北海道Tour18#5
2018/8/13(火) 生田原→仁宇布-2

丸瀬布から鴻之舞経由で立牛へ 赤は本日の経路

生田原→丸瀬布 (以上#5-1)
→立牛
(以下#5-3) →瀬戸牛
(以下#5-4) →下川
127km ルートラボ

立牛にて PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA★50mm1:1.4 SDM AW

 道道305へ分岐すると、交通用はほぼ皆無になった。国道に比べるとやはり車がたまにしかやってこないし、車が通った後の空気というか、周囲の音が再び蘇って身体の周りを充たしてゆく、そんな時間感覚が国道の落ち着きの悪い路上とは全く違う。身体も気持ちも落ち着けるような気分が嬉しく、少し立ち止まって一息入れてみたりするものの、地図替え以外にあまりネタも無いし、まだ峠らしい峠は一つも越えていない。先へ進まねば。

 7:30、丸瀬布発。次は金八トンネルだ。かなり狭い谷底の狭い空間を150m程登り、おもむろにトンネルを抜けて紋別の山奥に抜ける、今日のコースでは峠カウントの一発目だ。
 丸瀬布側の谷間はかなり狭い。トンネルの手前まで、終始森の山肌が茂みっぽい谷底に迫り、道の他に小川がちょろちょろ流れているだけ。北海道でこれほど狭く、空間と風景の変化に乏しい谷間はすぐに思い出せない。まあ、熊が出そうなこと以外には、取り立てて印象的という訳でもない。

 今のところまた谷底の道は山影の中だが、空は雲が薄くなって再び明るくなり始めていた。前方にトンネルが見えてきたのとほぼ同時に、茂みに埋もれて廃道化した旧道の分岐が右側に登場。思えば長らくダート旧道の金八峠は通行止めであり、遠軽・滝上間の未済経路として金八峠を意識していながら、結局通ったことは無かった。ダートの距離と登り総量から、前記の湯の山峠・丸立峠に比べて通行止め難度が高いという気がしていたのだ。トンネルが開通してこの道は名実ともに丸瀬布と紋別を最短で直結する道に変身し、その最高地点のトンネルが嬉しいことに難所だった「金八峠」の名前を継いでくれた。しかしもともと丸瀬布・紋別間の交通量そのものが少ないためか、これだけ最短ルートができても、道道305の交通量はかなり少ない。金八トンネルが無かった頃は、この丸瀬布側舗装区間は今より更にさぞかし鬱蒼とした谷間だっただろう。

 8:00、金八トンネル通過。トンネルの向こうは紋別市である。「紋別」という地名には、旧名寄本線時代からオホーツク沿岸の主要都市であるというイメージがあるため、海岸から離れたこの内陸の山中で紋別の文字を眺めると、何だかオホーツク沿岸に来ているのだ、と改めて思わされる。実際にはオホーツク岸の紋別市街まで、約40kmもある。

 丸瀬布側の登り同様、紋別側もだらっとした、直線基調の下りが続く。谷間に平地は無いものの山が迫っているわけではなく、谷間全体にせせこましさはあまり感じられない。谷間が広いせいか、金八トンネルの紋別側に出てから、日差しが顕著に路面と周囲を照らし始めていた。

 しかし多少下って谷間が拡がるとか、そういう実際の地形とは無関係に谷間は山深い。鬱蒼としていた雰囲気が道を覆うようだった丸瀬布側と比べても、がらっと段違いな気がするぐらいに、山深いのである。谷間空間が開けている分、深い茂みと森が谷間を埋め尽くしていて、道以外に人の営みが全く無いからだ。
 道東の、あの山深かった津別峠の麓辺りとも異なる表情の山深さだ。大雑把に言えば道東と道北の違い、もう少し細かく言えばオホーツク沿岸東部と北部のような違いがあるような気がする。そして、その境が遠軽辺りにあるような気がする。まさにここはオホーツク内陸まっただ中、と思わせられる。

オホーツク山中の谷底を行く RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 鴻之舞の文字を道端に見かけ始め、廃墟が道端の木立の向こうに伺えるようになったところで、8:15、道道137分岐通過。次は180mぐらいの狐沢橋越えだ。私的幹線道路(実態は交通量ほぼ皆無のツーリング専用道路)のわかりやすい登り返し地点は、今日の行程進行上の目安のひとつであり、ここで8時過ぎということはなかなか快調な進行であると言えた。

