中川→音威子府 (以上#8-1)
(以下#8-2) →紋穂内 (以上#8-2)
(以下#8-3) →仁宇布 (以上#8-3)
(以下#8-4) →ファームイントント (以上#8-4)
(以下#8-5) 区間5
91km  RYDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路と航路
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北海道Tour20#8-1
2020/8/13(木)中川→仁宇布

中川→音威子府 (以上#8-1)
(以下#8-2) →紋穂内 (以上#8-2)
(以下#8-3) →仁宇布 (以上#8-3)
(以下#8-4) →ファームイントント (以上#8-4)
(以下#8-5) 区間5
91km  RYDE WITH GPS

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 相変わらず腰が痛い。そして昨日同様、起き上がって少し動いていると、問題無くなるようだ。しばらくじっとしているとまた痛くなる。要するに、程度の差こそあれ昨日と余り変わっていない。昨日動いて悪化したという訳でもなさそうだ。昨日大浴場で温泉に入っているから、もし温泉が原因だとすれば、今日午後に劇的に改善するということも無いかもしれない。
 出発も問題無いだろう。通常出発作業メニューで朝食、荷造りと出発準備を進めるうち、空が白み始めた。谷の外では町の上だけ晴れているが、町を外れるとかなり雲が暗くて低そうな感じだ。今日の天気予報は1日曇り、美深で15時〜18時に晴れるということになっている。これだけ見れば申し分無い予報だが、昨日の天気を思い出すに付け、そんなことを信用するわけにはいかない。というより平地・市街地基準の天気予報が山間や内陸部で雨だった、あっそう、というだけの話ではある。

 今、山の中腹から上は暗い雲に完全に覆われている。雲と山肌の境界部はあやしげに煙っていて、その煙り方は昨日の雨を思い出させるに充分だ。今日は仁宇布のファームイントントまでの行程であり、中川から仁宇布までの短い距離に1日かけるには、知駒峠・兵知安峠・歌登・西尾峠の山間コース経由が順当だ。しかし今、この天気と天気予報で間違いなく言えるのは、今日は山間に踏み込むべきじゃないということ。腰が痛いのも、今日は言い訳に含められる。
 山間に踏み込まなくても、天塩川沿いまで出て佐久側の空が問題無さそうなら、平地経由で音威子府まで行ってみる価値はあるとも思える。そして音威子府で身の振り方を判断すればいい。その時点で輪行に切り替えたとして、多分まだ8時台。美深まで列車で向かい、14時台のデマンドバス第2便で仁宇布に向かえばいいだけなのだ。余裕は充分ある。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町中川 ポンピラアクアリズイングにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町中川 ポンピラアクアリズイングにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 5:50、中川ポンピラアクアリズイング発。

 谷を出て天塩川沿いの道道541で佐久側を見ると、雲はそこそこ厚く薄暗いものの、視界は遠景までクリアだ。少なくとも見渡せる範囲で雨は降ってなさそうなので、天塩中川駅へ向かう必要は無い。そのまま佐久へ脚を進めてみることにした。

 相変わらず南からの向かい風はかなり強く、脚取りが重い。先が思いやられるものの、とりあえず音威子府まで行ってみればいい。音威子府でまた身の振り方を考えよう。時間があると思うと、何をするにも気が楽だ。

 中川から佐久への距離感覚は忘れてしまっていたが、地図なりの距離があり、その間道端には牧草地や森、その狭間に鬱蒼とした茂みが続いた。

 全体的に薄暗くしっとりした植物が道の際まで生い茂り、その中から熊が出てきそうな気がして仕方無い。途中で熊鈴を取り付けてみたりもした。平地で熊鈴が必要な気にさせられるのが、道北の特徴である。

 佐久は記憶より大きな町だった。中川程ではないものの、駅の近くには商人宿風の旅館も1軒ある。通る度にここで泊まる日のことを想像する、旅情溢れる佇まいの町だ。

 佐久大橋で天塩川を渡って国道40へ。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町佐久 道道541にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 意外にも国道40に車は少ない。昨日は雄信内から国道232が合流して車が増えていたので、今国道40に車が少ないのは早朝だからかもしれない。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡中川町富和 国道40号にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 佐久から音威子府まで2枚の地形図に渡り24km。サロベツ原野から続く平地の佐久以北と打って変わって、天塩川は切り立つ山と森に挟まれ、狭い谷間が延々と続く。筬島でそう広くない平地が現れる以外、両岸は国道40と宗谷本線だけ。

