江住へはまるまる400m下りとなる。地形図では屈曲した山肌に貼り付いて、一目散に海岸へ下って行くっぽく読める。多分森の中の坂道なんだろうと思う。いつかあっちにも訪れたい。ただ、江住発にしても終着にしても、コースは組みにくそうではある。紀勢本線の江住駅に特急くろしおは停まらないし、昨夜停まった日置と違い、国道42以外に江住に入る道は400mの下り上りを伴う県道36だけだからだ。標高はそう高くないものの、訪れようとすると意外に訪れにくい道かもしれない。
記 2024/6/8