鴻之舞から狐沢橋経由で立牛へ 赤は本日の経路

 新道らしい整った線形の道を谷底から山腹へ。斜度7〜8%位の淡々とした登りがしばらく続くものの、昨日津別峠から展望台への10%超200mを登っている者としては何も怖いものは無い。いや、谷底には沢が並行していて、鬱蒼とした背の高い茂みが続いている。ヒグマ確率はこちらの方が遙かに高そうで、それは怖い。実際、過去には鴻之舞でヒグマの大きな足跡を見かけている。

 尾根の凹みを通ってもう稜線近くだと思っていると、意外にそれからが長いようにも思える。登るにつれて茂みの谷底は山肌となり、道の片側は開け始めるため、ヒグマの恐れは少なくなるような気がする。ヒグマは急斜面がニガテ(らしい)からだ。しかし、そんなことは気休めかもしれない。

 時々雲の間から日差しがかっと照りつけ、周囲期の気温が一気に上がるものの、まだ空に雲は多く、うっすらでも日が翳ると森からの涼しい風が空気を覚ましてくれていた。やっと北海道の夏っぽいツーリングができている。

北海道紋別市鴻之舞 道道137 狐沢橋 北海道Tour18#5 2018/8/13(月)生田原→仁宇布 - Spherical Image - RICOH THETA
  眼下に大森林 つくづく道は有り難いと思う RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 8:45、狐沢橋着。狐沢橋は切り立った稜線近くのがけを飛び越える橋であり、道道137の鴻之舞から立牛への最高地点が、狐沢橋の立牛側となっている。
 道道137の、というより鴻之舞・立牛間の旧ルート、ウチャンナイ林道・上古丹4号沢林道の最高地点には、白樺峠と名前が付いている。一方、白樺峠より130mも高い位置にあるこちらには名前が無い。白樺峠を含む旧ルートを通ったのは2000年。過去の訪問中1、2を争うような晴れだった。その後の紋別の山間訪問では空が翳ることが多く、今日は初訪問時2000年以来の晴天である。
 狐沢橋から見下ろす、もりもり生い茂り視界の彼方へ続いてゆく大森林が、青い空の下明るい日差しに明るく照らされている。暑かったその日や、その後の雨天の日や通行止めが続いて通れなかったことを思い出しながら、こういう日もあるのだと思った。

 中立牛への下りは意外に長い。

狐沢橋から立牛経由で滝上へ 赤は本日の経路

 道は谷底に早めに降りてしまい、その後の狭く長い谷底には鬱蒼と森が生い茂り、熊が潜んでいそうで怖い。

 緩い下りに任せて、谷底をどんどん下ってしまう。

 下りきって放り出された山間には、あまり広くないものの纏まった平地が拡がっている。

やっと人里に降りてきた RICOH GRU GR18.3mm1:2.8

 何だか久しぶり見たような気がする民家には、廃屋もやや目立つ。畑や牧草地自体は比較的整っていて、ここまでの野生の迫力漂う大森林とは打って変わった、静かな表情の人里だ。丸瀬布から24kmの無人地帯が終わったのとともに、遠軽まで続いた北見地方から、いよいよ道北の最南部に到達したという気になってきた。

牧草地の緑が心に染みる RICOH GRU GR18.3mm1:2.8
北海道紋別市中立牛 道道137 北海道Tour18#5 2018/8/13(月)生田原→仁宇布 - Spherical Image - RICOH THETA
谷間に拡がる畑 改めて谷間の奥にいることを思い出す PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA★50mm1:1.4 SDM AW
  立牛到着 PENTAX K-1 MarkII HD PENTAX-D FA★50mm1:1.4 SDM AW

 立牛の交差点まで、更に緩い下りが続く。のんびりと下りに身を任せていると、流石紋別の山間、風が涼しい。空にはますます雲が少なく、青空の部分が多い。日差しが当たるこの谷間を眺められるのも、近年はあまり記憶に無い。日差しの中では気温が途端に上がり、あまり照りつけられてもこの谷間には自販機が無いのに、などと思ってしまうほど日差しは鋭いものの、暑くなってきたと思う辺りで日差しは良い具合に雲に隠れてくれ、のんびりと流すには都合が良い。

記 2019/1/26

#5-3へ進む    #5-1へ戻る    北海道Tour18夏 indexへ    北海道Tour indexへ    自転車ツーリングの記録へ    Topへ

Last Update 2019/3/17
ご意見などございましたら、E-Mailにてお寄せ下さい。
Copyright(c) 2002-19 Daisuke Takachi All rights reserved.