 河岸から山が切り立つため、国道40にはスノーシェッドや長大トンネルが断続する。このため道の風景は、両側の森と行く手に続く山だけだ。たまに森が開け、天塩川の河原ぐらいは眺めることができる。今日の天塩川は意外にも水量が安定している。かつて見た記憶が無い河原が見える箇所すらあった。昨日豊富から中川では、天塩川もその辺の川もあんなに濁流が迸っていたのに。スノーシェッド、トンネルは初めて通ったときより増えている。

 佐久から音威子府への中間地点、いや、やや音威子府寄りの筬島には、対岸の農地へ数少ない分岐がある。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡音威子府村筬島 国道40号・筬島大橋にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 もう少し先に「北海道命名の地」の看板も立っている。松浦清司郎と言えば松潤と深キョンだ。

 佐久から筬島まで、イメージよりかなり距離があるように思えた。数年に1回の訪問では、その距離間隔を忘れてしまった頃に次の訪問となるような気がする。覚えていたら来ようとしない道かもしれない。以前はこの道、谷底の鬱蒼とした雰囲気が意外に好きだったと思う。これも交通量次第なのだと思う。今日のところはひたすら1本しかない道に、適度に車が少ないのは助かる。あまり極端に交通量が少なくても、道端の茂みから熊が出そうで怖いし、猛禽が低空で追尾してくるのも怖い。猛禽の低空追尾は何も山奥の道だけじゃなく、この国道40でも遭遇した。何事も程度の問題だし、好き好んでそういう交通量が少ないワイルド目な道を通っているせいでもある。雲が低く薄暗く、風景がやや単調なので、そんなことを考えながら先を目指す。

 谷の前方が開けた。山に囲まれた音威子府の谷間が現れ、ソバ畑の中から天塩川を渡り、国道275分岐に到着。改めて周囲を見渡しても、谷間を囲む山々の、裾から200mぐらい上が完全に雲の中だ。検討するまでも無く、今日はここから歌登方面には向かわず、おとなしくこのまま国道40で美深へ向かおう。

 交差点の向いには、音威子府道の駅が建っている。ここは比較的初期の道の駅がそのまま残っていて、大きな三角屋根は印象的ではあるものの、一般的な道の駅のように食堂や売店などが至れり尽くせりという感じではない。もっと言えば同じ国道275の一つ先、道の駅ピンネシリも似たような構成だ。

 店があったとしても、まだ営業が始まっていなさそうなこの時間に、何故か車やオートバイで結構賑わってはいた。しかし私はここにあまり用事は無いし、今日もそのまま通過してしまう。

 音威子府駅もそのまま通過してしまう。どうせ2日前に来たしね。

 国道の正面に見える町南側の小山に、僅かな空の切れ間からそこだけかっと陽差しが当たり始めていた。限られた部分であっても、薄暗い他の部分から浮き上がる明るさと緑の鮮やかさは、私にとって今日の希望の象徴である。なんだか今日もツーリングまっただ中の気分になってくる。


 7:50、音威子府セイコーマート着。店の軒先でパンにサラダを食べている間、頭上だけ低い雲が切れて青空が現れ、山々を部分的に照らし始めた。ただ、相変わらず天北峠方面をはじめ周囲の山々の大部分には、かなり濃い雲がかかっている。やはりここから天北峠方面から歌登、道道120に引き返す選択は無い。そしてその日なたも、あまり長続きせずにすぐ曇ってしまった。風が強いだけあって、低い雲の動きが速い。天気はまだ予断を許さない。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡音威子府村音威子府 国道40号にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 8:25、音威子府セイコーマート発。

