五島列島Tour19#9
2019/5/5(日)
久賀島 田ノ浦→田ノ浦-2

田ノ浦→内幸泊 (以上#9久賀島-1)
→五輪
(以下#9久賀島-3) →深浦
(以下#9久賀島-4) →田ノ浦

40km RIDE WITH GPS

内幸泊から蕨経由で五輪へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 内幸泊から東岸の蕨へ向かう、久賀島の稜線を越える小さい峠へ。たかだか75mの登りだが、やはり斜度は10%超だった。

 

 下りはルートラボで選んだ、というより選べた実線の道へ。幅2m以下、荒れ気味のやや心許ないコンクリート舗装道が、茂みから山腹の畑を急降下。この道、ルートラボでは一応新道とも県道167となってはいる。あまりの悪路に、下る途中で真っ青な海はちらっとしか見ていない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 最後はいきなり漁村の裏道に着陸、民家裏手みたいな庭先みたいな土地利用の隙間のつながりみたいな空き地以上公道未満の細道を辿ってやっとまともな道に出た。まあ、とりあえずまだ先へ進まねば。

 蕨で県道167は終わり、五輪への道は林道に変わった。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 畑から茂みの中へ、茂みから森へ、入り組んだ急斜面を巻きながら、急な登り下りがジェットコースターのように続いた。あまり延々と続く坂ではないものの、道が狭くて路面はやや荒れ気味、道の周囲はやや密に森が生い茂りブラインドコーナーだらけなので、登りも下りももう10km/h台ののろのろだ。

 でも路上は涼しい木陰の中だ。ところどころ周囲が開けて小さい畑が現れたり、濃い森の向こうに時々青く明るい海の色が見えたり、例によってトンボや蝶も多く、狭い路上空間とともに楽しい道だ。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 ただ、かなりののんびりペースのため、早崎を回り込むまで時間はやや長く感じられた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 福見で道は海岸に降り、防波堤が切れた海岸には漁港が現れた。

五島列島Tour19#8 2019/5/4(土) 福江島-4 三井楽郷→福江 長崎県五島市蕨町福見 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 番屋に細いコンクリートの桟橋、岩場、明るい色の海に浮かぶ小さい漁船、遠くの岸辺。絵に描いたように鄙びた漁港である。海も森も空も、風景の色がお昼の高い陽差しでことごとく鮮やかで濃厚になっていたので、誘われるように細い桟橋の先端へ行って、青い海の真ん中にいる気分を味わってみたりもした。車だったらなかなかこういう所に立ち寄ったりはしないだろう。今日久賀島に来れて良かった、と思った。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
  久賀から蕨経由で五輪へ 赤は本日の経路

 つい長居してしまった。
 廃屋がやや目立つ福見の集落から五輪まで、登り返しがもう1回。ここでやや想定外の事態が発覚した。GPSトラックが、何と五輪まで描けていなくて福見の集落の中で止まっていたのだ。ということは、福見から五輪の往復は、計画の距離と標高差に含まれていないということだ。道がルートラボで拾えなかったのも気になる。車で通れない何かがあるのだ。それに地形図では、福見から五輪までが蕨から福見までと同じぐらい、いや、もう少し長いぐらい(結局たかだか3kmだった)、それに福見まで曲がりなりにも白道だった道が、福見から五輪までは単線のくねくね道に変わっていた。
 いかにこういう重要なことを何も知らずに、つまり五輪教会なんて知らずに計画していたかがよくわかる出来事だが、こうなったらもう先へ進んでしまえ。時間はまだあるし、天気だって申し分無い。

五島列島Tour19#8 2019/5/4(土) 福江島-4 三井楽郷→福江 長崎県五島市蕨町福見 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 道は白道(幅員3〜5.5m)と単線(1.5〜3m)の違いぐらいに細くなったものの、幸いその後も路面と道の周りと線形はここまでとあまり変わらず、福見まで来てしまった身には淡々と感じられた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 もう1回登り返した後、道は途中から短いダートに変わり、森の中の小さい駐車場に到着した。駐車場には「旧五輪教会堂まであと500m」と看板が立っていた。最後は徒歩なのだ、とこの時初めて知った。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 自転車を崖の斜面に立てかけ、フロントバッグだけ担いで遊歩道へ。

 つづら折れで遊歩道は海岸へ降り、やや幅の広い防波堤の上を歩いて小さい入り江に到達。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

 入り江の向こうにやっと、やや古びた教会、その奥にやや風格が感じられる木造瓦葺きの建物が現れた。あれが目指す旧五輪教会礼拝堂に違いない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 入り江の石浜をぐるっと回り、14:20、旧五輪教会礼拝堂着。

 私の到着とともに、手前の庫裏のような建物から、名札を着けた解説のお兄さんがまるで新手のスタンド使いか暁メンバーのように出てきた。地元のNPOの方のようだ。お兄さんに従って、中へ入らせていただく。お話しを伺ううちに、この方は自転車乗りの方ということが判明した。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 内部には記憶があった。特にヴォールト天井に船大工の技術が応用されているという話が、事前予習した中でも印象に残っていた教会である。悲しいかな事前予習の段階ではどこがどこだかさっぱり記憶できなくて、今日この教会が現れるとは全く思っていなかったものの、やはりここまで来ることができて良かった。
 しかしそれ以上に、そういう技術を使って造られた空間自体が素晴らしいことが、とても嬉しく感動的だ。やはり建築は写真や映像じゃわからないと思い知らされるとともに、ずっとここまでやって来て、この空間に出会えたことの素晴らしさ。多分今回五島列島で訪れた教会の中で、一番来れて嬉しかった教会だと思う。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 時間を見ると、久賀島に着いてからそろそろ2時間半。何と手持ち時間が半分以上過ぎつつある。愕然とした。あれだけ余裕があると思っていたのに、日坂島での予定を全部予定をこなせない可能性が高い。思えば蕨から時間が掛かったからな。
 と思っていると、浜脇教会で追い抜いた教会ツアーの方が到着。さっきの駐車場に車を停められているようだ。浜脇教会以外にも回られているようで、やはり車は速い。教会ツアーには、私に説明して下さった方と同じNPOの方が着いて回られているとのこと。これからその方の解説が始まるところだし、そうでなくても礼拝堂の素晴らしい空間から去りがたいものの、久賀島での行程全体から考えるとかなり時間超過気味だ。解説開始のタイミングとともに、14:45、五輪教会発。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

 入り江の向こうでもう一度、礼拝堂と入り江を振り返ってみる。まだ陽は高いものの陽差しはそろそろ赤みが混じり始めていて、彩りが増し始めた入り江が帰りを見送ってくれているような気になれた。明日の今頃はもう東京である。本当にここまで来て良かったと思う。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

記 2019/6/16

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Last Update 2020/1/12
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