四国Tour23#1
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川又から先、ぐっと本格的な斜度で谷底を屈曲し、つづら折れ2段で一気に離陸して登り始めてゆく道沿いに、相変わらず民家は断続していた。
基本的には広葉樹林と杉林が続く登りで、どうもペースが上がらない。
一眼レフK-1とレンズ4本をはじめカメラ4台、カメラ関係を含む電源を丁寧に持ってきた結果、前回より荷物が増えていること、更に今回は行程中の折れが心配なサドルバッグサポーターではなく頑丈なリアキャリアを装備していることなど、後で思い出すといろいろ要因はある。そういう事前の判断ミスを招き、行程にも影響を及ぼしたのは、やはり前の週まで続いた某案件による疲れが、自分で把握していたつもりより大きかったからではなかったか。
とにかくたかだか標高差400m程度に1時間半近くかかってしまった。
16:35、川井峠着。前回通ったのは2004年。池田発土須峠経由太平洋岸の日和佐着というかなり無理がある行程を途中で変更し、それでも泡を食って通過した川井峠は、直前に通過した見ノ越の直後だったからか淡々しみじみと味わい深い峠という印象が強かった。
その記憶通り峠部分の短い川井隧道を抜けた向こう側には、「四国随一の剱岳展望」との看板とともに、記憶通りの展望が一気に開けた。
谷底からこちらの斜面を峠手前まで駆け上ってくる斜面集落と、谷間の空間を隔てて周囲にぐるっと立ちはだかる山々。そして雲で煙って見えない剱岳方面。こんな風景の中に宿があったら泊まりたいと思ったことは、ずっと憶えていたのだ。そして「四国随一の剱岳展望」看板を見たことも、思い出すことができた。
下り途中からは集落を経由する林道へ。与作はひたすら山の中に続いているのに、林道のこちらは集落を経由している。
高度にも下り斜度にも、早く下りきってしまいたいと思うジェットコースターのような急下りが続き、17:05、木屋平川井「つるぎの湯 大桜」着。見上げる剱岳方面からは、しっとりと暗い霞みが押し寄せてきている。案の上、宿到着から30分経たないうちに雨が降り始めたのであった。
9連休初日だというのに、お客さんは私を含めて2組のようだ。むしろ食堂付の温浴施設として、近くのキャンプ場や地元の方がメインのお客さんのようではある。宿自体はアットホームで清潔で、安心してくつろげる良い宿だと思う。夕食は食堂で、通常メニューからの注文であり、もちろんボリュームたっぷりで大変美味しい。
これから夜は雨が降るようだが、明日朝には雨が上がり、日中はずっと曇りのようだ。今日の行程ぐらいではあまり疲れてなくて身体も問題無く動きそうだし、久しぶりの見ノ越には与作から離れて北側から国道438でアプローチできる。
記 2023/5/21