八千代町→岩内橋
(以上#15-1)
(以下#15-2)
→上札内
(以上#15-2)
(以下#15-3)
→帯広空港
63km
RYDE WITH GPS
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八千代町→岩内橋
(以上#15-1)
(以下#15-2)
→上札内
(以上#15-2)
(以下#15-3)
→帯広空港
63km
RYDE WITH GPS
最終日の天気予報は午前中曇り、午後晴れ。一昨日と同じなのだが、今日の方がずっと寒々しい雰囲気だ。
早朝すかっと晴れていた空は6時頃から雲が出始め、朝食中にすっかり曇ってしまった。快調だった旅の起承転結としてやや纏まりが悪いものの、これが旅のリアリティというものかもしれない。
R0010723-Edit1.jpg 北海道Tour20秋#15 2020/9/22(火)八千代町→帯広空港 北海道帯広市八千代町基線 帯広八千代YHにて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
7:30、八千代YH発。相変わらず、いや、早朝より雲はますます濃く、辺りはすっかり薄暗く肌寒い。
宿の前から戸蔦川沿いの谷へ、道道216を登ってゆく。畑が拡がる開けた平地は、実は全体的に傾斜していて、行く手へ登っていることは、脚の重さだけでしか感じられない。
十勝西部縦断道道を越える交差点と八千代牧場・上札内、毎日お馴染みの地名が描かれている看板を通り過ぎ、いくつか区画を遡ると、牧草地の向こうに山裾が近づいてきた。次第に平野部分の牧草地が狭くなり、道は森の中へ。この間路面は舗装のままである。
R0010725.JPG 北海道Tour20秋#15 2020/9/22(火)八千代町→帯広空港 北海道帯広市八千代町西2線 道道216拓成橋にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
拓成橋で戸蔦別川を渡り、対岸の道に合流。谷間を下手方面へ折り返す。市道らしき道は、やや細いながらこちらも舗装だ。橋の手前には対岸には全く無かった民家が散在していた。何だかこれだけで人里に帰ってきた気になってひと安心できた。
市道らしき道は、深さを感じさせず浅くもない戸蔦別川沿いの森をくぐり抜けるように、どんどん下ってゆく。森の合間には畑、小さい牧場が断続していた。ずっと里が続くわけではないものの、比較的里っぽい谷間である。
川沿いの森から戸蔦別を、集落に接するように南側で掠めて通過し、次は岩内川の谷へ。
道道111で山裾の谷間を、再び上流方面へ遡ってゆく。雲が切れ始めて、さっきより周囲は多少明るくなってはいたものの、しかし風が吹き始めて肌寒い。周りの広葉樹が何だか色付き始めている。夏の名残一杯ながら、晩秋の気配が伺えたりもするところが北海道の秋らしい。
山裾まで開けた畑は次第に狭くなり、道端の茂みが高くなって、道は谷間の森の中へ。やはり道は舗装のままで、森の中にも安心感がある。
岩内橋で岩内川を渡り、下手へ折り返す。橋の手前に建つ岩内神社と、橋から見える戸蔦別川よりやや広めで深めの谷に、以前この道を通った時の記憶が蘇ってきた。計画時に確か通ったことがあるはず、と思っていたのだ。
対岸の道は、こちらも山裾の森と川原の境界部に森と畑が断続した。静かな道を谷間から山裾の川沿い、そして周囲が開けて畑の中へ。
R0010726.JPG 北海道Tour20秋#15 2020/9/22(火)八千代町→帯広空港 北海道帯広市岩内町東1線 道道240にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
新札内、西札内から上札内へ。昨日上札内から戸蔦別へ向かった道の、少し山裾側にGPSトラックは描かれている。山裾なので開けてはいても起伏が目立ち、畑の丘がバウンドした後次は森に変わったりする。
R0010727.JPG 北海道Tour20秋#15 2020/9/22(火)八千代町→帯広空港 北海道河西郡中札内西札内にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
途中、地形図で道が黒線に変わる場所で、やはり道はダートに変わった。でも下手側に、昨日上札内の先で見覚えがある鉄塔が見えていた。絶えず安心感とともに続く、里のGPSトラックツーリングである。
R0010728.JPG 北海道Tour20秋#15 2020/9/22(火)八千代町→帯広空港 北海道河西郡中札内上札内 道道240上札内橋にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
9:00、上札内着。裏道から辿り着くと、何だか昨日来たばかりの町が多少賑やかに感じられる。十勝の空間感覚が身体に馴染んできているのが嬉しい。
上札内の集落から再び山側へ。昨日尾田から通ってきた道道55の外側の未済経路へ向かう。
上札内では雲が切れ、辺りは日なたの中だったのに、山裾へ向かい始めると早くも雲が下がってきて水滴を感じ始めた。冷たい風も吹き始めて黄葉がやけに目立つのは、ここまでの2つの谷間と同じ傾向だ。気候の良いところが里になっていることを感じさせられる。
