四国Tour23#7
|
|
次は四国Tour23〆の宇和海ローラー作戦だ。何となく先は見えてはいるものの、やれる時にやれることをやって脚を進めてゆく必要はある。最終日、自宅到着その時まで。
現実としては港を掠めて宇和海海岸沿いの県道7へ。この道にかなりの若番が与えられているのはどういう趣旨なんだろう、となかなか興味深い。自転車ツーリング的には、半島の外周道路という点が大変わかりやすい。
まずはしばらく海岸の集落沿いに道は続いてゆく。ところどころ「6m」などという海抜高さが表示されていたり、○○年津波時の水位、等という表示もある。南海トラフ地震への備えかもしれない。私も今回の計画時、もしたまたま滞在中に南海トラフが起こったらどうしよう、などと考えたものだ(結局何の備えもしていない)。
10m以内ぐらいで港とその間のバウンドを繰り返していた道は、脇本からおもむろに高台に登り始めた。その後はあまり海岸に降りず、少し登った場所に道が続いてゆく。
細道に断続する集落と森、徳島からここまで辿ってきた内陸の細道と違って深い谷間は無いし、何と言っても道の外側に見えるのは、谷間向いの山肌じゃなく海と遠くの島々だ。しかし共通するのは、親しげな表情の生活感が静かな道に漂っていることだ。
こういう道を走るためにここまでやって来たのだ、と心から思う。来て良かった。
宿毛を出て一旦晴れ始めた空は、道を西に進むにつれ次第に霞み始め、雲がどんより濃く低くなっていた。
そして下り始めて行く手の山が霞んでいる、と思っていたら霧に包まれるように辺りが雨になり、すぐ止んだ。空は相変わらず、というかますます薄暗い。2011年の訪問でもこんなことがあった。この辺の天気の特徴なのかもしれない。
等と思ったところで、県道7は城辺まで丘越えへきりきり登り始めた。20%ぐらい平気でありそうな坂が続く。
登りの最高地点は200mぐらいではあるものの途中から当然のように息が切れ、もう押しに切り替えるのであった。更に稜線を越え、港がある垣内へ降り始めると、途中から本降りの雨となった。
ずっと雨じゃなくても、今日はもうこんな感じなのかもしれない。もう最短で宿に向かうべきだと思った。ローラー作戦、序盤で早くも断念である。仕方無い、明日明後日全休の可能性が非常に高いこの状況で、あまり粘っても意味は無い。
13:10、垣内で再び海岸に降りて城辺へ登り返す。
国道56の小さい丘越えで、今日ももう一杯一杯だ。思えばこの辺り、2001年には足摺岬までの行程で時間は一杯一杯だったし午前中の宇和海沿い国道378の素晴らしい風景にノックアウトされていたし、とにかく通過しちゃえと思いながら通り過ぎていた。無茶な行程だったし我ながら元気だったんだなあ、とも思う。
記 2023/6/17