宇久島までは20分。最初は船底の客室にいようと思ったが、景色が見えないのと靴を脱ぐのが面倒だったので、入口部分に立って首を出しているうち、いつの間にか助手席にお邪魔することに。
穏やかな今日の海を、波をかき分けて津和崎丸はぐんぐん、意外な速さで進む。昨日通った小値賀空港や野崎島やその他小島が、近くや遠くを過ぎてゆく。雨の日の輪行バスでも思うことだが、動力というものは凄い。力強さは大変心強く、一方で船底の下はもう海水なのだ、とも思う。
晴れているので海の色は濃厚で印象的な紺色、浅瀬では鮮やかな明るい水色だ。船が波を切ると白いしぶきが拡がってゆく。陸地の島々の緑も岩の色も、濃厚で鮮やかで明るい、何と言えばいいのかわからないような印象的な色だ。これを見ものと言わずに何と言おう。
宇久島13時半発だったのを、12時半〜13時に時間を早めるお願いについても、午前中のお客さん次第でうまくいけば12時半頃には宇久島の平港に来ていただけるかもしれないとのこと。連休だけあって今日は津和崎丸も予約が一杯、フル稼働なので、実際にお昼のいつ頃に平港に来ていただけるか、12時に電話して確認することになった。こちらもスケジュール管理しながら、宇久島での時間をこなすことになる。まあでも、3時間で41kmならまず大丈夫だろうとも思う。
9:20、平発。小値賀島と同じく、時計回りでまずは南岸を西へ。
港から台地上へ、たかだか40mぐらいの丘なのだが、宇久島でも坂の斜度は相変わらず10%基調のようである。
蒲浦で漁港に降り、再び台地上へ。
下山、福浦、鬼塚と台地と丘の登り下り、畑と森が断続した。
宇久島の地形は、基本的には隣の小値賀島と似ているのだが、違うのは低地と台地上の標高差が小値賀島の2倍くらいなことだ。まあ20m以内と40〜60mぐらい、というぐらいの違いなのであまり大したことはないものの、小値賀島の後だからか、宇久島の方が登り下りがしんどいことは確かだ。
神浦の上手で道沿いに学校が現れた。いや、学校ではなく元小学校とのこと。「空から日本を見てみよう+」で、2016年に廃校になると紹介されていた学校だ。RC3階建ての校舎はなかなか立派で未だに小綺麗である。
海岸まで降りて、堤防内側のコンクリート舗装を通って漁村の中へ。
今日は海も空も軽やかで鮮やかな明るい色だ。のんびりと、車が来ない道をてれてれ惰性で進むのが気分が良い。
本飯良では田んぼと浅瀬の湾が堤防で隔てられていて、再び堤防内側の通路を道に出るまで進んでゆく。
海も緑も鮮やか、風は爽やかで車も来ない。想定ペースに全然乗ってないのがやや気がかりだが、お構いなしにますます海の色と開放感に脚が停まってばかりいる。
堤防から見えていた砂浜、汐出海水浴場へも、この際立ち寄ってみた。白い砂浜の照り返しがまぶしく、海が明るい水色で透明度が高い。海上には寺島が大きく浮かんでいる。あんな島へ渡ってしまったら、もう1日海でも眺めてのんびりするしか無いんだろうな。
基本的に素晴らしい砂浜の風景なのだが、昨日の小値賀島と同じく、合成樹脂系の大小漂着ゴミが目立つ。海が美しくても、観光地度が低いと掃除する人すらいなくて、海岸はこうなってしまうのだろうと思った。
記 2019/6/8
#6宇久島-2へ進む
#6小値賀島2へ戻る
五島列島Tour19 indexへ
自転車ツーリングの記録へ
Topへ