五島列島Tour19#6
2019/5/2(木)
宇久島 平→平-2

平→本飯良汐出浜 (以上#6宇久島-1)
→平
26km ルートラボ

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 

 砂浜から道路へ戻り、森の中に12〜3%ぐらいの坂から島南西部の断崖上へ。宇久島でのコース最高標高はせいぜい100mちょっとで小値賀島のコースと変わらないのに、計画獲得標高値が小値賀島の2倍ぐらいあることを、そろそろ身体で実感し始めていた。

 断崖上を島の西岸へ回り込んでゆくと、突如周囲に草原が拡がった。「空から日本を眺めてみよう+」で紹介されていた「草原平原」である。ここは訪れるのを楽しみにしていた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 名前通りの草原平原である。草が綺麗に苅り揃えられているのはゴルフ場だから。とはいえ料金無料とのこと、確かに入場管理に相当するような施設は何もない。草原平原は放牧場でもあり、ゴルフ場に本当に牛が放牧されていた。五島列島では、ミネラルを含んだ海風が牧草を育て、五島牛が美味しくなるらしい。牧草地がゴルフ場だと、流れ弾に当たったら牛でもたまらなく痛いだろう。幸い今日の所は、ゴルフ客は1組だけだった。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
五島列島Tour19#6 2019/5/2(木) 宇久島 長崎県佐世保市宇久町平原草原 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 海を見渡す草原と松林の境に続いていた細道が、GPSトラックが内陸の車道へ向かう分岐から、茂みの向こうへ降りてゆくのが見えた。海岸方面へ更に細くなって、やや寂しげな雰囲気が漂っている。あっちは確かルートラボで拾えなかったのと確か行き止まりだったので、空撮では舗装っぽかったが内陸へ向かうことにしたんだった。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
五島列島Tour19#6 2019/5/2(木) 宇久島 長崎県佐世保市宇久町大久保 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 ここまで時間を食い気味なので、ここは手堅くトラック通りに内陸へ登る道へ。しかし海側には時々、さっきの細道が草原の中に、舗装のまま続いてゆくのが見えた。道幅は軽トラがすれ違うのも難しそうな雰囲気だ。あれがルートラボでトラックを拾えなかった理由だろう。でも、あの細道は眺めが良いに違いない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 
五島列島Tour19#6 2019/5/2(木) 宇久島 長崎県佐世保市宇久町大久保草原 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 と思っていたら具合良くGPSトラックが少し先で道の外側、海岸方面へ分岐していた。しかし分岐に着いてみると、その道はかなり豪快に海岸へ直滑降しているのだった。そして眼下の海岸には、黒い岩場から丘の上の草原へかなり細い道が下って登っている。あれが計画時に地図で見ていた大久保平原だ。車が何台か細道をのろのろ走っているので、景色は良いのだろう。

 せっかく県道で70mまで登ったのに、また海岸だ。繰り返される里と海岸の繰り返しに、そろそろうんざりし始めていた。それに時刻はもう11:00。平からここまで1時間半、平に戻って12時半発とすると、残りあと1時間半。あんな所をいちいち登って下っていたら、宇久島東岸コースを相当カットすることになるに違いない。人生には選択と集中が必要である。大久保平原は止めだ。こっちだって眺めがいいじゃないか。
 と、大久保平原をショートカットすることにして、30m以上、ピーク手前まで登ってはみた。その間ずっと悩んでいた。ここで先へ進んでもまたこの後、似たような状況が現れて急ぐことになる可能性は高い。少なくとも、今この凄い風景を前に中途半端なことをすると、後でずっと後悔する。

五島列島Tour19#6 2019/5/2(木) 宇久島 長崎県佐世保市宇久町大久保草原 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 というわけで引き返し、GPSトラック通りに細道へ。眺めたとおりに下る下る。つんのめりそうなので降りて押そうかと思う程、かなり急なコンクリート舗装下りが続いた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 
五島列島Tour19#6 2019/5/2(木) 宇久島 長崎県佐世保市宇久町大久保草原 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 結論から言えば、大久保平原には行って良かった。やはり宇久島で一番心に残った場所となった。

 道は一度ほんとに海岸まで下った。不自然なほど真っ黒い大きな岩に石ころ、まさに風にそよぐ草原、明るく鮮やで透明でいて濃紺の、凄い色の海を眺めることができた。

 しかし岩場に近づくとそこには、海の色彩とは完全に無関係の、漂着ゴミがかなり溜まっていたのだった。梱包材の発泡スチロール、ペットボトル、ビニール、浮き等々。黒い石の間、自然の風景とは無関係な材質はますます目立っていた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
 