 音威子府からわざわざ一旦山裾へ乗り上げ、咲来へまた下る。ずっと天塩川沿いに進めばいいのに。国道40にはもう少し先の豊清水にもこういう一見意味の無い丘越えがある。或いは何か理由があるのだろう。崩落しやすいとか天d塩川が増水しやすいとか。

 去年の夏に気が付いた、咲来の蕎麦屋は営業しているようだった。一度ここも寄ってみたい。ただし、音威子府・美深・紋穂内・歌登と各方面のそう遠くない場所に、私的食事休憩場所が既に存在している。

 音威子府で国道275と合流したせいか、路上に交通量は多い。押し戻されそうに強力な向かい風のせいもあってやや落ち着かない。本来音威子府から美深へは登り貴重の筈なのに、毎回美深から音威子府や咲来へ向かう時より快調な気がする場合が多い。風向きのせいかもしれないし、登り斜度とか量とかの関係かもしれない。今日は向かい風がかなりつらいものの、既知の旧道で迂回すれば、豊清水の丘越えは回避できる。

 というわけで、豊清水で旧道へ寄り道してみることにした。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町清水 国道40号旧道にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 2017年に一度通っている道なので、たとえ途中からダートに変わっても、道自体に不安は無い。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町清水 国道40号旧道にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道中川郡美深町楠にて https://theta360.com/s/ki5C320zNKFizP9y3uavk1LQe

 恩根内でも国道40から分岐した道が集落を経由することがわかっているので、脚を向けてみた。今日は山間の回り道から平地最短距離直行コースに変更したので、こういう余裕は腐るほどあるのだ。その道の集落側踏切に、「国道40号」の文字を発見した。豊清水の裏道の踏切にも「国道40」の表記がある。やはりこの辺の一連の裏道は、国道40の旧道なのか。いや、国道40と書いてある以上、旧道も正式な国道40なのかもしれない。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町恩根内 国道40号にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 恩根内で雲の中が明るくなり、急に辺りは蒸し暑くなり始めた。美深も農作物が美味しいだけあって、気温が上がるとなかなか暑い場所なのだ。

 9:45、道の駅美深アイランド着。何は無くともここに来たらまず骨付きソーセージをいただかねば、という位置づけの場所だったこの道の駅。しかし2001年以来ずっと長い間ここに寄れなくて、久しぶりに昨2019年の秋いきなり3本も食べた結果、その印象は油っぽさで上書きされてしまっていた。今回も骨付きソーセージの第1印象は、やはり油っぽい、ということだった。2001年と違って、歳のせいで油物なんてそんなに食べられなくなっているしね。


 10:05、道の駅発。

 少し美深へ進んだ吉野から、2019年秋に通った裏道へ向かう。 「函岳」の看板に、2002年に訪問した道北スーパー林道を思い出す。その時の訪問では道北スーパー林道自体は訪問できたものの、函岳には行けなかったのだ。函岳にはコンプレックスがある。

 国道から離れるとともに、路上の車は一気に少なくなった。やはり静かな道はいい。道の駅に立ち寄っている間に雲が一気に去り、青空そのものが増え、残っている雲も白く眩しくなっていた。しかし陽差しが路面に当たり始めると、例によって辺りは急激にかなり暑くなってきた。一方、美深盆地を囲む山々の中腹から上は、まるっきり雲に隠れている。雨予報で輪行して、宗谷本線で意外に雨が降っていない時の展開通りになっている。とりあえず今日は走ってみて良かった。

 班渓から道道49へ。美深の盆地から仁宇布への谷間に入ると、すぐに日が翳って暑さは大分ましになった。あと15、6kmぐらいあるはずなのにこの影響力、さすがに仁宇布は山間である。そして狭い谷間の底に入ったせいか、中川からずっと悩まされてきた風もかなり弱くなってきた。

 仁宇布から美深へはよく下ってくるが、美深から仁宇布へ自走で登るのはかなり久しぶりだ。前回何時だったか思い出そうとして2001年以来であることに気が付き、我ながら驚いた程である。道自体はデマンドバスで毎年通っている。いつも美深から仁宇布へ向かうのは、輪行含みの場合だったのだ。

