北海道Tour19夏#6
2019/8/13(火)仁宇布→中川-1

仁宇布→歌登→中頓別→八線→問寒別→中川 (以上#6-1)
(以下#6-2) 区間2 (以上#6-2)
(以下#6-3) 区間3 (以上#6-3)
(以下#6-4) 区間4 (以上#6-4)
(以下#6-5) 区間5

130km  RYDE WITH GPS

赤は本日の経路 濃い灰色は既済経路と航路

 4時。天気予報では、道北は全部1日中曇りマークが付いているものの、全体として曇り後晴れになっている。天塩などは15時の桝から後が明確に晴れだ。今日こそ、午後は晴れるのだ。
 ここ仁宇布の現在はと言えば、まだ雨が降っている。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道中川郡美深町仁宇布 ファームイントント #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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 6時の朝食時もまだ雨が降っていたものの、今日は夕方に向かってどんどん晴れるんだから、少し様子見したら多少降られても7時には出発しようと思った。もし9時まで多少降っても、山間でちょっと降られるのを耐え凌げばいいのだ。今日全体で考えれば朝だけのはず、今日こそは。と思っていると、6:25頃急に雨が止んだ。まあしかし玄関で雨具を着込んだり、外に出ても何だかんだ時間はかかってしまい、仁宇布ファームイントント発は6:50になってしまった。

北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道中川郡美深町仁宇布 ファームイントント #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道中川郡美深町仁宇布 ファームイントント前 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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 仁宇布の交差点へ下って道道120へ。仁宇布の中央部では雨は止んでいた。ほんの一部分だけだったものの、低い雲の切れ間に澄んだ青空すら見えて始めている。雲が低いものの辺りは明るく爽やかな雰囲気で、出発の気分が盛り上がる。

 しかし早くも仁宇布盆地最北部、松山牧場で辺りは霧雨っぽくなり始めた。ここで霧雨だと、西尾峠までたかだか80m登りではあるものの、その後上徳志別まで10数km山間まっただ中の谷が続く。どこかで間違いなく雨が降るな。と覚悟して、まだ霧雨のうちに雨具を着込んでおく。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道中川郡美深町仁宇布 道道120 西尾峠 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 西尾峠を越えると雨は一旦ぴたっと止み、路面はぬらぬら状態から黒くても水が切れている状態に推移した。

 しかし安心して雨具を仕舞い、フーレップ川の谷を下ってゆくと、織姫橋駐車場の前で突然空気中の湿度が高まり遠景が霞み、路面が濡れ始めて一気にぬらぬらに変わった。

 多分天の川トンネルの向こう、上徳志別川の谷間に出たら、また雨が降るのだろう。それ以上に目立って薄ら寒くなってきた。

 天の川トンネルの出口では、もう外界が霞んでいるのがよくわかったので、再び雨具を着込んでおく。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡枝幸町大曲 道道120 織姫橋休憩所 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 周囲のガスっぽい霞みはその後どんどん濃くなって湿度が高まり、遂に大曲で、臨界点を超えて空気中に結露したかのように突然普通降りぐらいの雨に変わった。去年ももう少し先の上徳志別で雨が降り始め、集会所の軒下を借りたのだった。しかし、去年と違って空は意外に明るく、不思議に悲壮感は無い。何と言ってもこれから午後に向けて晴れてゆく筈なのだ。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡枝幸町大曲 道道120 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 上徳志別の盆地に出ると、雨は再びほぼ止み、空の中は時々妙に明るくなったりした。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡枝幸町上徳志別 道道120 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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 志美宇丹を過ぎ辺渓内までは、まだ雲がどんより低く路面は黒々と濡れていた。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡枝幸町志美宇丹 道道120 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 辺渓内から先は路面が急に乾き始め、歌登市街の手前で雲の中に青空が現れたと思ったら、何と急に陽差しが現れ始めた。

