北海道Tour20#8-1
2020/8/13(木)中川→仁宇布

中川→音威子府
(以下#8-2) →紋穂内
(以下#8-3) →仁宇布
(以下#8-4) →ファームイントント

91km  RYDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路と航路

 相変わらず腰が痛い。そして昨日同様、起き上がって少し動いていると、問題無くなるようだ。しばらくじっとしているとまた痛くなる。要するに、程度の差こそあれ昨日と余り変わっていない。昨日動いて悪化したという訳でもなさそうだ。昨日大浴場で温泉に入っているから、もし温泉が原因だとすれば、今日午後に劇的に改善するということも無いかもしれない。
 出発も問題無いだろう。通常出発作業メニューで朝食、荷造りと出発準備を進めるうち、空が白み始めた。谷の外では町の上だけ晴れているが、町を外れるとかなり雲が暗くて低そうな感じだ。今日の天気予報は1日曇り、美深で15時〜18時に晴れるということになっている。これだけ見れば申し分無い予報だが、昨日の天気を思い出すに付け、そんなことを信用するわけにはいかない。というより平地・市街地基準の天気予報が山間や内陸部で雨だった、あっそう、というだけの話ではある。

 
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町中川 ポンピラアクアリズイングにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 今、山の中腹から上は暗い雲に完全に覆われている。雲と山肌の境界部はあやしげに煙っていて、その煙り方は昨日の雨を思い出させるに充分だ。今日は仁宇布のファームイントントまでの行程であり、中川から仁宇布までの短い距離に1日かけるには、知駒峠・兵知安峠・歌登・西尾峠の山間コース経由が順当だ。しかし今、この天気と天気予報で間違いなく言えるのは、今日は山間に踏み込むべきじゃないということ。腰が痛いのも、今日は言い訳に含められる。
 山間に踏み込まなくても、天塩川沿いまで出て佐久側の空が問題無さそうなら、平地経由で音威子府まで行ってみる価値はあるとも思える。そして音威子府で身の振り方を判断すればいい。その時点で輪行に切り替えたとして、多分まだ8時台。美深まで列車で向かい、14時台のデマンドバス第2便で仁宇布に向かえばいいだけなのだ。余裕は充分ある。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町中川 ポンピラアクアリズイングにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 5:50、中川ポンピラアクアリズイング発。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 谷を出て天塩川沿いの道道541で佐久側を見ると、雲はそこそこ厚く薄暗いものの、視界は遠景までクリアだ。少なくとも見渡せる範囲で雨は降ってなさそうなので、天塩中川駅へ向かう必要は無い。そのまま佐久へ脚を進めてみることにした。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 相変わらず南からの向かい風はかなり強く、脚取りが重い。先が思いやられるものの、とりあえず音威子府まで行ってみればいい。音威子府でまた身の振り方を考えよう。時間があると思うと、何をするにも気が楽だ。

 中川から佐久への距離感覚は忘れてしまっていたが、地図なりの距離があり、その間道端には牧草地や森、その狭間に鬱蒼とした茂みが続いた。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町佐久 道道541にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 全体的に薄暗くしっとりした植物が道の際まで生い茂り、その中から熊が出てきそうな気がして仕方無い。途中で熊鈴を取り付けてみたりもした。平地で熊鈴が必要な気にさせられるのが、道北の特徴である。

 佐久は記憶より大きな町だった。中川程ではないものの、駅の近くには商人宿風の旅館も1軒ある。通る度にここで泊まる日のことを想像する、旅情溢れる佇まいの町だ。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 佐久大橋で天塩川を渡って国道40へ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 意外にも国道40に車は少ない。昨日は雄信内から国道232が合流して車が増えていたので、今国道40に車が少ないのは早朝だからかもしれない。

 
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町富和 国道40号にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 佐久から音威子府まで2枚の地形図に渡り24km。サロベツ原野から続く平地の佐久以北と打って変わって、天塩川は切り立つ山と森に挟まれ、狭い谷間が延々と続く。筬島でそう広くない平地が現れる以外、両岸は国道40と宗谷本線だけ。
 河岸から山が切り立つため、国道40にはスノーシェッドや長大トンネルが断続する。このため道の風景は、両側の森と行く手に続く山だけだ。スノーシェッド、トンネルは初めて通ったときより増えている。たまに森が開け、天塩川の河原ぐらいは眺めることができる。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 今日の天塩川は意外にも水量が安定している。かつて見た記憶が無い河原が見える箇所すらあった。昨日豊富から中川では、天塩川もその辺の川もあんなに濁流が迸っていたのに。

 佐久から音威子府への中間地点、いや、やや音威子府寄りの筬島には、対岸の農地へ数少ない分岐がある。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡音威子府村筬島 国道40号・筬島大橋にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 もう少し先に「北海道命名の地」の看板も立っている。松浦清司郎と言えば松潤と深キョンだ。いや、そうなのか。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 佐久から筬島まで、イメージよりかなり距離があるように思えた。数年に1回の訪問では、その距離間隔を忘れてしまった頃に次の訪問となるような気がする。覚えていたら来ようとしない道かもしれない。以前はこの道、谷底の鬱蒼とした雰囲気が意外に好きだったと思う。これも交通量次第なのだと思う。今日のところはひたすら1本しかない道に、適度に車が少ないのは助かる。あまり極端に交通量が少なくても、道端の茂みから熊が出そうで怖いし、猛禽が低空で追尾してくるのも怖い。猛禽の低空追尾は何も山奥の道だけじゃなく、この国道40でも遭遇した。何事も程度の問題だし、好き好んでそういう交通量が少ないワイルド目な道を通っているせいでもある。雲が低く薄暗く、風景がやや単調なので、そんなことを考えながら先を目指す。

 谷の前方が開けた。山に囲まれた音威子府の谷間が現れ、ソバ畑の中から天塩川を渡り、国道275分岐に到着。改めて周囲を見渡しても、谷間を囲む山々の、裾から200mぐらい上が完全に雲の中だ。検討するまでも無く、今日はここから歌登方面には向かわず、おとなしくこのまま国道40で美深へ向かおう。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 交差点の向いには、音威子府道の駅が建っている。ここは比較的初期の道の駅がそのまま残っていて、大きな三角屋根は印象的ではあるものの、一般的な道の駅のように食堂や売店などが至れり尽くせりという感じではない。もっと言えば同じ国道275の一つ先、道の駅ピンネシリも似たような構成だ。
 店があったとしても、まだ営業が始まっていなさそうなこの時間に、何故か車やオートバイで結構賑わってはいた。しかし私はここにあまり用事は無いし、今日もそのまま通過してしまう。
 音威子府駅もそのまま通過してしまう。どうせ2日前に来たしね。

 国道の正面に見える町南側の小山に、僅かな空の切れ間からそこだけかっと陽差しが当たり始めていた。限られた部分であっても、薄暗い他の部分から浮き上がる明るさと緑の鮮やかさは、私にとって今日の希望の象徴である。そんなことが、なんだか今日もツーリングまっただ中の気分にしてくれる。

記 2020/12/30

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Last Update 2021/3/13
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