 狭い谷はかなり緩めの斜度で、少しづつ高度を上げてゆく。美深駅から仁宇布まで24kmで標高差300m、美幸線はキハ22が単行か2両編成か何かでえっちらおっちら登っていたのだろう。昭和の気動車にとっては、どのような坂でも厳しかったことと思う。気動車の峠越え、特にDMH17系1エンジン車の場合は、30km/hぐらいまで速度を落とし、車両限界を超えて生い茂る森の木々で車体を擦りつつ、全身を震わせて大体20分以上はかかるのが常だったことを思い出す。

 私も他人事の様なことを言っているものの、登り坂なので昭和の気動車に負けず劣らず斜度が緩くても遅い。などと思いつつ、去年秋に下りで2回も通った道をのんびり登ってゆく。

 高広から再び路上に陽射しが射し始め、例によって途端に気温がかっと暑くなり始めた。仁宇布の盆地は晴れなのかもしれない。

 ふと空を見上げると、ところが陽差しとは裏腹に、後ろから真っ黒な雲がこちらに向かって押し寄せつつあった。こいつは来る。予想通り、というかあまり予想通りになってほしくなかったのに、谷間から仁宇布の盆地に出たところで大粒の雨が降り始めた。ファームイントントに直行しようと思っていたが、とりあえず避難できそうな一番近い場所はトロッコ王国のテントである。

 12:05、仁宇布トロッコ王国へ緊急避難。テントの外はざーざー降りのみならず、中にもぼたぼた水滴が垂れている。あっという間に足下に水たまりができ始めた。テント下のテーブルに立てかけた自転車ももはや半濡れだ。それでも雨ざらしよりは有り難いことには変わり無い。大雨は急に降り始めたようで、お客さんもテントに避難していた。このコロナ禍で意外にも、トロッコは平年と変わらない盛況であるようだ。などと考えていると、ばりばりっ!どかーん!と衝撃波のようなもの凄い雷鳴が、すぐ近くで鳴り響いた。


 営業用の施設に雨宿りさせていただくのだから、ここは念願だった蕎麦を食べることにした。注文して出てきた蕎麦を食べ終わる前に、いつの間にか雨はすっと上がってしまい、雲は比較的高く明るくなった。私はと言えば雨宿りの恩もあるし、去年乗ってないので、ファームイントントに行く前にトロッコの13時便に乗ってゆくことにした。

北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町仁宇布 トロッコ王国にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町仁宇布 トロッコ王国にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町仁宇布 トロッコ王国にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町仁宇布 トロッコ王国にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町仁宇布 トロッコ王国にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町仁宇布 トロッコ王国にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour20#8 2020/8/13(木)中川→仁宇布 北海道中川郡美深町仁宇布高広 トロッコ王国にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 14:15、ファームイントント着。

 お風呂が沸くのを待つ間、早くもビールでプライベート牧草地鑑賞に。しかし牧草地の彼方仁宇布の辺りは、再び雨に煙り始めてしまった。凄まじく降ってそうな雰囲気である。今日も早めに着いて正解だ。それに山間に向かっていたら、どうなっていたか。

 ところで明日の天気は枝幸、美深、下川とも晴れのち雨。時間別では6時晴れでその後曇り、20時以降に雨、午後の降水確率は10%ということになっている。

 しかしそんな感じの天気予報の実態が濃厚な霧雨だったのがつい昨日のこと。ちなみに天気予報の対象は大体市街地であり、私が行くのは山間も山間の道道120だ。実際、市街地の歌登で夏らしい青空でも、山間で雨なのは毎度の事だ。山間というより、歌登の盆地でも山裾の辺渓内で既に雷雨だったことも何度かある。

 考察のしどころなのかもしれないものの、明日の朝、空の雰囲気で決めることにした。結論が終日お休みでも全く構わない、そんな気すらしている。今回の北海道Tourはやたらとお休み日が多いとは言え、おれももう55歳、長期ツーリングがそんな感じで何が悪いんだ。などと他人事の様に思う。

 それにおれは毎日会社で虐げられているのだ。有休休暇の範囲で旅に出て実態が終日お休み、一体何か問題あるのか。

記 2020/12/30

記 2020/

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Last Update 2021/3/2
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