 他で曇っていても歌登で晴れるというパターンはよくある。さすがに町になるだけのことはある。


 9:20、歌登セイコーマート着。朝食を食べたばかりでも、セイコーマートに来たなら最低限缶コーヒーは飲まねば。眩しいほど真っ白な雲、雲の切れ間の濃厚な青が感動的だ。近年の傾向通り今年も道東で雨が降り、道北で晴れるのかもしれない。少なくとも今後の行程が晴れならいいな。
 そしてこのまま天塩に行こうかどうしようか悩んでいた。悩んでいた、というより何となく他人事の様にこれからどこへ行くのかな、と想像していたという方が適切かもしれない。毎年同じような場所に来ていると、今絶対○○に行かねばならないという必然性は無い。だから旅程の選択は消去法主体になってしまうのだろうな。
 まあとにかく、今年の北海道も後半に入り、自分の前には道北がある。そして夕方中川に着くまでに、必ずどこかを経由する必要がある。今ここ歌登で、天気は晴れ始めている。この後も予報通りに推移して、天塩方面は確実に晴れるのだろう。せっかく夏の北海道に来たのに、今日まで雨と曇り続きだった。そうでなくても、やはり青空の下を走りたい。
 それなら何も考えずに天塩に行ってしまえばいいものを、何だかんだと煮え切らない理由は、あちら方面に向かう道が既知の国道や幹線道道ばかりだからだ。それでも、晴れの日の日本海と利尻を見れば、確実に来て良かったと思えることが間違いないだろう。
 天塩方面に行かずに兵安峠・中頓別・知駒峠経由で中川に向かえば、交通量の少ない道ばかりだ。そして天塩経由より走行距離は少なく獲得標高差が増え、まあちょっと楽かもしれない。しかし、夕方まで天気は曇りで陽差しが現れないと、風景があまり目新しくないのみならず、周囲が山深くて不安だ。そして知駒峠では、毎度のパターン通り、遠景があまり見えない低い雲の下登って下るだけになるかもしれない。
 具体的にどっちにするのか。消去法では決まらなさそうだ。やはり去年行ってない天塩方面かもしれない。

 時間の経過だけに何となく流されるままで煮え切らず、9:40、歌登発。

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 歌登市街外れの道道11から兵安峠へ向かう道道120の分岐直前まで、天塩に行くつもりだった。いや、今日自分は天塩に向かうのだと思っていた。しかし、分岐の交差点でまるでコックリさんのように何となくハンドルが動き、私は道道120へ向かったのだった。あれれれー、などと他人事の様につぶやいてすらいた。こういうことがあるのだ、と自分でも驚いていた。
 どちらに向かうか、もちろん自分で選択しているのだ。ただ道道120を兵安峠へ進みながら改めて考え直すと、日本海沿岸と兵安峠・知駒峠の選択ではなく、天塩方面へ向かうのにあまり前向きな理由が無かったのは確かだし、これから晴れるかもしれないという日には兵安峠・知駒峠に行っておかねばならないのは確かでもある。

 等と一人で納得してまずは兵安峠へ。歌登で青空が拡がり始めていた空が、再び低目の雲に覆われてしまった。それでも雲は真っ暗という程でもない。しかし牧草地の終点を過ぎリサイクルセンターの辺りで、行く手の路面がさっと黒くなったと思ったら、その向こうが急に霧雨に覆われ始めた。やはり来たか。

 雨具を着込んでそのまま登り区間を進んでゆくと、登り途中から雨はほとんど止んでしまった。基本的に晴れてゆくお天気進行ではあっても、山間はまだ劇的に晴れ始めるような状況ではないのかもしれない。

 雲が厚いので、気温は低い。寒いので雨具を着たままでいると、登りが始まって汗をかき始めた。もういろいろと面倒なので、そのまま登ってしまう。たかだか220mの登りなのですぐ下りもあるしね。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 峠から兵安までの下り区間は長い。

 下り区間というより、少しづつ高度を下げてゆくという方が適切なのはこの辺の谷間の常だ。そしてこの区間、仁宇布からずっと続いた道道120の終盤で標高も低いのに、谷が狭く森がかなり深く感じられるのだ。

 こういう低地の深い森を見ると、道北もずいぶん北に来ているなと実感する。

 峠から10km強続いた森から山間の牧草地へ放り出されるように降りると、兵安である。空間が拡がったためか、雲の中も急に明るくなり始めたので、拡がる牧草地の道端で再び雨具を脱ぐ。

北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡中頓別町兵安 道道120 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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 雲はどんどん動き、青空まで現れ始めた。まだ陽差しは現れないものの、晴れに向かっていると確信できるようになってきた。

北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡中頓別町兵安 道道120 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 中頓別へ兵安川の谷間を緩下り追い風の快調経済走行、牧草地と牧場と茂みと森が入れ替わり断続して10km弱。

 下るにつれ谷間が拡がり、青空も少しづつ拡がっていた。

 雲は低いものの軽やかに快調に空中を飛んでいて、時々空気中に水滴を感じても、もう雨は降る気がしない。

 11:40、中頓別着。ここにもセイコーマートがある。というかお昼時にセイコーマート、訪問のタイミングとして理想的だ。
 のんびりしているだけあって、歌登からここまで2時間かかってしまっている。この先中川の町まで食べ物を入手できるような商店は無い。未だにあまり腹は減ってないのものんびりしているからだろう。早めの昼食をちゃちゃっとこなしちゃって、早く知駒峠に向かおう。


