北海道Tour20#12-3
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12:40、道の駅なかさつない着。人気の道の駅らしく、今日も道の駅は観光客が大勢訪れている。
まずは昼食だ。未だ訪れたことが無い道の駅のレストランを訪問するチャンスではあるものの、ここに来たらまずは売店「サルバトール」のカレーを食べねば。
相変わらず美味しいチキンカレーを食べながら、ここらで地図を確認しておく。空港からここまでコース前半は3時間で55km。今日の予定コースは約95km、後半の残り40kmであと3時間ぐらい余っているので、全体的に安心の順調ペースだと思っていい。余裕があれば、明日の拡張オプションをこなしておいてもいいかもしれない。明日のコースは未済経路経由拡張オプションがやや盛りだくさんながら、十勝平野部一番北の屈足まで行く予定なのだ。なるべく明日の寄り道は少なくしておく方が良い。
などと余裕ある行程の可能性を考察しつつ、美味しいチキンカレーを味わうこの有り難さ。ついでにカレーが普通盛りで良かった。他の人が食べている大盛りは、見た感じ多すぎる。
カレーの後は、出発時に毎回お世話になる母にインカの目覚め5kgを送った。前回2015年、甘くて黄色くてぽくぽくでとても美味しかったのだ。しかし今回、帰ってから到着したインカの目覚めはぽくぽくではあったものの、前回ほど甘くはなかったように思う。
13:25、道の駅中札内発。
後半は中札内から上美生まで一旦北上し、折り返して西側の山裾を八千代に向かうというコースだ。八千代周辺では、3連泊する帯広八千代YH周辺で毎日なるべく経路が重複しないよう、かつなるべく未済経路を多く通れるよう、けっこう考えてトラックを描いている。特に往復経路が集中する八千代町近くでは、南北に平行直行する区画の道毎に、予定コースがずらっと並んでいる。上札内・八千代・上美生間では、並行している道が1本違うだけでそれぞれの景色の表情が替わり、しかもそれぞれ見応えがあるので、こういう走り方をしても毎日楽しめるのだ。そして十勝でこういう走り方ができるのは、帯広八千代YHの3連泊が確保できてしまった今回ぐらいのものだろう。
いつの間にか空にはやや雲が増え始め、辺りは日なたというより薄曇りの明るさになり、やや向かい風気味の横風も吹き始めていた。
しかし例え陽差しが翳ろうが、この辺の眺めはいい。特に西側の、日高山脈を背景にした畑の風景は素晴らしい。適度な距離とボリュームの山並みが青いシルエットの屏風となり、山裾に近づくにつれそれらは次第に大きくなってゆく。ブロック毎に入れ替わる畑の作物は、畑の拡がりを地形の微妙な起伏とともに引き立てる。
R0010661-Edit1.jpg 北海道Tour20#12 2020/9/19(土)帯広空港→八千代町 北海道帯広市太平町西5線にて #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA |
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こういう風景に区画毎に脚が停まって仕方無いのは、何度か訪問してよくわかっていた。今日は時間に余裕があって、宿も近いし、脚が停まっても下方修正すれば良いだけだし、そもそも4日間この辺の風景をたっぷり目一杯楽しもうと思っている。何の心配も無く、区画毎に脚を停めることができる。
清川町から太平町、広野町と道は全体的に少しづつ登り基調だ。
道自体は清川町からずっと安定した表情だったのが、農村の営みまっただ中の広野町で、道がそのままダートに変わったのは意外だった。地図では一見何の不安も無さそうな普通の区画道なので、この辺は全く空撮チェックしていない。
路面は次第にダートというより畦道のように柔らかくなり、ちょっと不安になる程だった。十勝には区画の道に、こういうダートが残っているのだ。というより、交差する区画道路を見ていると、どうやら1区画毎に道が舗装の幹線(道道又は町道)、舗装の町道か農道、ダートという風になっているようだ。
直交する区画道で唐突にダートは終了。裾を下って道道55に合流し、そのまま帯広川を渡って上美生へ。
1996年、最初にこの辺を訪れた時は雨だった。山裾を選んで通っていたら次第に雨が強くなり、たまりかねて山裾からやや下手の里を通る道道55でしばらくお茶を濁そうと思ったのだ。しかし雨は全く止まず、結局やや不安な気持ちのまま、お昼前の清水から終着の広尾まで全区間雨に悩まされたことを思い出す。
今日も道道55はさすがの幹線道道、安定した道が続く。辺りは畑が拡がり、山影はやや遠く、八千代や広野辺りに比べて広々と平地まっただ中である。
しかし空はもう完全に雲に覆われ、やや薄暗く、水滴すら感じるようになっていた。風も冷たい。風雲急を告げるように不穏だ。
上美生の手前が今日の折り返し予定地点だ。山裾上手の上伏古から八千代へ向う予定だったが、時間に多少余裕がある。ここは中札内での目論見通り、直接上伏古へ向かわず、美生川の谷を遡って明日のオプションコースを潰しておくことにした。
美生川を渡る谷間は、段丘の高低差が少なくて助かる。谷によってはけっこう盛大に登り返すので、この辺りの道の厄介な要素になっているのだ。
14:55、上美生着。地元の方が集落中程の商店を教えてくれた。ここで少し休んでいくことにした。
過去に何度か上美生を経由しているものの、この店を見かけた記憶は無い。かといって店の佇まいは周囲に馴染んでいるので、過去の訪問時に絶対に建ってなかったとも言い切れない。
店内は普通の萬屋というよりやや今風、イートイン未満の休憩スペース的に緩めな場所がある。調理パンなど個人的に今必要な物もあるので、コース上の補給場所として好印象だ。今は素直にこの店の存在を有り難がっておき、今後の訪問時には参考にしよう。
相変わらず気温は低い。空気中には水滴が感じられるような気もする。でも、低い雲は動きも速く、それほど薄暗くはない。今日の所はこのまま山裾寄り道区間へ行ってみよう。でないと、また後で訪れないといけないことになる。
記 2021/2/17
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