今度はあまり谷間を遡らず、道道55へ向かう80m丘越え区間へ。80mと言えども細道が何本かの密な等高線をまともに貫いている地形図を見て、やや厄介だなという気はしていた。
実際に現れた坂も、10%位の激坂ではあった。しかしそれも束の間、意外にさくさく進行して登りは終了。まあ、所詮は80mだし。
丘越えの後、道は牧草地から森の際を、ややイレギュラーな線形とともに抜けていった。鞍部らしき場所は適度な起伏があり、山側が空に開けた牧草地はなかなか居心地が良く、登りは下りの勢いで半分以上登れる位のペースで通過。快走している気分になれる。
しかしその後、道は段丘部をくねくねと急降下。幅が更に細くなり、牧場の外れのような森の端のような中途半端に茂みっぽい低木の中へ、迷走感ととともに続いていった。GPSトラックから外れていないことだけが、私を先へ進めていた。
R0010729.JPG 北海道Tour20秋#15 2020/9/22(火)八千代町→帯広空港 北海道河西郡中札内村元更別東1線 更別村営牧場にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
しかしその後、道道55にはすぐに合流できた。そこは元更別の、少し上手なのだった。ここまで見えていた牧草地や牧場は、道道55の最高地点周辺で見かけていた更別町営牧場だったのだ。みんな改めて地形図を見直すと、確かにその通りの場所であり、全て計画通りの展開である。ちゃんとGPSトラックを引けてはいても、現地で意外に感じてしまうのは、自分に現地のイメージが無いからだろう。
9:40、中更別通過。
次は更別町の台地上を段丘上の縁に近い場所を回り道し、最終的に中札内へ向かう予定だ。しかし、何だかもう時間が足りないような気が急くような気がして仕方無い。あまり深く考え込まず、最短コースで中札内へ向かってしまうことにした。カレーも食べたかったしね。
一旦GPSトラックを離れ、一目散に山裾から平野部の中を目指して下ってゆく。下り始めると、それまで低く厚めだった空の雲が切れ始め、青空が現れ始めた。
下り基調と追い風に乗って、快調ペースが続いていた。左隣に続いていた山は区画を進む毎に低くなり、防風林に隠れてしまった。振り向くと後ろ側の山ももう小さくなっていた。最初1区画に1つしか無かった農家が区画の中に現れ始め、次第に周囲に人の営みの雰囲気が漂い始めた。防風林が切れて気が付くと、その向こうもどこまでも真っ平ら。平地ど真ん中なのだった。
R0010732.JPG 北海道Tour20秋#15 2020/9/22(火)八千代町→帯広空港 北海道河西郡中札内村南常盤東1線にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
そして遠いと思っていた中札内はあっという間に近づいていた。想定より移動ペースが明らかに速い。もうすっかり辺りは日なたになっていて、何だか絶好のサイクリング日和である。これはやはり回り道するべきだったかと思うが、こういうところで気を抜くと、後で取り返しにならないことがあるのだ。
中札内市街には南側から入り込み、10:10、中札内「道の駅なかさつない」到着。道の駅でGPSトラックが画面に戻って来た。
今日も午前中から訪問客で賑わう活気がなんだか懐かしい。一方で、ついさっきまで彷徨っていた山間の細道や中更別の廃村の静かさも思い出される。やはりもう少し回り道しても良かったかもしれない。でも、もう後の祭りであり、そんなことも旅の気分として味わえていることも確かではある。
などと考えつつまたもやカレーを食べて、空港までの地形図を確認。
10:40、道の駅発。さらば中札内、またいつの日か。
道の駅から空港まで、未済経路と裏道を選びに選んであるので、この期に及んでアドリブの余地は無い。
道は区画をずらしつつ北上し、どんどん細道に変わり、最後はダートになった。
でももう平地まっただ中で農家もある。不安は全く無い。
ばんえい馬の牧場を過ぎ、11:10、帯広空港着。
搭乗便は14時半発。昼食時間を多めに見込んでも、12時半昼食、いや、13時でも十分間に合うだろう。1時間以上余裕がある到着は、やはり少し早すぎる。更別村区間は省略する必要は無かったかもしれない。まあ、あの時はまだどんより曇りだったしな。それに時間ぎりぎりで泡を食うよりはましかも知れない。
輪行は比較的てきぱき進み、11:40に完了した。次は早めの昼食へ。空港の食堂はコロナ対策で縮小営業中だったものの、豚丼は全く問題無くいただくことができた。何か珍しいようなものが食べられないとしても、搭乗ロビーで生クラシックが私を待っている。
14:30帯広空港発、16:15羽田空港着。4日間ややタイトで盛りだくさんなコースだったのに、ほぼ予定通りの進行でき、感動は期待以上だった。夏とは正反対の、至って快調な旅だった。
記 2021/2/24
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