北海道Tour20#3-4
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まずは道道362で西春別宮園町の市街へ向かう。
想像していた以上に横風がもの凄い。これがこの後向かい風になるのだとか、あまり深刻に考えないことにした。とりあえずの現実逃避は得意技だ。
北海道Tour20#3 2020/8/8(土)開陽→札友内 北海道野付郡別海町西春別宮園町 道道362にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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10:50、宮園町着。
国道243沿い、去年雨宿りした軒下の自販機で自販機でコーヒーを飲み、風が吹き荒れている市街地の風景を眺め、地図を眺めてこの先の可能性を確認しておくことにする。
北海道Tour20#3 2020/8/8(土)開陽→札友内 北海道野付郡別海町西春別宮園町 国道243にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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宮園町には何か食べられそうな店は無いこと、西春別なら食事ができる店があるということを、去年地元の方に伺った。つまり、何か店で食べようとしたら、この辺りでは西春別に行くしか無い。結局去年は西春別には行かず、西に向かう農道に雨の中脚を進めたのだった。今日は雨だった去年と違って、空は晴れている。
途中で折り返してしまった今年の計画コースへ復帰するには、去年と同じく西に向かう必要がある。しかしその通りだと、弟子屈まで昼食できそうな店は無い。そして弟子屈で昼食を食べると、最近毎度の天候不調下方修正パターンだ。それより去年話に聞いた西春別の食堂で飯にするのが、過去の訪問を全部含めて考えても目新しい。
それだとこのまま国道243を3km進んで西春別に行くのが最短だ。西春別へ道は北西向き、かなりの向かい風だろう。しかし、どうせどこへ向かってもこのまま1日向かい風が続くっぽい。ここは大人になって3km我慢してみましょう。
国道243では、やはりもの凄い向かい風が襲いかかってきた。道端の森の木々が枝を揺らす光景そのものだけで、身体から力が抜けてゆくように思われる。しかも空はここへ来てどんどん晴れてきていた。いわんやだだっ広く平坦で木陰の無い国道路上、直射日光(の紫外線?)と路面の照り返しが上下から襲ってくる。気温で言えばせいぜい23〜4℃ぐらいのはずなのに、暑い、ああ、暑い。つらい。気が遠くなる。真夏の根釧台地に久しぶりに会えた気がした。
たかだか3kmの長かったこと。それでも遠くに眺めていた鉄塔が次第に近づいてきたのだけが、心の支えにはなった。
11:10、西春別着。石川さんに車で連れてきていただいたのは2018年、それ以前に自走で通過したのはいつだったか…すぐ思い出せない。それでも町の雰囲気には何となく見覚えがある。
市街地中心にあるだろうそれっぽい飲食店を(目だけで)捜して、国道243で向かい風に揉まれていると、前方にセイコーマートが登場した。しかもHotchef付。セイコーマート立寄りに理由など要らない、そんなもん店に入ってから考えればいいのだ。
とはいえ、どこかの飲食店に立ち寄るために、向かい風の中わざわざ国道を通ってきたのだ。ここは敢えてHotchefの豚丼ではなく初志を貫徹したい。ちょうどセイコーマートから出発しかけた車に停まっていただき(すみません)、飲食店の場所を尋ねてみた。
一旦お礼を言って町中のお店を探し始めた私のために、車の方はわざわざ戻って下さって更に詳しく教えてくださった。しかし、教えて頂いたお店は全て休みなのだった。
北海道Tour20#3 2020/8/8(土)開陽→札友内 北海道野付郡別海町西春別 国道243にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
仕方無く再びセイコーマートに戻ってアイスなど食べてみた。考え直してみれば、別に差し迫って食べたいものは無い。腹が減って仕方無いということも無い。昨日中標津で買っておいた補給食のHotchefクロワッサンをしょっちゅう食べているからだ。気持ちが身体の実態と離れているのは、向かい風で気が遠くなっていて、現実逃避したいだけなのかもしれない。
などと思いながらぼうっと眺める道沿いの旗が、異常な程の勢いで煽られている。やはりかなり強い風が吹き荒れている。これは昔豊頃から輪行しちゃった時に匹敵する風だよなあ、こういう時に輪行できるといいなあ、などと思うものの、まあしかしそう輪行ばかりしていても商売上がったりなのだ。
ふと天気予報を再確認すると、何と弟子屈が16時から雨予報に変わっているではないか。鱒やには15時台に着く必要がある。ならばこのまま進んで、各日に何か食える弟子屈で飯を食ってややゆっくりして、時間的には15時ぐらいのはず。要するにいつものパターンで、あまり何か画期的なことはできなさそうなのだった。
それならこの後できることは、この辺の未済経路消化である。再び地形図「磯分内」「弟子屈」で泉川辺りを適当に目で追ってみると、通ったことが無い細道が昨日通った道の1本北へつながっている。極端な谷も無く、比較的穏当に何とか辻褄が合いそうだ。どうせその後は昨日と同じく道道13に合流し、萩野から農道で虹別の道道897分岐手前へ向かわなければならない。せめてなるべく昨日との重複が少ない、つまり道道13の経由距離がなるべく短いコースを通りたい。それには極力北東寄りで道道13に合流すればいい。
11:30、西春別発。市街の北からおもむろに泉川の牧草地へ入り込む。
地形図に少し細い道で描かれていた、牧草地区画に比べてややイレギュラーな線形の道は、当然の如くすぐにダートに変わった。しかし、何か野生動物が現れそうな雰囲気は無い。でもやはり民家から離れた茂みでさえあれば、熊は出るのかもしれない。熊も出そうないいダート、などという言葉が頭に浮かぶ。他人事の様に。
北海道Tour20#3 2020/8/8(土)開陽→札友内 北海道野付郡別海町泉川にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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ダートは牧草地の中、高い茂みに囲まれてイレギュラーにカーブを描いて迷走気味だ。いやいやいや、これがちゃんと地図通りの線形だ。牧草地に起伏はあっても、根釧台地のダート農道にしちゃ斜度は優しい。風は相変わらずかなり強めに吹き荒れているものの、のんびりいい気分だ。
北海道Tour20#3 2020/8/8(土)開陽→札友内 北海道野付郡別海町泉川にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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毎日GPSトラックでがちがちに経路を組んでいる旅の途中、糸の切れた凧のように予定経路とか想定時刻とかのノルマから自分が放り出されている。予定した枠組の内側や町が恋しく、とてつもなく寂しいような気はする。ペースも著しく下がっているんだろうな。昨日の快調な根釧台地202kmコースがマボロシのようだ。でもいいのだ、こういう根釧台地訪問も。毎年根釧台地に来れているからこそ、こういう年もあるのだ。距離は稼げなくても、今おれは間違いなく旅まっただ中の時間にいる。
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起伏を越えて防風林を抜け、イレギュラー気味にくねっていた道が直行区画に到達した。
道の続きがそろそろ舗装路になるかと思ったら、まだしばらく防風林の中にダートは続いた。この辺りでダートで残っている道は少ないだろうな。
人気の無いぼうぼう気味の牧草地や牧場農家の廃屋を脇道の奥に眺めた後、やっと人っ気のある道が現れ、行く手に車の行き交う道が見え始めた。
記 2020/11/3
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