北海道Tour23#15
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咲来峠の下りでも夏に通った時は暑かったなあと思い出す。今は風が出て日が陰り、肌寒さすら感じられ始めている。
まだ雨が降り始めるようなことは無さそうだ。峠の下、南側の丘陵へ向かう農道っぽい道の分岐へ向かってみる。過去何度も通っているのに、この分岐は今まで意識していなかった位の分岐だ。ここも現地で行けそうだったら行っちゃってもいいかな、でもどうしようと思っていた。今、分岐の入口は、さっきの本幌別ペヤマン林道と違ってもう少し取り付く島ぐらいはありそうな感じなのは間違いない。有り難く行かせていただく。
分岐から丘陵への登り斜度は、今日の道の中ではかなり急だ。地形は事前調査である程度わかっている。確か100mなんて登らないはず。落ちついてゆっくり脚を回すだけだ。
登り切る手前辺りから、山中に牧草地が開けた。
そのまま牧草地の中ピークを越えた道が、山中の誰もいない静かな牧草地、森緩斜面に大きな線を描いて下ってゆく。
開けた風景、眼前に聳える山肌、そして森。道の角度や位置と共に、それらすべてが自分との位置関係と大きさを変え、動いてゆく。今日ここまで通ってきたのは、良い道だとは言え何度も通ったことのある道ばかりだったせいか、いきなり知らない風景を、ゴージャスな3D体験させられたような気分になった。
そこで谷間へ下ってもそのまま国道40に下りきらず、次の丘へ脚を向けてみた。
段丘の森を抜け、丘を越えた道は、またもや山間の牧草地と秋の広葉樹林の中カーブを描いて登ったり下ってゆく。目の前には間近に道北の山々が聳え、やや遠くに丘陵の森が彼方へ、幾重にも続いてゆく。
丘陵が右側へ下ってゆく先の、天塩川の谷間なんて見えやしない。そんなに広くない山間なのに、想像以上の拡がりとダイナミックな展開が続いたのだった。こちらに脚を向けてみて良かったと、心から思えた。むしろこの道こそ本日のハイライトだったと言える。
山から離れて谷間に下るに連れ、空の雲は再び次第に減り、確実に陽差しが辺りを照らし始めていた。でも今日は夜までこのまま曇りの予報だし、現実にも雨の心配は無いものの、明日は確実に雨が降るんだろう。もう明朝のデマンドバスも美深→旭川の特急サロベツも予約済みだ。サロベツなんか1時間ちょっとで美深から旭川に着いちゃうのだ。もう嫌になってくる。
谷底で国道40に合流し、次は美深の道の駅を目指す。国道40との合流点は咲来の丘、国道沿いにしちゃあ牧草地が少しだけ拡がるのが特徴の、見覚えがある箇所だった。この牧草地はあの風景の続きだったのだ、と納得できた。
豊清水から恩根内まで、緩いものの何となく嫌になるようなアップダウンが概略2回。時々車が続けて通過してゆく。あまり大したことじゃないかもしれないが、これらの相乗効果で、ここまでの道の静かさが思い出されてならない。まあ、それが国道というものだろう。
豊清水からは国道40旧道の裏道が分岐している。天塩川の川原近くまで降り、駅近くの集落と畑の中を経由する、ダート含みの静かで良い道だ。国道40の喧噪から離れられるので、ここ何回か好んで通っていた道だ。しかしながら、今回は割愛して国道40を進むことにする。暑くないのが原因かもしれないと、自分で他人事のように思う。そうしたらそうしたで、この区間の通過は感覚以上に早いのであった。
13:40、道の駅びふか着。あまり根拠無くここで絶対に食べると決めていた、焼きスペアリブが売っていない。あれ、そうだったかなとは思うものの、そうなのかもしれない。そう言えば2019年の段階で、既に食べられなかったような気もする。まあいいやと思いつつ、ファームイントントの牧場ミルクとメリーさんの羊乳ソフトをいただいておく。この道の駅にはフライや揚げ物などオイリーな食べ物が多いのだ。それにそもそも、まだ昨日風連で仕入れたパンが残っているし、深刻に腹が減ってるわけじゃないし夕食のジンギスカンに備えてある程度腹を空かせておく必要がある。
記 2024/2/18
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