五島列島Tour19#6 2019/5/2(木) 宇久島 長崎県佐世保市宇久町大久保草原 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

 54歳にもなると、予想外の展開による大きな気持ちの変化になかなか気付きにくい。自分が何を感じていたか、何度か思い出してずっと後で始めてわかるのだ。この時はちょっと悲しく、楽しんでばかりでいいのか、という気持ちになったかもしれない。行く手の反対側、岩場の陰の砂浜には小型乗用車が1台停まっていた。確実にそちらは更に絶景なのだと思われたものの、家族連れっぽい先客への遠慮、先の行程への焦りもあり、そのままトラック通りに大久保平原を去ることにした。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
五島列島Tour19#6 2019/5/2(木) 宇久島 長崎県佐世保市宇久町大久保 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 再び登り返して県道160に合流。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 もう選択と集中の巻き巻きリストラ進行で島東側内陸の回り道は省略し、島北部の太田江の漁港に降りてみた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 真っ青な空の真上から入り江を強い日差しが照らしていて、真っ青な港にぷかぷか浮かんだ白い漁船、錆びて崩壊寸前のガードレールが静けさを盛り上げていた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 何だかこの風景で、宇久島での行程に満足できる気分になった。これだけ寂れた、枯れた漁港はなかなか見られるもんじゃない。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成
 

 そしてもう1度宇久島に来れるなら、今度は1日かけよう。でもその日は今日みたいな晴れとは限らない。晴れでも雨でも、今日の旅は今日しかできないのだ。ならば今日、晴れの中通島で予定通りに行動を進めて楽しんでしまえばいい。平港に戻って中通島へ向かおう。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 県道160に戻ってから、松尾で畑の裏道へ。

 丘の台地で地形を日和見しながら南下し、最後は平へ急降下。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 一応1周はしたものの、終盤の島の東岸はやや打ち切りっぽい宇久島訪問ではあった。まあしかし、満足はできた。晴れの日に宇久島を観ようと思ったら1日必要だ、ということもよくわかった。

 12:00、平着。もうすっかり日差しが高く、照り返しが暑い。五島列島に来てから初めて暑さが感じられている。津和崎丸は12時半に平に来て下さるとのこと。理想的だ。午後も順調ペースで行程を進めてゆきたい。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 さっきから腹が減り始めていた。目に付いた買物主婦っぽい方に教えていただき、「あられ茶房」で五島牛ローストビーフ弁当を入手することができた。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8
 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 12時半前、湾の中に突然点が現れ、あっという間に大きくなって津和崎丸が到着。

 

 船が桟橋に近づいて驚いた。船の高さが、桟橋の高さより明らかに1m以上低くなっている。海面が低くなったのだ。僅か3時間の間にこれだけ潮が引くとは。
 これじゃ船には怖くて乗れない。想定外の事態だ。と思ったら、しかし桟橋にはところどころ60cmぐらいの幅の階段が、下に降りているのだった。そして津和崎丸は上手に階段脇に船を着けて下さった。考えてみれば、こういうことは日常以上の当たり前の話なのだろう。
 60cm幅の階段の外側が海なのは怖ろしいものの、やはり思い直すと山サイではこんなのごく普通の話でもある。恐る恐る担ぎで階段を降り、自転車手渡し完了。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 12:35、平港発。
 朝の乗船時に引き続き、海も島の緑も岩もものすごい色濃度だ。鮮やかというより色自体が濃いというか、それでも色は明るく、眩しくすらある。津和崎丸がかき分ける白いしぶきは気分が良いが、海水も見るからに粘度が高そうだ。というかそれは塩分含有量の現れであり、そういう見た目の印象より、船先端で潮風を叩き付けられている自転車が悲鳴を上げているのは確かなことだった。頼む、2号車よ、辛抱してくれ。津和崎までもう少しだからね。
 等と思っていると、船長さんは途中船のエンジンを緩め、野崎島の中腹に建つ神島神社を教えて下さった。ごろごろの岩浜に鳥居が、かなり切り立った森の中腹に確かに屋根が、そして象徴的な高い岩場が見えた。
 しばし海上にぷかぷか浮かんでいると、今日も黄砂の影響で少し遠くの島々がまるで霞みでもかかり始めているように霞んでいることに気が付いた。そう言えば午前中から目がパチパチしていたのも、黄砂のせいかも知れない。船長さんは黄砂と呼ばずにPM2.5と呼び、顔をしかめておられた。

記 2019/6/8

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Last Update 2019/7/7
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