 12:10、中頓別発。国道275の上駒から道道785へ。

 谷間の森が次第に狭くなり、山裾に突き当たっておもむろに登りに突入。

 やや広幅で大きめの線形の道はフェンスなどが今風の表情で、斜度も5〜6%ぐらい、淡々と高度を上げてゆく。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡中頓別町上駒 道道785 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 周囲の森は標高100m台後半には開け、低地と標高100m前後の斑状にちぎれた雲を見渡し始める。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 高度が上がるに連れ、上空に視界を遮るような雲は無くなっていることがわかってきた。全体的に空気は澄んでいて、下界の中頓別へ続いてゆく平地の拡がり、低山から丘陵を覆い尽くす道北の樹海が、迫力とともに見渡すことができる。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 更に上空、全体的に雲はやや拡がってはいるものの、薄くなっている部分に青空が伺えた。眺めは良いが陽差しはずっと雲に隠れていて、まあ暑くならないのは有り難いかもしれない。陽差しが出ていて暑かった前回より、雲が高くて見晴らしは良いのは有り難いことだ。

北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡中頓別町上駒 道道785 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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 その視界の中、特に美峰敏音知がてっぺんまで全部見えている。これはとても嬉しいことだ。記憶だと、敏音知の姿に感動したのは確か2001年に国道275を通った時だ。それ以降、この辺を通るときは天気が悪かったり、晴れの日は咲来峠や別の道を経由していて、敏音知の全貌にはお目にかかれていなかったのだ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡中頓別町上駒 道道785 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 最後のスノーシェッドから稜線をぐるっと巻く空中区間も、パノラマ感ばっちりである。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡中頓別町上駒 道道785 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 14:00、知駒峠着。峠の手前、やや管理放置気味の展望スペースからもう一度敏音知を振り返ると、早くも真ん中辺りを小さな雲が隠し始めていた。なかなか気難しい山である。でも、会えて良かった。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道枝幸郡中頓別町上駒 道道785 知駒峠 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 という個人的な思い込みとともに下界を眺める以外、峠自体は長居する程面白いような場所ではない。たかだか400mの登りに2時間も掛かるとは思わなかった。標高20m台の中頓別から約470mの知駒峠までは16km、やはりボリュームたっぷりである。途中で写真を撮りすぎなのかもしれない。などと遅さを自分で言い訳しながら退散するように、峠はそのまま通過して、上問寒側へ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道天塩郡幌延町上問寒 道道785 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道天塩郡幌延町上問寒 道道785 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 下りが始まって尾根を巻き東斜面へ出た途端、見下ろす低山稜線の上に、不自然なほど真っ白に輝く水平線が、やはり不自然なほどせり上がっているのが見え始めた。角度と距離感から言って、言うまでも無く日本海なのだが、何だか溢れそうなほどせり上がっているように見える。道が下っていて平地を眺めると、位置関係でそういう角度に見えるのかもしれない。変なところでそれなりに登ってきたのだということを実感させられる。

 これほど下界の眺めがいいなら、角度的にひょっとして…、と思ってもう少しそれっぽい雲の中を見回すと…、見えた!利尻が!

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 道が次第に北に向きを変えてゆくに連れ、裾の青いシルエットと、その上に忘れもしないギザギザの頂部が現れた。間違いない。手前の雲で中腹が分断しているものの、5回目の知駒峠訪問で遂に姿を現してくれた利尻は、それにしても意外な程でかい。そうだよな、道北で眺める利尻富士はどこで見ても意外な程でかいのだ、等と改めて納得させられる。
 2001年に上駒の道道785入口で、「利尻を一望」という旨の観光案内看板を眺めてから知駒峠に興味が沸き、始めて知駒峠を訪れたのは2008年。しかし過去4回の知駒峠訪問では利尻富士を眺めることができなかった。その後いつの間にか上駒観光案内看板は無くなってしまい、最近は「知駒峠から利尻が見えるなんて嘘だったんじゃないか、あの看板はマボロシだったのかもしれない」とすら思っていた。しかし、あの看板は嘘じゃなかったのだ、と思った。

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 日本海の眺めといい利尻の眺めといい、さっき眺めた敏音知と言い、今まで知駒峠を過小評価していたかもしれない。ごめんよ、知駒峠。でも、いつも天気があまり良くないのも悪かったじゃん。などと一人で自問自答するのも楽しい。それほど嬉しい訪問だった。何となく流されるような訪問だったような気がしていたものの、今日は知駒峠に来れて良かった。

