四国Tour23#7
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川登は中村市、つまり四万十川河口が近い河岸の平地だ。谷間にも、やっと河口っぽい雰囲気が何となく漂い始めている。四万十川とはここでお別れだ。
県道50で宿毛へ下る谷へ小さなトンネル峠越えでショートカットする。河岸の平地へ降りた道から、四万十川を渡る川登橋に登るのも一苦労。たっぷり寝てはいるものの、なかなか疲れが取れていない。
支流の谷間から里山の裾に県道50は続き、集落を過ぎるまで平坦が続いた後、森に入ってきりきりっと数10m登ってゆく。いかにも里の丘越えらしい展開の道だ。
標高100m程度、しかも短いトンネルながら、その名も新山伏トンネル。井川雨畑林道、そして道志村から山中湖へ登る峠(山伏トンネル)を思い出す。そりゃあ厳しいはずだ、等と何だか可笑しい。
横瀬側に下って集落の細道を、事前組み組みのGPSトラック頼みで繋いでゆく。
川の土手、里山の裾、学校の脇。こういう田舎道は楽しくて仕方無い。
田んぼの中で立ち止まると5月の緑が鮮やかだ。雲間には青空が見え始め、周囲が明るくなっている。
里が再び山裾に近づき狭くなり始め、裏道ネタが尽きるとともに、GPSトラックは国道321に合流。一気に周囲が慌ただしくなった。
10:05、都合良く道端に登場したファミマでお10時休憩とする。あまり差し迫って休憩する必要も必然性も無いが、道が混んでて気疲れしていた。それにここ数日コンビニなど見かけることが無かった。ここまで降りてくればコンビニは珍しくもないとはわかっていても、何だか通り過ぎるのも勿体無い気がしてならなかったのだ。
天気は冴えない曇りから再び少し水滴がぱらつき始めている。天気予報を確認してみると、やはり今日は16時以降雨が降り始めるようだ。15時までに宿に着く必要がある。ということは、今日も宇和海ローラー作戦は中途半端に終わりそうだ。今日明日明後日を費やす予定だった今回の宇和海ローラー作戦パートが、早くも断念となってしまうのである。え、そんなに一気に終わっちゃうのかと思って考え直してみると、今日は半日未満、明日は1日、明後日は早朝2時間程度と行程の量は実質1日半だ。それならそんなもんなのかもしれない。
再び国道321で標高70m足らずの背中みたいな丘を越え、宿毛バイパスへ。
11:00、宿毛着。辺りには宿毛特有の南国っぽさが、いかにもそれっぽい山々の森にも、ごく普通の国道の道沿いにも、いつものように全体的に横溢している。3回目の宿毛は、どんよりとしたかなり低く暗い雲の下だ。だだっ広く大型車が慌ただしく埃を巻き上げ通り過ぎるバイパスの路上空間が、それだけで過去の訪問から現在への時間経過を感じさせる。不可抗力の交通量、通り過ぎる数多の大型車と共に時が通り過ぎていった、というか。
妄想していると雨がぱらぱら降り始めた。手っ取り早くコンビニの軒下で雨具を羽織ることにする。またもやコンビニに脚を停めると、なんだかコンビニ廻りというかコンビニに居着いてしまいそうな気がする。ロードサイド的にやや大作りなバイパス沿いの風景に囲まれ、押しつぶされそうな気分なのだ。休憩というよりこれは現実逃避なのかもしれないと思う。素敵な田舎の細道にいすぎたのかもしれない。
記 2023/6/17