五島列島Tour19#5
2019/5/1(水)
中通島3 小串郷→青方-3

小串郷→上五島空港 (以上#5中通島3-1)
→大田郷
(以上#5中通島3-2)
→青方
60km RIDE WITH GPS

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
ニューサイ写真 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 もうあとは坂を一下り、20m台まで一気に下った後、周囲の茂みが畑に変わり、集落があっという間に何となく郊外っぽくなって、10:10、有川着。

   RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 わずか3時間前はここにいたのだと思う。そしてこれならもう余程のことがない限り、青方13時には確実に間に合うだろう。

 有川市街から国道384を避けたいと思い、裏道のつもりで入り込んだ蛤浜では、白砂の砂浜に水色の渚を眺めることができた。思わぬ収穫に気分が良いのも余裕のなせる技である。

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 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8

 時間の余裕はあるのだが、七目郷の五島うどん「竹酔亭」はもういいやとも思った。

 そのまま青方峠を越え、飲食店や食料品店が比較的選びやすい青方市街も好ましい、イメージの店が道端に現れないので通過してしまう。いや、もともと好ましい食料品店のイメージなんて無い。とにかく訳も無くとにかく青方港へ行かねばと、気が急いていたのだ、と他人事のように思う。もう少し気持ちに余裕を持って、何か買っておけばよかったとも思う。

 青方の入り江沿いに、やや慌ただしく落ち着かない国道384を西へ。跡継トンネルの信号前からGPSトラックに従いそのまま岬方面へ、先端部のフェリー桟橋を目指す。

 

 青方港はどちらかと言えば物流っぽい港というぐらいに殺風景だ。何とか小さな倉庫の一つに、野母商船の青方代理店「道津運送」の文字を見つけることができた。電話予約しておいた太古の切符を、ここで受け取る必要がある。
 倉庫の事務所が予約券の発券所だった。切符の発券は11時過ぎからだったものの、問題無く発券してくれたのは有り難いことだった。

A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路
 

 10:50、ストリートビューで予習した印象より、居心地の良さそうな雰囲気が漂う太古待合所へ。1日1往復しかない博多からのフェリー太古には、専用の、しかも平屋ながら新築の待合所があるのだった。しかし出発時間が近づくにつれ、待合室の外で待つ人が出る程お客さんがかなり増え、専用待合室は必要なのだと納得。それに博多からの太古は早朝だし。

 RICOH GRV GR18.3mm1:2.8 パノラマ合成

 いくら何でもそろそろ来るはずなんだがと思っていると、海上に点が現れ、すぐにそれが太古の姿になった。フェリーオーシャンでも思ったが、船というものは意外に速い。あっという間に現れて近づくし、乗ってみると海上を意外な程の勢いでどんどん進むのである。

 近くに来るとやはり太古は大きく、しかし思ったより小さいようにも見える。後部車両タラップから自転車に乗ったまま乗船して、自転車を壁にロープで繋いでもらう。積載室はフェリーオーシャンと違い、完全に屋内である。海上の経路がGPSで記録できないとちょっと残念だと思った。しかし、問題無く記録できていたのは有り難いことだった。
 積載室から船室に向かうと、乗客達は席の確保、次は出張販売弁当の確保で、かなりばたばた浮き足立っていた。一目で青函連絡船を思い出した。これは青函連絡船乗り継ぎ時の状況とよく似ているぞ。などと思っているうちに当然ながら出遅れてしまい、結局席は絨毯区画の空きスペースで何とか、弁当も人気の角煮弁当は逃したもののおにぎりを何とかぎりぎりのところで確保できたのは幸運だった。完全に青函連絡船の感覚を忘れている。いや、解ってさえいれば備えることはできたんだが。
 まあ自転車だし、乗船ダッシュからは最初から別枠なんだから、仕方無いことなのかもしれない。それに乗船時間たった50分だし、小値賀島には市街があるしね。

  A地点からC経由でB地点へ 赤は本日の経路

 12:10、青方発。
 太古は青川港を回り込んで出港、進行方向左側に「空から日本をみてみよう+」で紹介されていた石油備蓄基地を通過し、中通島の西側をぐんぐん北上してゆく。右側には奈摩湾西側半島の切り立った岸壁が続いた。大きな岩がごつごつど迫力で立ちはだかり、中腹から上には林道が通っているのがよく見えた。昨日訪れる予定だった道である。やや広い海岸沿いには清掃工場が建っていた。多分林道から崖下に分岐する道があり、下りきるとああいう清掃工場や奈留島みたいに残土処分場があるんだろうな。
 それにしても中通島、海岸から切り立つ斜面が急である。さっきから中通島を眺めていて、何となく違和感のような気持ちを感じていた。それが「危なっかしい」という気持ちであり、つまり中通島が今にも目の前でごろんと転覆して倒れてしまうんじゃないか、という危惧であることに気が付いた。そんなことがある訳は無いんだけどね。
 そんな妄想も束の間、そのうちごろっと横になって昼寝したり、地図を見てコースを再確認したり、補給食と思って買ったおにぎりを食欲の赴くまま全部食べちゃったり。
 途中トイレに行くと、我々の絨毯自由席はエンジン音が響いて振動しているが、上階の指定席と個室は驚く程静かで落ちついた雰囲気だった。そうか、1階は客室兼防音層なんだな、と思った。そういうところは青函連絡船より露骨な太古である。何はともあれ、次に五島列島に来る機会があれば、是非博多から太古の寝台を使いたい。

記 2019/6/2

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Last Update 2024/12/8
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