 面が大きいせいか比較的なだらかに見える山腹を、大きめのつづら折れを描き、幅広今風道道の道道583は高度を下げてゆく。

北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道天塩郡幌延町上問寒 道道785 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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 見下ろしていた下界は低山のディティールに変わり、次第に近づいてくるとともに、遠景が低山の波の上に隠れてゆくのは何だか名残惜しい。

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 下界の明るい牧草地がどんどん迫り、麓の森に突入して、最後に山裾の森から牧草地へ下りきり、14:45、上問寒八線着。

 天塩から続くサロベツ原野、その東端谷間の先端部だけあり、天気も天塩の晴れエリアに面しているのか、空は完全に晴れつつあった。

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 八線の分岐自体は牧草地の中で単に道が交差しているだけの場所だ。信号すら無い。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 上問寒から宗谷本線が通る問寒別まで、幅数百m程度の谷間が約10km強。谷間の南北に道が通っていて、南側は灰屋を貫くように直線気味、北側の道は山裾に沿ってやや屈曲して分断気味となっている。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道天塩郡幌延町中問寒 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 過去何度かの訪問では、この区間であまり時間を掛けたくない(というより知駒峠下り区間の距離感しか無かった)ような状況だったため、南側の谷間まっただ中を直線基調で貫く道を、最短経路として使うことが多かった。今日は知駒峠を下ってきて気分が一段落していて、とはいえ終着の中川まで目と鼻の先というわけでもない。この後もう天塩まで脚を延ばす気は無くなっていて、だらっともう一花咲かせるのに、未済経路消化のつもりで北側の道へ脚を向けてみたのだった。

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 何かと時間がかかった結果やや気分はだらけていて、まあ仕方無いね、歳だからなどと思って脚を向けてみた、という面もあったものの、今日はこちらの道で正解だった。右側に山裾の牧草地と森、左は上問寒の谷間が広々、そして遠くに向こうの山々。風景、いや、風や匂いや自分の周囲の空間、全てがいかにも道北山裾の牧草地らしく、きょろきょろ見渡しながらのんびりと落ちつける道だったのである。

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 斜めから赤みを帯び始めて照りつける陽差しの中で、緑と空は濃厚で鮮やかな色になっていた。ほとんど車が来ない牧草地の中、道の向きは時々変わると共に周囲の空間全体が変わり、退屈することが無い。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 静かな細道をのんびりてれてれ流しながら、こういう道でこういうふうにのんびりしたくて北海道に来ているんだ、とつくづく思った。別に歌登から中頓別まで時間が掛かったって関係無い。1日の走行距離は昔より短くなったものの、そんなこと一向に構わないじゃないか。自分で自分の時間を使って旅をしているのだから。いくつになってもそういう旅をすることこそ、自分の旅の目的なのだ。できる範囲で、可能性に向けてできることができれば、それなり以上に満足できるし、自分のツーリングにはそれが一番大切なことなのだ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 ということを、改めて気付かされてくれた。

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 宗谷本線の手前で北側の道は終わり、唐突に南へ曲がって集落へ。西部劇のように広い通りに家が貼り付集落の、それでも何とか町らしい佇まいは中頓別以来であり、何だか懐かしい。

 15:30、問寒別着。昔なら更にもう3時間。あと5〜60kmぐらいは詰め込んでいた時間帯だ。しかしもう今日の宿の中川まで最短距離が静かな道道583で10数km。

 何だか陽差しも真っ赤っかになり始めている。これが8月中旬、道北の秋の気配というものだ。

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 サロベツ原野から平地が続いているためか、問寒別から風向きはかなり露骨な向かい風に変わっていた。その強い向かい風に揉まれるように、道道583を南下してゆく。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道中川郡中川町歌内 道道541 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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 当然のようにペースは上がらず、急に向かい風が吹き付けてがくっとペースが落ちたりもする。しかし、もうのろのろでも何でもいい。

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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道中川郡中川町歌内 道道541 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
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北海道Tour19#6 2019/8/13(火)仁宇布→中川 北海道中川郡中川町歌内 道道541 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 歌内手前のソバ畑、天塩川沿いの牧場、中川近くの山裾牧草地と、濃厚で鮮やかな牧草地、ソバ畑、空に、各駅停車状態で脚を停めてゆく。

 今日はもう何でも楽しめる気分になっていた。そしてこの強風なら、天塩方面への往復どちらか或いは両方で、かなり苦労するに違いない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 牧草地の明るい草の色を眺め、雨の中だった去年を思い出す。たった1年違うだけで、こんな日も来るのである。

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 16:45、中川ポンピラアクアリズイング着。

 昨日のノースキングでも思ったが、定食は十分で充実しているものの、夕食は併設レストランでアラカルトをその都度注文する方が美味しそうなのだった。

記 2019/12/8

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Last Update 2020/2/2
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